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【新作アニメ捜査網】第42回 2011年アニメ旬報ベスト10 テレビ篇

本稿では、年始恒例特集として2011年のテレビアニメを振り返り「優れた作品ベスト10」を、私コートクの独断と偏見で発表したいと思います。
アニメをご覧になる個々人によって何を基準にして評価するかは異なりますし、私はベスト10に入れた作品が優れた作品でベスト10に入れなかった作品はそうでない作品だと断定する意図は一切ありません。この点をご理解の上ご覧戴ければ幸いです。


  • ●第10位・・・『フリージング』
    ストーリーは、ノヴァという怪物が地球を滅亡の危機に陥れる中、ゼネティックスという学校を舞台に、ノヴァと戦うための訓練を受ける少年少女を描くものですが、第8話「Pandora Queen」までは本筋が全く進まず、第9話「Godspeed of the East」から本筋が本格的に進展します。第9話でノヴァがゼネティックスに侵攻、同話で初登場した学生・キャシー=ロックハートとミレーナ=マリウス(声・大原さやか)はノヴァによって吸収され、第10話「NOVA Form」以降ではノヴァの兵士としてゼネティックスに攻め込みます。ゼネティックス勢とキャシーらの戦いは、かつての友人と戦わねばならない悲劇に溢れたものですが、一方で、指揮官の視点からの戦闘描写は、戦術的な駆け引きを描いており、個人の感情が覆う現場と、学生達を駒として勝利を目指す俯瞰的視点の対比が戦いの非情さを浮き彫りにしていました。そして最終回「Satellizer vs. Pandora」では、以前サテライザーと対立していたガネッサ=ローランド(声・喜多村英梨)がサテライザーを庇って大怪我を負ったり、キャシーが一瞬正気を取り戻して死を願うなど、人情のツボを押さえた場面が次々と登場し(お約束ではあるが)、視聴者に感動を与えました。最終回のラストでは、キャシーもミレーナも元気に元通りになり、ガネッサも病院に入院したものの元気そうだし、結局誰も死なずに(過去の回想シーンでは死者が出ていますが)めでたしめでたし。ノヴァとの決着はついていないものの、大変後味の良い最終回となりました。その他、本作の優れた点に迫力溢れる戦闘劇伴があります。合唱と相俟って壮大な楽曲となりました。

    ▼概要
    ・放送期間:2011年第1クール
    ・製作委員会:メディアファクトリー/キルタイムコミュニケーション/ティー・オーエンタテインメント/A・C・G・T/エスウッド/AT-X/ダックスプロダクション
    ・原作:林達永/金光絃(キルタイムコミュニケーション『コミックヴァルキリー』連載)
    ・シリーズ構成:赤星政尚
    ・キャラクターデザイン/総作画監督:渡辺真由美
    ・音楽:横山克
    ・監督・渡部高志
    ・アニメーション制作:A・C・G・T

    <出演者>
    サテライザー=エル=ブリジット・能登麻美子、キャシー=ロックハート・釘宮理恵、アオイ=カズヤ・市来光弘、シスター=マーガレット・高橋理恵子、ラナ=リンチェン・花澤香菜、シフォン=フェアチャイルド・井上麻里奈、他

    ●第9位・・・『Steins;Gate』
    番組の前半では、理系の大学生が怪しい実験を繰り返す様子が描かれます。そして中盤、実験の影響によって変貌した世界を目の当たりにした衝撃!更に仲間を救うために苦闘を繰り広げる岡部倫太郎の重苦しい苦悩が番組を覆います。この出口の見えない不安や、時折差し込む絶望感がこの番組の特徴ですが、最終的に解決してめでたしめでたし。

    ▼概要
    ・放送期間:2011年第2クール~第3クール
    ・原作:5pb./ニトロプラス
    ・キャラクター原案:huke
    ・シリーズ構成:花田十輝
    ・キャラクターデザイン/総作画監督:坂井久太
    ・音楽:阿保剛/村上純
    ・監督:佐藤卓哉/浜崎博嗣
    ・アニメーション制作:WHITE FOX

    <出演者>
    岡部倫太郎・宮野真守、橋田至・関智一、牧瀬紅莉栖・今井麻美、椎名まゆり・花澤香菜、阿万音鈴羽・田村ゆかり、漆原るか・小林ゆう、桐生萌郁・後藤沙緒里、フェイリス・ニャンニャン・桃井はるこ、他

