IHIは、一般社団法人日本機械学会の動力エネルギーシステム部門が主催する2025年度部門一般表彰において、貢献表彰を株式会社JERA、三菱重工業株式会社、東北大学、一般社団法人クリーン燃料アンモニア協会とともに受賞しました。この賞は、動力エネルギーシステム技術の研究・技術開発、社会に対する活動などにおいて顕著な貢献を行った個人、団体を讃える表彰です。
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表彰式の様子（写真左から2人目、資源・エネルギー・環境事業領域カーボンソリューションSBU国内営業グループ 花岡主幹、左から4人目、同SBUライフサイクルマネジメント部基本設計グループ 中澤主査）
今回の受賞は、2024年度にJERA碧南火力発電所4号機において実施した燃料アンモニアの大規模転換実証試験（熱量比20%）（*1）の成功により、アンモニア燃焼が火力発電所における脱炭素につながる先進的な技術であり、商用利用が可能であることを立証したことによるものです。
また、この結果を基に、燃料アンモニアを利用する発電用大型ボイラについて、排ガス性能評価試験の実施手順や報告プロセスを規定化し、国際規格として標準化した取り組みも高く評価されました。
IHIは、実証試験への取り組みと並行し、アンモニアを新たな燃料として安全に利用するため、国際標準のルール策定にも取り組んでいます。そして実証試験の結果が技術仕様書（*4）（ISO/TS 21343（*5））の発行につながりました。今後も、アンモニアを燃料として安全に取り扱うことができる社会体制の構築に貢献し、燃料アンモニアの早期普及を目指してまいります。
（*1）開発過程：IHIでは、2010年代半ばからアンモニアの燃料利用の燃焼技術開発に着手。2017～2018年度には、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラムにて、既存石炭火力発電用ボイラでアンモニア燃焼の可能性を調査。2019年度からは、NEDO（国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構）の支援を受け、実証試験の事前検討を実施（*2）。これらの成果を基に、2021年度からJERAと、碧南火力発電所でのアンモニア20％燃焼実証（*3）の準備を開始。2024年度に同発電所4号機で実証試験に成功した。
（*2）微粉炭焚ボイラにおけるマルチバーナ対応アンモニア混焼技術の研究開発（NEDO委託業務）
（*3）100万kW級石炭火力におけるアンモニア20%混焼の実証研究（NEDO助成事業）
（*4）技術仕様書（TS：Technical Specifications）とは、国際規格としての合意が直ちには難しい場合に、すぐに使用できるように発行する文書。将来、変更プロセスを経て、国際規格として発行することも可能。発行後3年で見直しが行われる。
（*5）正式名称：ISO/TS 21343 Oil and gas industries including lower carbon energy- Fuel ammonia -Requirements and guidance for boilers for power generation
