「平時のサイバー諜報」概念の問題性――日本のインテリジェンス政策にとって有用な枠組みか
東京海上ディーアール株式会社は、2025年4月から調査研究プロジェクトである「サイバー安全保障と能動的サイバー防御(ACD)」を開始し、このたび研究成果として、「「平時のサイバー諜報」概念の問題性――日本のインテリジェンス政策にとって有用な枠組みか」を発行いたしました。詳細は調査研究プロジェクトの概要ページをご覧ください。
レポート概要
諜報または諜報活動(espionage; spying)とは、秘密情報を一方的に(つまり関係権利者の同意なく)かつ秘密裏に収集または取得する行為を広く指す。従来、諜報活動とはどの国にとっても治安維持・安全保障上必要なものであるため、各国もいわば「公然の秘密」に属する事項として当該活動を規制することに慎重であったとされる。ところがICTの発展により諜報活動が国境を越えて一層活発になると、2013年のスノーデン事件を契機に、国家による当該活動に対する国際法規制の必要性が注目を集めるようになった。こうした背景の下で2017年にサイバー空間への国際法の適用を論じたタリン・マニュアル2.0(TM2.0)が公刊され、日本でも大きな影響力を及ぼしてきたことは周知の通りである。以降、同マニュアルが採用し、そのスポンサーであるNATOサイバー防衛協力センター(CCDCOE)も支持してきた「平時のサイバー諜報(PCE: peacetime cyber espionage)」と呼ばれる概念が国内外(とくに欧米)の専門家の間で広く用いられているが、これがTM2.0とNATO CCDCOEが目指す政策に適うよう便宜的に定立された造語であることを知る者は少ない。したがって、とりわけ日本の政策実務家がこの概念を用いる際には、その含意を正しく見極め、果たして日本の目指す政策にとって有益であるのか否かを慎重に検討しておく必要がある。
「サイバー安全保障と能動的サイバー防御(ACD)」研究プロジェクト概要
日本のサイバー安全保障戦略・政策は大きな転換点にあります。具体的には、「国家安全保障戦略」(2022年12月)で示された「能動的サイバー防御(active cyber defense: ACD)」を実現するための制度整備・能力構築が進展していることです。本研究プロジェクトは、日本を代表する専門家とともに、日本のサイバー安全保障の確保と能動的サイバー防御(ACD)の実現のために必要な研究および政策提言を行います。このページでは、その検討結果の一部を公開します。
概要:https://www.tokio-dr.jp/thinktank/acd/
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「サイバー安全保障と能動的サイバー防御(ACD)」研究プロジェクトにレポートを掲載
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