    ●第8位・・・『スーパーロボット大戦OG ジ・インスペクター』
    テレビアニメ『スーパーロボット大戦OG ディバイン・ウォーズ』の続篇。大勢の登場人物それぞれのドラマを描いた点が特徴となっています。
    例えば第22話「散りぬべき時知りてこそ」におけるオウカ姉さん(声・根谷美智子)のエピソードはとても泣けるエピソードで、タイトルクレジットは総入れ替えされ根谷が出演者筆頭になっていました。

    そして一番印象深かったエピソードが第24話「白き魔星へ」です。レモン・ブロウニング(声・水谷優子。水谷は1人3役を演じておりそれも見所の1つ)は同僚アクセル・アルマーが出撃した際、人造人間W16ことエキドナ・イーサッキ(声・鈴木麻里子)に以下の指示を下します。
    レモン「あなたもアクセルと一緒に出てくれる?」
    エキドナ「はっ!」
    レモン「彼を守ってくれるかしら。その上であなたも生還するのよ」
    エキドナ「その御命令の優先順位は」
    レモン「どちらも成し遂げるのよ。頼んだわね。W16いえエキドナ・イーサッキ」
    エキドナ「了解」
    戦場に駆け付けたエキドナに対し、アクセルは人造人間W17ことラミア・ラヴレスを倒すよう命じます。
    アクセル「W16、レモンの差し金か」
    エキドナ「はっ、隊長をお守りし共に生還するようにと」
    アクセル「なら俺が新たな命令を与える。W17を倒せ。奴を超えてみせろ」
    しかし戦闘の最中、エキドナはアクセルを庇います。
    エキドナ「私の任務はあなたを生還させることです」
    アクセル「なぜだ!俺の命令は!」
    エキドナ「レモン様が悲しみます。隊長・・・!生き延びてください。レモン様の為に」
    エキドナが搭乗する機体が爆発した後、呟くアクセル。
    アクセル「自分の意志で逆らったのか。俺やレモンの命令に」
    ラミア「お前に未練はなかったのか。ようやく命令よりも優先すべき意志を見つけられたというのに」

    感情を持たず命令に従うだけの筈の人造人間が、自分の考えに基づいた最初で最後の行動を描いた、泣けるエピソードでありました……。

    ▼概要
    ・放送期間:2010年第4クール~2011年第1クール
    ・製作委員会:明記されず
    ・原作:SRプロデュースチーム
    ・シリーズ構成:竹田裕一郎/八房龍之助
    ・キャラクター原案:河野さち子/斉藤和衛
    ・キャラクターデザイン:江端里沙/浜崎賢一/大籠之仁/山根理宏
    ・メカニックデザイン:宮武一貴/守谷淳一/カトキハジメ/杉浦俊朗/明貴美加/安藤弘/山根理宏/小野聖二/ことぶきつかさ/金丸仁/斉藤和衛/土屋英寛/藤井大誠/大張正己/富士原昌幸/大河原邦男
    ・キャラクター総作画監督:椛島洋介
    ・メカニック総作画監督:山根理宏
    ・音楽:寺田志保/栗山善親/湯村渉/岡田さとる/鶴山尚/花岡拓也/松島加代子
    ・監督:大張正己
    ・アニメーション制作:旭プロダクション

    <出演者>
    キョウスケ・ナンブ・森川智之、エクセレン・ブロウニング・水谷優子、ダイテツ艦長・柴田秀勝、ラミア・ラヴレス・清水香里、ブルックリン・ラックフィールド・杉田智和、クスハ・ミズハ・高橋美佳子、アクセル・アルマー・神奈延年、他

    ●第7位・・・『ましろ色シンフォニー -The color of lovers-』
    共学校と女子校の統合を描いた学園もの。正式な統合の前に仮統合で同じ学校に通うことになってしまった両校生徒の人間模様と、環境の変化に伴って生息数が減少した謎の生物ぱんにゃのエピソード等を描きます。
    前者については、共学校の男子生徒・瓜生新吾は、男子を嫌う女子校側の生徒・乾紗凪に散々悪態をつかれるものの、徐々に男女間の信頼関係が確立する様子が甘酸っぱく描かれています。中でも一番盛り上がるのが第10話「なみだ色の雨やどり」です。中盤、掃除の場面における薄暗い空模様が波乱を予感させましたが、クライマックスの、大雨の中で瀬名愛理が紗凪を抱きしめる場面がとても泣けます。後者については、最終回の展開は昭和52年のテレビアニメ『あらいぐまラスカル』みたいではありますが王道の展開で宜しい。余談ですが、この手のアニメはタイトルクレジット順で誰がメインヒロインかネタバレになることがある(例、2007年のテレビアニメ『キミキス pure rouge』)のに対し、本作のタイトルクレジット順はメインヒロインが4番目に表記されているのがフェイントになっています。

