LINEヤフー株式会社と楽天グループ株式会社は6月13日、それぞれが運営する「Yahoo!フリマ」「Yahoo!オークション」および「楽天ラクマ」において、6月23日より米穀の転売を禁止すると発表しました。
これはフリマサービス「メルカリ」が同様の措置を講じた直後の発表であり、「国民生活安定緊急措置法施行令の一部を改正する政令」の閣議決定を背景に、各社が連携を強化したかたちとなっています。
■ 精米から玄米・古代米まで対象 加工品は除外
新たに転売禁止の対象となるのは、精米、玄米、砕米、もみといった米穀であり、うるち米・もち米・古代米なども含まれます。一方で、パックご飯や米粉などの加工品については対象外とされています。
すでに各社は、政府によって随意契約で売り渡された備蓄米について、5月29日より出品を禁止していましたが、今回の措置はそれに続く供給安定策の一環と位置づけられます。
■ 対象外となるケース
同様の規制は他の一部サービスにも及んでおり、たとえば「Yahoo!ショッピング」では、小売業者などから購入した米穀を購入価格よりも高値で販売することが禁止されています。
一方、「Yahoo!オークション」においては、法人または個人事業主としてLINEヤフーの定める基準を満たす「Yahoo!オークションストア」の出品に関して、「オークション(競り)形式」での米穀出品は禁止となっていますが、法令の範囲内であれば「定額」形式の出品は可能に。ただし、その際には確認書類の提出を求められるケースもあるそうです。
「楽天ラクマ」においては、公式ショップに出店する産直業者による出品は、今回の転売禁止の対象外。正規販売ルートを通じた流通を確保することで、消費者と生産者双方の利益を保とうとする措置といえます。
■ 違反者には利用制限や罰則も
違反が確認された場合、各サービスでは出品の削除やアカウントの利用制限などの対応を行うとしています。
さらに、改正政令に基づき、違反者には一年以下の拘禁刑または百万円以下の罰金、あるいはその双方が科される可能性があります。法人が関与していた場合には、法人自体に対しても罰金刑が適用される場合があるとされ、法的リスクも無視できません。
出品制限の実施期間は6月23日からとされていますが、終了時期については「当面の間」としており、具体的な期限は設けられていません。
政府の備蓄米政策と民間事業者の連携によって、今後の米穀流通の安定性が左右される重要な局面となりそうです。
<参考・引用>
LINEヤフー株式会社プレスリリース
ラクマplus「【重要】国民生活安定緊急措置法に基づく米穀の出品禁止化について」
(山口弘剛)