企業の成長と人材定着において、人事評価制度の重要性が高まる中、日本人事経営研究室株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役 山元浩二、以下日本人事経営研究室)は、全国の中小企業で「人事評価制度を運用している」経営者および役員100名と、全国の中小企業で「人事評価制度を運用していない」経営者および役員100名を対象に、人事評価制度の運用状況とそれによる企業への影響について調査を実施しました。
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調査TOPICS
- 賃上げが実施できた中小企業の割合について、人事評価制度を運用している中小企業では92.0%、運用していない中小企業では44.0%にとどまり、大きな差が生じている。
- 会社の業績が向上した中小企業の割合は、人事評価制度を運用している中小企業では53.0%、運用していない中小企業では26.0%となり、人事評価制度の有無が業績に大きく影響。
- 人事評価制度を運用していることによる効果は、「従業員のモチベーションが向上した」が45.0%となり、次いで「昇進・昇格の実施がスムーズになった」が37.0%、「賃上げができた」が36.0%という結果に。
- 人事評価制度を運用している中小企業は「社員に対する評価が適正にできている」と感じている方が90.0%なのに対し、人事評価制度を運用していない中小企業は53.0%となり、制度の有無が従業員のモチベーション低下に直結する可能性も。
- 人事評価制度を運用している中小企業は社員の離職原因を認識している傾向があるのに対し、人事評価制度を運用していない中小企業では44.0%が離職原因を「わからない」と回答。経営層と社員のコミュニケーションが取れていないことが考えられる。
- 「社員が目標を持って成果を出すことを意識して働いている」と感じる割合は、人事評価制度を運用している中小企業では83.0%、運用していない中小企業では60.0%となり、人事評価制度の有無が社員の目標意識にも影響を及ぼしている。
- 「社員の育成が十分にできている」と感じる割合は、人事評価制度を運用している中小企業では75.0%なのに対し、運用していない中小企業では52.0%となり、人事評価制度の導入は社員育成にも効果的であることがうかがえる。
- 人事評価制度を導入しない理由で最も多かったのは「導入しても効果を感じにくいから」が28.0%、次いで「他の優先事項があるから」が25.0%、「人事評価制度のノウハウを持っていないから」が22.0%という結果に。
- 経営計画の運用について、人事評価制度を運用している中小企業では82.0%が経営計画も運用していると回答。一方で人事評価制度を運用していない中小企業では経営計画の運用は30.0%に留まる。
- 経営計画の効果は「従業員の仕事に対する目標意識が向上した」が41.4%となり、次いで「会社全体の方向性が明確になり、従業員の意思疎通ができた」が32.3%、「業績が伸びた」が29.3%。社員育成、業績において経営計画が重要であることが明らかに。
[調査概要]
・エリア:全国
・調査対象:「人事評価制度を運用している」経営者・役員100名、「人事評価制度を運用していない」経営者・役員100名
計200名
・調査期間:2025年10月10日~10月14日
・調査方法:インターネット調査
■賃上げが実施できた中小企業の割合について、人事評価制度を運用している中小企業では92.0%、運用していない中小企業では44.0%にとどまり、大きな差が生じている。
まず、直近1年間に賃上げを実施したかを聞いたところ、人事評価制度を運用している中小企業では92.0%が賃上げを実施していたのに対し、人事評価制度を運用していない企業では44.0%にとどまり、両者の間に大きな差があることが明らかになりました。
人事評価制度を運用している企業では、従業員の業績や貢献度に基づいて賃上げを実行しやすく、評価が賃金に反映される仕組みが整っていることから賃上げに繋がっているようです。反対に、人事評価制度が運用されていない企業では、賃上げの実施にあたって基準が不明確な場合が多く、賃上げ額が感覚的に決定される場合もあるため、賃上げの実施が不定期、または行われない可能性も考えられます。
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■会社の業績が向上した中小企業の割合は、人事評価制度を運用している中小企業では53.0%、運用していない中小企業では26.0%となり、人事評価制度の有無が業績に大きく影響。
直近1~2年での会社の業績について聞いたところ、「業績が向上した」と回答したのは人事評価制度がある中小企業では53.0%、人事評価制度がない中小企業では26.0%となり、人事評価制度の有無が業績にも大きく影響していることが明らかとなりました。人事評価制度の運用により、従業員一人ひとりの業務パフォーマンスや目標が明確に定義され、従業員は業績向上に向けた行動を取りやすくなります。反対に、人事評価制度がない企業では、従業員の目標や評価が明確でないため、業績向上のための具体的な動きを取りにくい傾向があります。
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■人事評価制度を運用していることによる効果は、「従業員のモチベーションが向上した」が45.0%となり、次いで「昇進・昇格の実施がスムーズになった」が37.0%、「賃上げができた」が36.0%という結果に。