    ▼概要
    ・放送期間:2011年第4クール
    ・製作委員会:フロンティアワークス/メディアファクトリー/ランティス
    ・原作:ぱれっと
    ・キャラクター原案:和泉つばす
    ・シリーズ構成:チームRIKKA
    ・キャラクターデザイン:川村敏江
    ・総作画監督:川村敏江/杉本幸子
    ・音楽:虹音
    ・監督:菅沼栄治
    ・アニメーション制作:マングローブ

    <出演者>
    瓜生新吾・水島大宙、天羽みう・力丸乃りこ、乾紗凪・吉田真弓、瀬名愛理・小野涼子、瓜生桜乃・後藤麻衣、アンジェリーナ・菜夏・シーウェル・壱智村小真、ぱんにゃ・櫻井浩美、他

    ●第6位・・・『ユルアニ?』
    講談社の漫画を原作とした『島耕作』『ほんとにあった!霊媒先生』『だぶるじぇい』、日本テレビのニュース番組『NEWS ZERO』をパロディ化した『汐留ケーブルテレビ』等の短篇アニメをオムニバス形式で纏めたもの。コーナーによって面白さには差があるものの、なぜこのような形でアニメ化しようと思ったのか突っ込まずにはいられない『島耕作』、テレビ局のあるべき姿からかけ離れすぎて笑いが止まらない『汐留ケーブルテレビ』、猫の様子が微笑ましい『ほんとにあった!霊媒先生』と、充実した構成となっています。

    ▼概要
    ・放送期間:2011年第2クール~第3クール
    ・製作委員会:D.N.ドリームパートナーズ/講談社/キングレコード/DLE/バップ/4cast
    ・原作:弘兼憲史/松本ひで吉/野中英次/亜桜まる/瀧波ユカリ/ハグキ/北道正幸
    ・音楽:manzo
    ・監督:FROGMAN/谷東/べんぴねこ
    ・アニメーション制作:DLE

    <出演者>
    島耕作・FROGMAN、木林呪理・水原薫、吉居あきこ・松来未祐、人柱京子・相沢舞、江古田ちゃん・平岩紙、宇佐美はじめ・大橋歩夕、他

    ●第5位・・・『ジュエルペット てぃんくる☆』
    『ジュエルペット』シリーズ第2作。特に印象深かったのは、生き別れになった双子の姉弟であるアルマと祐馬のエピソードです。深い悲しみと怒りを秘めたアルマは、男装して行動しますが、女性の声と男性の声の両方を発した高本めぐみの演技は秀逸でした。そして憎しみに基づいて突き進むアルマは大切な仲間を失い(後で復活するんだけれども)、より一層の絶望的な状況に陥りながらも、祐馬と主人公の桜あかりに囲まれ、優しさを取り戻します。この展開は、良質な子供番組として日本全国のチビッ子達に感動を与えたことでしょう。

    ▼概要
    ・放送期間:2010年第2クール~2011年第1クール
    ・製作委員会:テレビ東京/テレビ東京メディアネット/ウィーヴ
    ・原作:サンリオ/セガトイズ、シリーズ構成・島田満
    ・キャラクターデザイン:伊部由起子/宮川知子
    ・音楽:浜口史郎
    ・監督:山本天志
    ・アニメーション制作:スタジオコメット

