森林の新たな価値を掘り起こし事業化する森林ベンチャー、シシガミカンパニー(岐阜県東白川村、代表:田口房国)が新規事業として国産トリュフの人工栽培に挑戦します。
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トリュフとは
世界的な高級食材であるトリュフは「キッチンのダイヤモンド」と呼ばれ、フランス料理をはじめとした様々な料理に用いられています。トリュフは大きく白トリュフと黒トリュフに分類され、自然の生息地で収穫されるほか、ヨーロッパ等では栽培されている地域もあリます。
末端販売価格は100g 4,000円~200,000円と品種等によって様々です。
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白トリュフ、黒トリュフなど、種類もさまざま
森林の新しい可能性に挑戦するベンチャー企業
株式会社シシガミカンパニー(以下、弊社)は「森林を次世代に胸を張って引き継げる財産にする」をミッションに掲げ2024年に起業した森林ベンチャー。主力事業である森林レンタル「フォレンタ(R)︎」は森林を年間契約でキャンパーなどにレンタルするサービスとして2020年に事業を開始。24年12月現在、全国に20エリアのフランチャイズ展開をしています。
弊社では、木材生産以外の森林の様々な価値を掘り起こして事業化することを目的としており、新たな取り組みとして国産トリュフの生産開発事業を開始しました。
なお弊社は、ぎふスタートアップ支援コンソーシアムから他の模範となり得るスタートアップとして本年の「ぎふプライムスタートアップ」に認定され、支援を受けています。
※「フォレンタ」は(株)山共の事業でしたが、弊社設立と同時に山共より事業移管
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森林の新しい価値を発掘し、事業化するシシガミカンパニー
日本のトリュフ生産の現状
日本ではトリュフの人工栽培に関する研究が以前から行われており、2023年には国立森林総合研究所と岐阜県森林研究所が相次いでトリュフの人工発生に成功し、翌年には継続発生が確認されました。2024年には山梨県森林総合研究所でも成功が報告されました。また、植えてから発生までは現状6年以上がかかるという報告もされています。
国内では自然発生するトリュフも確認されており、そこで収穫されたものが市場に出回ることもありますが、その数は多くはありません。また、トリュフが発生するためには、トリュフの種類、トリュフが感染する樹木、土壌の状態、気候など様々なパラメーターがあり、現段階では確実な栽培方法が確立しているとは言えない状況ですが、成功すれば森林から新たな収入を得ることが可能となり、森林の価値向上や山村地域の所得向上にもつながります。
森林の活用
森林の主産業である木材生産はマネタイズするまでのリードタイムが非常に長いという経営上のリスクを抱えています。木を育てながら副収入を得ることができる仕組みを作ることは、継続的な森林経営を行う上で重要なことであり、トリュフ生産は日本の従来から行われている林業と並行しながら行うことができる事業であると考えています。
休耕地の活用
弊社のある岐阜県東白川村は白川茶の産地として多くのお茶農家さんと茶畑がありますが、近年荒茶価格の低迷によりお茶栽培を辞められる方が増えており、茶畑が放棄地になりつつあります。そのような休耕地の再活用の可能性も視野に入れて、もともと茶畑だった場所でのトリュフ栽培にも取り組みます。トリュフが山村地域における新しい地場産業、特産品に成長することを願っています。
事業地、樹種について
今回の事業では栽培地として「森林エリア」と「茶畑エリア」の2ヶ所で行い、合計面積は約1.5haです。木の樹種は2種類で合計600本以上を特別配合の土と一緒に植え付けしています。トリュフ菌の種類はアジアクロセイヨウショウロをはじめとして白と黒の合計7種類のトリュフとしました。
実際にトリュフが発生するのためには5~10年の期間が必要であると見込んでいますが、木の種類や土壌、日照具合などの条件の違いがトリュフ発生にどのような影響を及ぼすか、データも取りながら今後の量産体制の基礎にしていきます。
なお、今回のトリュフ生産開発事業は岐阜県スタートアップ企業支援補助金の採択を受けています。
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森林エリアの様子 間伐後のスギ林を活用