人事評価制度を運用している企業の経営層に、人事評価制度による効果を聞いたところ、「従業員のモチベーションが向上した」が45.0%となり、次いで「昇進・昇格の実施がスムーズになった」が37.0%、「賃上げができた」が36.0%という結果となりました。人事評価制度は、従業員のモチベーションアップやキャリア成長に直結し、企業全体のパフォーマンス向上に寄与していることがわかります。
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■人事評価制度を運用している中小企業は「社員に対する評価が適正にできている」と感じている方が90.0%なのに対し、人事評価制度を運用していない中小企業は53.0%となり、制度の有無が従業員のモチベーション低下に直結する可能性も。
社員に対する評価が適正にできているかどうかを聞いたところ、人事評価制度を運用している中小企業では「とても感じている」と「少し感じている」を合わせると、90.0%と大半を占める結果となりました。一方、人事評価制度を運用していない中小企業では53.0%となり、大きな差があることがわかりました。人事評価制度がない企業では、評価基準が曖昧であるため、従業員が評価の公正さに疑念を抱きやすく、会社への信頼感の低下、モチベーションの低下に直結する可能性もあります。
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■人事評価制度を運用している中小企業は社員の離職原因を認識している傾向があるのに対し、人事評価制度を運用していない中小企業では44.0%が離職原因を「わからない」と回答。
経営層と社員のコミュニケーションが取れていないことが考えられる。
社員の離職の原因について聞いたところ、人事評価制度を運用している中小企業では「職場環境」が38.0%、「給与や待遇への不満」が37.0%で多い結果となりました。一方、人事評価制度を運用していない中小企業は離職原因を「わからない」と回答した割合が44.0%で、最多の結果となりました。経営層と従業員のコミュニケーション不足が離職の要因となっている可能性も示唆されます。
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■「社員が目標を持って成果を出すことを意識して働いている」と感じる割合は、人事評価制度を運用している中小企業では83.0%、運用していない中小企業では60.0%となり、人事評価制度の有無が社員の目標意識にも影響を及ぼしている。
「社員が目標を持って、成果を出すことを意識して働いている」と感じるかを聞いたところ、人事評価制度を運用している中小企業では「とても感じている」と「少し感じている」を合わせると83.0%となりました。一方で人事評価制度を運用していない中小企業では60.0%に留まりました。人事評価制度があることで、従業員が自身の目標やあるべき状態を理解し業務に臨むことができるため、成果への意識も根付いていることがわかります。
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■「社員の育成が十分にできている」と感じる割合は、人事評価制度を運用している中小企業では75.0%なのに対し、運用していない中小企業では52.0%となり、人事評価制度の導入は社員育成にも効果的であることがうかがえる。
社員の育成が十分にできているかどうかを聞いたところ、人事評価制度を運用している中小企業では「とても感じる」と「少し感じる」を合わせると75.0%なのに対し、人事評価制度を運用していない中小企業では52.0%となり、社員育成においても人事評価制度は重要であることが明らかになりました。人事評価制度があることにより従業員の育成方針が明確になり、成長が加速するため、人材育成にも効果的です。
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■人事評価制度を導入しない理由で最も多かったのは「導入しても効果を感じにくいから」が28.0%、次いで「他の優先事項があるから」が25.0%、「人事評価制度のノウハウを持っていないから」が22.0%という結果に。
人事評価制度を導入していない中小企業に導入しない理由を聞いたところ、最も多かったのは「導入しても効果を感じにくいから」が28.0%、次いで「他の優先事項があるから」が25.0%、「人事評価制度のノウハウを持っていないから」が22.0%という結果となりました。「導入しても効果を感じにくい」という理由として、人事評価制度が十分に運用されていない、または間違った運用がされていることが考えられます。
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■経営計画の運用について、人事評価制度を運用している中小企業では82.0%が経営計画も運用していると回答。一方で人事評価制度を運用していない中小企業では経営計画の運用は30.0%に留まる。経営計画の効果は「従業員の仕事に対する目標意識が向上した」が41.4%となり、次いで「会社全体の方向性が明確になり、従業員の意思疎通ができた」が32.3%、「業績が伸びた」が29.3%。社員育成、業績において経営計画が重要であることが明らかに。
人事評価制度だけでなく経営計画も運用しているか聞いたところ、人事評価制度を運用している中小企業の82.0%が経営計画も運用していました。一方で、人事評価制度を運用していない中小企業は経営計画の運用も30.0%に留まりました。
経営計画を運用することによる効果を聞いたところ、「従業員の仕事に対する目標意識が向上した」が41.4%となり、次いで「会社全体の方向性が明確になり、従業員の意思疎通ができた」が32.3%、「業績が伸びた」が29.3%という結果となりました。経営計画は、企業全体の方向性を示し、従業員の目標意識を向上させるだけでなく、業績向上にも寄与します。また、計画に基づいて業務を進めることは、企業の成長を加速させるために不可欠な要素であり、従業員のモチベーションやパフォーマンスにも直結します。