    <出演者>
    桜あかり・高森奈津美、ミリア・竹達彩奈、沙羅・片岡あづさ、ルビー・齋藤彩夏、ラブラ・沢城みゆき、祐馬・立花慎之介、アルマ・高本めぐみ、他

    ●第4位・・・『最強武将伝 三国演義』
    羅貫中の古典『三国志演義』を、全52話として映像化した日中合作アニメ。西暦184年の黄巾の乱から西暦280年の呉滅亡までをダイジェストで描きました。
    流石に100年間の物語なので、主人公は1人ではありません。一応の主人公は蜀の皇帝・劉備ですが、曹操、呂布ら群雄を週替わりで描いた群像劇となっています。
    歴史上の出来事をモデルにした物語ではありますが、お堅い作品ではなく、随所に視聴者を笑わせるようなネタを仕込み(例えば提供背景で劉備がチョキを出す回、曹操がパーを出す回、孫権がグーを出す回があったり)、視聴者を飽きさせませんでした。
    第38話「関羽死す!」で関羽、第39話「三国鼎立」で曹操と張飛、第40話「劉備の遺言」で劉備が死んでからは主人公の座を諸葛亮にバトンタッチ。流石に主要登場人物が3話で4人も死んでは番組の勢いが削がれそうですが、逆に新キャラクター・孟獲の登場によって大いに盛り上がるエピソードに突入したのが本作の凄いところです。
    第43話「南蛮平定」で孟獲の出番が終了した後は諸葛亮と司馬懿の対決のエピソードとなりますが、妖術(に見せかけた策略)を使うわ、オーパーツのロボット馬(木牛流馬という)を開発するわでマンネリ化を防止しました。その諸葛亮も第50話「五丈原の風」で死に、2話を残して主人公が不在となります。残りの2話は姜維や司馬一族のエピソードで締め括られ、遂に最終回のラストにおいて司馬炎(声優なし)が建国した晉が呉を滅ぼし中国大陸を統一します。全話を観終わった後は、100年間の壮大な歴史を駆け抜けた達成感と充実感に満たされ、放送終了直後の2ちゃんねる実況スレッドでも1年間の放送を終えた感慨が残りました。

    ▼概要
    ・放送期間:2010年第2クール~2011年第1クール
    ・製作委員会:中国中央電視台少児頻道/北京輝煌動画/フューチャー・プラネット/央視動画/タカラトミー
    ・キー局:テレビ大阪
    ・原作:羅貫中
    ・総監製:趙化勇
    ・芸術監督:銭運達
    ・シリーズ構成:王大為
    ・キャラクターデザイン:陳聯運
    ・音楽:張俊鵬
    ・監督:朱敏/沈壽林/大賀俊二
    ・アニメーション制作:北京輝煌動画/フューチャー・プラネット

    <蜀関連の出演者>
    劉備・船越英一郎、関羽・松永博史、張飛・山崎裕太、趙雲・載寧龍二、諸葛亮・石井正則、馬超・土田大、黄忠・大林隆介、魏延・木村彰吾、関興・内田朝陽、馬謖・河本邦弘、姜維・山田純大、劉禅・つぶやきシロー
    <魏関連の出演者>
    曹操・鶴見辰吾、張遼・三好幸次、許褚・磯山良司、司馬懿・中村秀利、司馬師・丹波義隆、司馬昭・川村陽介
    <呉関連の出演者>
    孫権・伊藤洋三郎、魯粛・大石吾朗、周瑜・鈴木一真、小喬・戸田菜穂、玉錦・鈴木砂羽、呂蒙・藤本譲、陸遜・秋吉徹
    <その他の出演者>
    董卓・河原さぶ、呂布・ささきいさお、陳宮・野村浩二、貂蝉・木南晴夏、袁紹・谷崎弘一、孟獲・西尾季隆、祝融夫人・比企理恵、孟優・中島卓偉、ナレーター・鹿賀丈史、他

    ●第3位・・・『逆境無頼カイジ 破戒録篇』
    テレビアニメ『逆境無頼カイジ』の続篇。前作で金融会社帝愛グループからの多額の借金を抱えてしまったカイジは、同グループの地下強制労働施設に収容されてしまいます。本作は、カイジが借金を返済するまでを描きます。
    ストーリーは前半の地下チンチロ篇と後半のパチンコ「沼」篇に大きく分けることができます。サイコロを用いた賭博対決を描いた地下チンチロ篇では、視聴者自身がお金を賭けている訳ではないにも拘わらず、まるで視聴者自身の運命が左右されるかのような緊迫感に満ちており、私はテレビ画面に近寄って回転するサイコロを凝視してしまいました。
    そして後半でカイジは地下強制労働施設の45組という仲間5人のお金を預かり、一時的に出所してギャンブルで借金返済が可能な金額まで増やすことになります。
    最終回「未来は僕らの…」で借金返済が可能な金額を手に入れたカイジは、自身の借金返済のみならず45組の借金をも返済。更に45組の同意を得、地下強制労働施設に収容されている他の男の借金まで返済します。45組の5人と共に祝杯を挙げたいカイジですが、所持金を失ってしまい、それを見た帝愛社員(声・藤原竜也)はカイジにポケットマネーをプレゼントするのでした。
    前作の限定ジャンケンのエピソードでは信頼していた人物に裏切られる場面がありましたが、本作の結末は人と人との信頼関係を描いており、心温まるラストとなっています。前作の第1話の冒頭には「未来は僕らの手の中」という貼り紙が登場、本作最終回の副題と対応しています(「未来は僕等の手の中」は前作のオープニング主題歌及び本作最終回のエンディング主題歌の曲名でもある)。未来は自分の手で摑み取ることができるという力強いメッセージを残し、本作は幕を閉じたのでありました。