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茶畑エリアの様子
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条件や品種を変えて成長過程を観察する
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防獣ネットを設置してシカやウサギによる食害を防ぐ
外部との連携
トリュフ生産開発事業の販売戦略アドバイザーには恵那川上屋代表取締役の鎌田真悟氏にご就任いただきました。恵那川上屋は岐阜県恵那市で主力商品である和菓子の栗きんとんの製造販売で高い評価を得ており、全国的な販売網を構築しています。また、関連会社では原料となるクリの生産やトマトなどの生産販売も行っています。今回生産するトリュフの販売戦略に関して助言をいただきながら共に生産やブランディングを進めていきたいと考えています。また、今後他者との事業連携や情報交換などを積極的に行い、生産販売体制を構築していきたいと考えています。
◆鎌田真悟氏コメント
岐阜県でのトリュフ栽培に挑戦する田口君は、山の活用について常に意識、実行し、実現してきました。今回の事業は私にとっても未知の世界へのチャレンジであり、この事業にかかわらせていただけることに感謝申し上げます。同じ岐阜県内の仲間として普及に努めてまいります。恵那川上屋は栗の栽培を中心に、多くの生産者と共に超特選栗という質の高い素材を作ってきました。生産者の次のステップへの参考にもなりえると信じております。まずは、共に生産にチャレンジし、新たな岐阜ブランドの確立を行ってまいります。耕作放棄地の問題や、山の手入れなど、今後の課題解決にもつながっていくことを意識しながら、仲間を増やし、田口君の夢を一緒にかなえていこうと思います。よろしくお願いいたします。
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恵那川上屋 代表取締役 鎌田真悟氏
シシガミカンパニー代表 田口より
トリュフ事業に興味を持ったのは知人から言われた一言でした。
「山でトリュフは出来ないの?」
さっそく調べてみると日本でも天然でトリュフが生えてくることもあるとのこと。しかし同じ菌根菌であるマツタケの人工栽培もなかなか難しいようですし、当時はまだ研究所でもトリュフの人工発生は成功していなくて、やっぱりムリなのかなーと思っていたところ、去年から堰を切ったように成功事例が報告されるようになり、一気に事業化への道が開かれたような気がしました。
「本当にトリュフは生えてくるのか??」
正直それは分かりませんが、なんといってもロマンがあります!森林や耕作放棄地でトリュフを作ることができて、地域の子どもやご夫婦、お年寄りを集めてみんなでワイワイ言いながら収穫して、それを世界に向けて販売できたら楽しいですよね!
いつか収穫したトリュフをつまみにしながらみんなで美味しいワインでも飲めれば・・・
そんな光景を思い浮かべながら1本1本、木を植えました。
森林は自由な空間です。自然を大切にしながら様々なアイデアや事業によって自然に触れる機会が増え、心や身体の豊かさにつながっていく。デジタル化が進む中で、森とヒトの良い関係性を作っていくことがこれからの社会の重要なテーマになっていくと考えています。
私自身、山村の林家に生まれ育ち、森林を活かすことは地域そのものを活かすことにつながると考えてシシガミカンパニーを起業しました。おかげさまで森林レンタル「フォレンタ」は順調に拡大し、全国の森林所有者さんやユーザーさんにご利用いただいており嬉しい限りです。今回の事業もスタートアップ補助金による支援や鎌田さんをはじめ多くの方々のご協力もいただき、とてもありがたいと思っています。この事業がたくさんの人を笑顔にするような事業に成長してくれればと思っています。
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植えた苗と代表の田口房国
【株式会社シシガミカンパニー 会社情報】
所在地:岐⾩県加茂郡東⽩川村越原976-10
代表者:代表取締役 田口房国
設立日:2024年4月1日
事業 :森林レンタル事業、森林の価値創出事業、森林経営コンサルティング及びフランチャイズ事業
ぎふプライムスタートアップ認定
シシガミカンパニー ウェブサイト https://www.shishigami.jp/
フォレンタ ウェブサイト https://www.forenta.net/
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