特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト(代表:中村雄一/千葉県松戸市)は、11月27日、奈良県広陵町役場を訪問し、シリア・デリゾールで行った教育支援活動の報告を行いました。
今回の報告では、「靴下のまち」広陵町から寄贈された靴下が、戦後復興の最前線にあるシリアの教室で教材として活用されている様子を、写真や動画とともに町長・教育長に共有しました。
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広陵町の靴下とデリゾールのカラッシュ(サンダル)
広陵町の靴下が語る「日本の技術力」と「平和な日常」
なかよし学園は2025年7月、内戦終結から間もないシリア東部・デリゾールを訪問し、現地の大学や行政府の若者を対象に、日本の戦後復興とものづくりの歩みをテーマにした授業を実施しました。
その授業で扱ったのが、広陵町の工場で作られた靴下です。
授業では、日本の靴下産業の歴史や、糸選び・編み方・耐久性などの工夫を紹介しながら、
「戦争で何度も壊れながらも、技術と仕事を守ってきた地域がある」
「快適さや丈夫さといった“あたりまえの品質”は、平和な社会と、働く人の努力の上に成り立っている」
というメッセージを伝えました。
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デリゾール行政府で広陵町の靴下を紹介するなかよし学園中村雄一代表
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広陵町の戦後の歩みを靴下産業から学ぶデリゾール教育省の役人
実物の靴下を手にしたシリア・デリゾールの行政官たちからは、
「縫い目がなめらかで、とても履き心地がよい」
「日本の製造技術とデザインを学びたい」
といった声が上がり、デリゾールのアルフラット大学の関係者からも高い関心が示されました。
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広陵町の靴下を紹介する中村代表
そのお礼として、現地からはシリア伝統のサンダル〈カラッシュ〉が広陵町に届けられました。戦後復興の最中にある地域から、ものづくりを通じて互いの暮らしを紹介し合う「往還」が生まれています。
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デリゾールの伝統工芸「カラッシュ」
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カラッシュ製造を行うデリゾール市街の店主
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愛用のミシンは日本の三菱製だった
「戦場だった」シリア・デリゾールという場所
デリゾールは、シリア東部・イラク国境にも近いユーフラテス川沿いに広がる町で、周囲には綿花や小麦などの農地が広がり、石油・天然ガス産業も集まる地域の要所です。かつては「綿花と小麦の産地」として知られ、農業と資源産業で栄えてきました。
同時にこの地は、20世紀初頭のアルメニア人虐殺の「死の行進」の終着点の一つでもあり、多くの人が砂漠で命を落とした場所として、今も「虐殺の記憶の町」と語り継がれています。
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ユーフラテス川の沿岸に位置するデリゾール
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辺りは砂漠地帯となっている
2011年に始まったシリアの内戦の中で、デリゾールは早い時期から前線となり、2014年には過激派組織ISが一帯を制圧。政府支配地域は約3年間にわたり包囲され、激しい空爆と地上戦で町の大部分が破壊されました。
2024年末にアサド政権が崩壊し、14年に及ぶ戦争がようやく終結へ向かい始めた今も、デリゾール一帯には膨大な地雷や不発弾が残され、子どもを含む民間人の被害が続いています。住宅や学校、病院の復旧も道半ばで、多くの家族が破壊されたふるさとに戻りながら、停電や水不足と隣り合わせの生活を送っています。
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デリゾール市街で手を合わせる中村代表
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戦後0年の世界がデリゾールには存在する
かつて綿花で栄えたこの町が、長い戦争と虐殺の記憶を抱えながらも、再び「人が学び、働き、子どもたちが未来を語れる場所」へ戻ろうとしている――その最前線がデリゾールであり、そこへ日本の地域から靴下や教材が届くことの意味は、非常に大きなものがあります。
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「この状況を世界に伝えてほしい」多くのデリゾール市民の声を背負いなかよし学園は活動を行う
町長・教育長コメント
広陵町長 吉村裕之 氏
「広陵町の靴下が、遠くシリアの若者たちの足元に届き、授業の教材として使われている様子を見ることができて本当にうれしく思います。あらためて、世界が確かにつながっていることを実感しました。
デリゾールから届いたカラッシュ(サンダル)は、町民の皆さんにもぜひ見ていただき、広陵町のものづくりが海の向こうと結び合っていることを感じてほしいと思います。」
広陵町教育委員会 教育長 植村佳央 氏
「なかよし学園が行っている『世界とつながる学びプロジェクト』には、広陵町内でも関心を持っている学校があります。今回、靴下がシリアに届いたこと、そしてそこでどのように活用されたかという具体的な話は、児童・生徒にとって非常に貴重な学びになるはずです。ニュースではなかなか知ることのできない地域とつながる機会として、町の学校にもぜひ紹介していきたいと考えています。」
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シリアから届いたカラッシュに驚く広陵町の皆さん
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シリアから届いたカラッシュに驚く広陵町の皆さん
学校だけでなく「地域」もつなぐ、世界とつながる学び
なかよし学園プロジェクトが推進する「世界とつながる学びプロジェクト」は、日本全国50校超の学校と、アフリカ・中東・アジアの教育現場をオンラインと実地訪問でつなぎ、子どもたちの探究の成果や地域資源を「世界で使われる教材」として届ける取り組みです。
広陵町との連携は、学校単位にとどまらず、地域産業(靴下)そのものを教材化する試みとして位置づけられています。
中村代表は次のように述べています。
「広陵町の靴下は、世界に誇れる日本の技術であると同時に、『あたりまえの暮らし』を支える象徴でもあります。戦後0年とも言えるシリアの現場で、靴下を通じて日本の復興の歩みとものづくりの精神を伝えられたことは、現地の若者にとっても、広陵町にとっても、大きな意味を持つと感じています。
これからも、学校と地域、そして世界の子どもたちを結ぶ“かけ橋”として、広陵町と一緒に学びの往還を続けていきたいです。」
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日本の産業力には世界が注目している。日本人がそのことに気づくべきだ、となかよし学園は橋渡しを行う。
今後の展望
今後は、
広陵町内の小中学校での「世界とつながる学びプロジェクト」導入検討
靴下とカラッシュをテーマにしたオンライン交流や授業づくり
広陵町の産業・歴史を紹介する教材をシリア側と共同制作すること
などを視野に、町と連携した継続的なプログラム化を進めていく予定です。
◆団体概要
特定非営利活動法人 なかよし学園プロジェクト
代表者:理事長 中村 雄一
所在地:千葉県松戸市
活動内容:
・世界10カ国の紛争地・貧困地域での教育・人道支援
・日本全国の学校と海外をつなぐ「世界とつながる学び」プロジェクト運営
・国連・ウィンザー城など国際場面での平和教育発信 ほか
◆お問い合わせ先
特定非営利活動法人 なかよし学園プロジェクト
担当:中村 里英
E-mail:nakayoshigakuen.office@gmail.com
URL:http://www.nakayoshigakuen.net/npo/