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今回の調査により、人事評価制度を運用している中小企業では、賃上げや業績向上が見られ、従業員のモチベーションや育成効果も高いことが明らかになりました。これに対して、人事評価制度を運用していない中小企業では、賃上げや業績向上に限界があり、従業員とのコミュニケーション不足などの課題が明らかとなりました。これらの課題を解決するためには、人事評価制度や経営計画を効果的に運用し、そして従業員と経営側の双方向のコミュニケーションを促進することが重要です。
■日本人事経営研究室代表取締役 山元浩二 コメント
・調査結果の総評
今回の調査で注目すべき点は、人事評価制度の有無が「賃上げ実施率」にダブルスコア以上の差(導入企業92.0%に対し、未導入企業は44.0%)があるという点です。また、制度未導入企業の4割以上が社員の離職理由を「わからない」と回答している点も見逃せません。これは経営層と社員の間に深刻なコミュニケーション不全が起きていることがわかり、ブラックボックス化した評価や不透明な将来性が、社員のエンゲージメントを低下させている恐れがあります。今回の調査によって、人事評価制度が単なる「査定の道具」ではなく、業績向上や賃上げの原資を生み出す「組織成長のエンジン」であることが分かります。中小企業が今後生き残るための分岐点は、この「仕組み」を持っているか否かにあると言えるでしょう。
・中小企業こそが人事評価制度と経営計画を運用することへの重要性
中小企業が導入を躊躇する理由として「導入しても効果を感じにくい」という声が多く挙がりましたが、これは「経営計画」と連動した運用がなされていないことに起因します。今回の調査が示す通り、評価制度を運用している企業の8割以上が「経営計画」も併用しており 、その相乗効果で社員の目標意識を83.0%まで高めています。中小企業こそ、「経営計画」で会社のビジョン(将来像)を示し、「人事評価制度」でそこに至るための社員の具体的な行動とキャリアパスを示す必要があります。この2つが両輪となって初めて、評価への納得感が高まり、人材育成が進み、結果として業績が向上して賃上げが可能になるという「成長の好循環」が生まれます。属人的な経営から脱却し、全社員がベクトルを合わせて自走する組織を作るためには、経営計画と連動した人事評価制度の構築が不可欠です。
■中小企業の実態にマッチして組織が成長できる人事制度づくりを1冊で理解!【改定新版】図解『小さな会社は経営計画で人を育てなさい!』
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昨今、中小企業は「賃上げ率の低さ」や「人材・リーダー不足」、「生産性の低さ」など数々の大きな課題を抱えています。賃金と生産性の好循環を生み出す仕組みが求められる中、何から手をつけたら良いかわからないという中小企業も数多く存在するのが現状です。大企業と比較すると、中小企業での取り組みは遅れていると言っても過言ではありません。本書は2017年10月に刊行し、増刷10刷に達したベストセラー『小さな会社は経営計画で人を育てなさい!』の改訂新版です。
中小企業は人に頼った経営になりがちで、ほとんどの仕事が仕組み化されておらず属人的になってしまうという課題があります。本書ではこうした中小企業の課題解決のために、組織成長の原理原則に則った仕組みである「ビジョン実現型人事評価制度(R)」の考え方から導入、運用方法までを図解で分かりやすく紹介しています。
「人事評価制度」で人材と組織を成長させたい中小企業、人事評価制度が人材の育成や自社の業績向上につながらなかった中小企業、さらに「経営計画」で自社を成長させたい中小企業や、「経営計画」を作成しているが絵に描いた餅となっている中小企業に向けて、「ビジョン実現型人事評価制度(R)」の紹介を通じ、中小企業が大手企業を超える生産性を上げる仕組み経営を実現します。
■書籍情報
書名 :【改定新版】図解『小さな会社は経営計画で人を育てなさい!』
著者 :日本人事経営研究室株式会社 代表取締役 山元浩二
発売日:2025年5月20日
定価 :1800円(税別)
ISBN :978-4-86667-751-4
発行所:あさ出版
■著者プロフィール
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山元浩二
日本人事経営研究室株式会社代表取締役
福岡県出身。組織成長・進化の“仕組み”づくりコンサルタント。成果主義、結果主義的な人事制度に異論を唱え、10年間を費やし、1000社以上の人事制度を研究。会社のビジョンを実現する人材育成を可能にした「ビジョン実現型人事評価制度(R)」を日本で初めて開発、独自の経営理論を確立した。
導入先では評価結果への社員納得度が94.6%という、経営者と社員双方の満足度が極めて高いコンサルティングを実現。その圧倒的な運用実績が評判を呼び、経営計画や人事評価制度運用に失敗した企業からのオファーが殺到している。業界平均3倍超の生産性を誇る自社組織は、創業以来、24期連続増収を果たし、人事評価制度専門コンサルタントとしてオンリーワンの地位を築く。著書に『図解 3ステップでできる!小さな会社の人を育てる人事評価制度のつくり方』(あさ出版)、『小さな会社の〈人を育てる〉賃金制度のつくり方』『小さな会社の〈人を育てて生産性を高める〉「戦略」のつくり方』(日本実業出版社)などがある。発行累計20万部を突破し、多くの経営者から注目を集めている。






















