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日本アニメファンが海外ファンにもの申す!「理想の父親アニメキャラに“野原ひろし”が入ってない」

niconico 先週、日本のアニメ・漫画情報を世界に発信する『Tokyo Otaku Mode』のアンケート「父親にしたいアニメキャラクターは?(What anime character would youwant as your dad?)」の結果を日本で報じてみたところ、国内から大きな反響があった。

 本稿では、海外向けにその反響の内容をお伝えしたい。

  • 【関連:海外アニメファンに聞いた「父親にしたいアニメキャラは?」】

    ■外国人が選んだ「父親にしたいアニメキャラ」総合(Tokyo Otaku Mode調べ)
    1:波風ミナト(NARUTO-ナルト-疾風伝)
    2:孫悟空(ドラゴンボール)
    3:キリト(ソードアート・オンライン)
    4:黒崎一心(BLEACH)
    5:古河秋生(CLANNAD)
    6:ナツ・ドラグニル(FAIRY TAIL)
    7:セバスチャン・ミカエリス(黒執事)
    8:はたけカカシ(NARUTO-ナルト-疾風伝)
    9:モンキー・D・ルフィ(ONE PIECE)
    10:うずまきナルト(NARUTO-ナルト-疾風伝)

     今回の記事で最も反響が見られたのが、日本最大の動画サービス『niconico』が提供している『niconico news』に配信した記事。
    海外では『niconico』をご存じない方も多いと思われるので、軽くサービス内容を紹介しておくが、niconicoはYouTubeなどと同じく、基本は動画共有サービスの一つだ。
    しかし、他サービスと大きく異なるのは、動画に寄せられたコメントが画面上に流されるため、コメントした人も動画に参加できるのが特徴。日本のネチズンの間では若い層を中心に人気が高い。

    突風の中の恋愛サーキュレーション

     また、創作動画の投稿も活発で、素人による『歌ってみた』と呼ばれる動画や、『踊ってみた』、そして海外でも有名な初音ミクのオリジナル曲を披露しあう場になっている。
    最近では「ラスボス(Last Boss)」と呼ばれる日本芸能界のトップスター小林幸子さんや、日本の伝統芸能にもなりつつある『宝塚歌劇団※』出身の女優・彩羽真矢さんが、特徴を生かしたオリジナル動画を投稿するなど、素人と一緒にプロも遊ぶ場にもなっている。(※宝塚歌劇団:2014年で創立100周年になる、女性だけが所属する劇団。男性の役は女性が男性に扮して演じている。)機会があるなら、ぜひ日本独自の動画文化も体験して欲しい。

     さて、話を戻すが、Tokyo Otaku Modeが行った「父親にしたいアニメキャラクターは?(What anime character would youwant as your dad?)」のアンケートには『niconico news』の記事にこんなコメントが多く寄せられていた。
    「野原ひろしが何故入っていないのか?」という声。日本で同じアンケートを行った場合、「理想のアニメキャラ」に必ずベスト10入りするキャラクターが2人存在する。一人は先に触れた「野原ひろし」そしてもう一人は「磯野波平」。

     「野原ひろし」は1992年から放送されるアニメ『クレヨンしんちゃん』に登場するキャラクターで、主人公の父親。見た目は決してハンサムとは言えず、普段は嫁に叱られっぱなし、そして足が臭い。一見すると平凡どころか駄目親父にも見えるが、いざとなったら家族のために奮闘する頼りになる父親。
    この「野原ひろし」は日本人の中では、理想の父親として人気が高く、2014年4月に『キャラペディア』(運営:株式会社エッグモード)が行った、国内を対象にした同様のアンケートで1位を獲得している。

     そして、「磯野波平」は1969年から放送されているアニメ『サザエさん』に登場するキャラクター。『サザエさん』は日本人にはなじみの深いアニメ作品で、いわゆる“国民的アニメ”と呼ばれる作品だ。
    作品の時代背景は放送開始時から現代と時代により移り変わってはいるが、ベースとなる部分は今から30~40年前頃となっており、日本人にしてみるとどこか懐かしさを覚える作品。
    「磯野波平」は“頑固親父”と呼ばれる、日本の古典的父親像。そして見た目はこちらもハンサムではなく、禿げというコンプレックスも持っている。
    しかし、世代を超え愛されており、その象徴的な出来事として「磯野波平」の声を長年つとめてきた声優・永井一郎さんが今年の初めに亡くなった際には、日本を代表するメディアがこぞってトップニュースで報道し、作品を知る国民誰もが追悼した。

     どちらも「時に優しく、時に厳しく」しかし「家族を愛し」、いざとなったら「頼りになる」。そして何より「人間臭い」。
    アニメの空想世界にありながら、その存在は現実の父親にも重なる部分も多く、だからこそ長年愛され、そして強く支持を受け続けている。

     そのため、今回の海外でのアンケート結果を意外と思った日本人は多かったようで、「キリト」「リヴァイ兵長」「ミナト」については「若すぎる」「なぜ理想の父親に入っているのか」など疑問の声が上がっていた。
    他には、「野原ひろしが入っていないからやりなおし」という声や、「普通のアニメキャラクター人気ランキングじゃ……」といった声も多く、不満の声も聞かれた。

     なお、参考までに同様のアンケートを募った日本でのランキングを紹介しておきたい。
    今後日本のアニメを観る上での参考にしてもらえれば幸いだ。

    ■アニメファン10000人に聞いた「もっともお父さんにしたい男性キャラクターTOP10(総合)」

    1位:野原ひろし(クレヨンしんちゃん)
    2位:古河秋生(CLANNAD)
    3位:坂田銀時(銀魂)
    4位:桐ヶ谷和人(ソードアート・オンライン)
    5位:磯野波平(サザエさん)
    6位:シャンクス(ONE PIECE)
    7位:工藤優作(名探偵コナン)
    8位:鏑木・T・虎徹(TIGER & BUNNY)
    9位:朝日奈雅臣(BROTHERS CONFLICT)
    10位:岡崎朋也(CLANNAD)

    ■調査概要
    ・アンケート期間:2014/4/10~4/17
    ・投票性別:男性:49.4% / 女性:50.6%
    ・投票年代:10代・20代:87.7% / 30代以上:12.3%
    株式会社エッグモード調べ

    ※本稿は海外配信用の日本語記事です。今回は国内より要望があり公開しておりますが、内容は海外向けとなっております。ご理解ください。

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