    ▼概要
    ・放送期間:2011年第2クール~第3クール
    ・製作委員会:日本テレビ/バップ
    ・原作:福本伸行(講談社『週刊ヤングマガジン』連載)
    ・シリーズ構成:高屋敷英夫
    ・キャラクターデザイン:高田晴仁
    ・総作画監督:高田晴仁/梅原隆弘
    ・音楽:タニウチヒデキ
    ・監督:佐藤雄三
    ・アニメーション制作:マッドハウス

    <出演者>
    カイジ・萩原聖人、兵藤和尊・津嘉山正種、坂崎孝太郎・二又一成、遠藤勇次・内田直哉、一条・浪川大輔、大槻・チョー、ナレーター・立木文彦、他

    ●第2位・・・『ジュエルペット サンシャイン』
    『ジュエルペット』シリーズ第3作。毎週毎週視聴者をアッと驚かせるネタを繰り出すギャグアニメとなっています。例えば実写の山羊とアニメを合成したり、1つのエピソードの台詞が全部擬音だったり、ストーリーの文脈とは無関係にスメタナの「モルダウ」を背景にして鮭の一生を描いたりといった具合です。よくあれだけ次から次へと変化球を繰り出すものだと感心します。

    ▼概要
    ・放送期間:2011年第2クール~現在
    ・製作委員会:テレビ東京/テレビ東京メディアネット/ウィーヴ
    ・原作:サンリオ/セガトイズ
    ・シリーズ構成:柿原優子
    ・キャラクターデザイン:藤田まり子/宮川知子
    ・音楽:浜口史郎
    ・監督:稲垣隆行
    ・アニメーション制作:スタジオコメット

    <出演者>
    水城花音・松嵜麗、白石御影・田丸篤志、イルカ先生・岩崎征実、ジル・コニア先生・甲斐田ゆき、浅香ひなた・豊崎愛生、藍沢晶子・沢城みゆき、黒田真砂・浅利遼太、ジュエリーナ・皆口裕子、他

    ●第1位・・・『FAIRY TAIL』
    2年以上続く本作ですが、2011年は5月から8月にかけて放送されたエドラス篇が最も盛り上がりました。エドラスは本作の舞台となる世界・アースランドとは異なるもう1つの世界です。ナツ、ウェンディ、ハッピー、シャルルの2人と2匹がエドラスを冒険するのですが、そのストーリーは何が起こるか分からない危機感や驚きに満ちており、視聴者も一緒に未知の世界を冒険しているかのような気分にいざないました。アースランドにいる人物と同一人物でありながら性格が全く異なるエドラス側の人物との出会い、死んだと思われたリサーナ(声・櫻井浩美)との再会、ハッピーとシャルルに隠された衝撃の秘密、ハッピーの両親であるラッキー(声・関智一)とマール(声・川澄綾子)との再会(でもハッピーは気付いていない)、敵側として現れたエドラスのエルザとの対決など、毎週毎週見せ場の連続で視聴者を飽きさせることがありませんでした。少年達をワクワクさせ、大人の視聴者を童心に返した傑作として、本作を2011年のテレビアニメ第1位にしたいと思います。

    ▼概要
    ・放送期間:2009年第4クール~現在
    ・製作委員会:テレビ東京/電通/A-1 Pictures
    ・原作:真島ヒロ(講談社『週刊少年マガジン』連載)
    ・シリーズ構成:十川誠志
    ・キャラクターデザイン:山本碧
    ・音楽:高梨康治
    ・監督:石平信司
    ・アニメーション制作:A-1 Pictures/サテライト

    <出演者>
    ナツ・柿原徹也、ウェンディ・佐藤聡美、ハッピー・釘宮理恵、シャルル・堀江由衣、マカロフ・辻親八、ジェラール・浪川大輔、エルザ・大原さやか、ルーシィ・平野綾、グレイ・中村悠一、ナレーター・柴田秀勝、他

    (文:コートク)

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