人生100年時代、少子高齢化の進行、インフレ環境、働き方の多様化――これらの変化が、企業の人的資本戦略に大きな影響を与えています。退職給付制度はもはや過去の延長線上で維持するものではなく、従業員の「ファイナンシャル・ウェルビーイング」を支える経営資源として再設計すべき時代に入りました。本書『人的資本経営時代の退職給付制度』は、DB・DC・iDeCo等の制度改正や運営実務を体系的に整理しつつ、インフレ対応、定年延長、ジョブ型雇用、人的資本開示といった最新動向を踏まえた戦略的制度設計を提案。従業員エンゲージメントを高める「退職給付のベストミックス」構築を通じ、企業の持続的成長に資する実践的なヒントを提示する一冊です。
私たちはこの本を、「退職給付を人的資本経営の文脈で捉え直す」ことを目的にまとめました。お手に取って読んでいただければ幸いです。
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三井住友信託銀行・年金研究センター『人的資本経営時代の退職給付制度』
(前書きより抜粋)
人生100年時代の到来、少子高齢化の進行、そして労働市場における多様化・流動化の進展等の構造的変化は、企業経営に大きな影響を及ぼすと同時に、働く方々一人ひとりの人生設計にも変化を迫っています。こうしたなかで、企業が従業員に提供すべき「現在ならびに将来の経済的安心」つまりファイナンシャル・ウェルビーイングとは何かを、退職給付制度を含む人事諸制度と絡めて、あらためて問い直す時代が到来しています。
退職給付制度はこれまで、功労褒賞や生活保障、賃金の後払いといった性格をもちつつ、企業独自の裁量によって制度設計がなされてきました。しかし前出の構造的変化を鑑みると、“過去の延長線上で制度を維持・運営するもの”ではなく、“未来に向けて企業が人的資本戦略の一環として再設計すべきテーマ”となっています。企業が、従業員の将来に対する信頼に応える姿勢を制度に映し出すことで、働きがいと従業員エンゲージメントを育み、生産性と持続的成長の好循環を実現していく――このような意識が、現在の経営には求められているのではないでしょうか。
書籍目次
第1章 環境変化をふまえた退職給付制度のあり方第2章 公的年金制度・企業年金制度の変遷
第3章 公的年金制度・退職給付制度の課題と方向性
第4章 人的資本経営のススメ
第5章 ウェルビーイングを高める金融&年金リテラシー
書籍概要
『人的資本経営時代の退職給付制度』著者: 三井住友信託銀行・年金研究センター
発行日: 2025年12月3日
判型・体裁・ページ数: A5判・並製・296ページ
ISBNコード: 978-4-322-14614-1
定価: 3,300円(税込)
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三井住友信託銀行株式会社 https://www.smtb.jp























