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コミックエッセイ『静夫さんと僕』ナイツ・塙宣之&ジェーン・スー トークイベントレポート

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株式会社KADOKAWA


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2023年に出版したエッセイ『静夫さんと僕』が、2026年1月26日に、コミックエッセイとして新たな形で世に送り出された。本作は、塙と義理の父である静夫さんとの一風変わった日常を描いたハートウォーミングな作品。

コミックエッセイ『静夫さんと僕』発売を記念して、HMV & BOOKS SHIBUYAにて行われたトークイベントでは、塙と、2025年8月に『介護未満の父に起きたこと』を上梓した音楽プロデューサーでエッセイスト、ラジオパーソナリティなど多くの肩書を持つジェーン・スーが、本書の魅力や介護問題について語り合った。


塙“初”のコミックエッセイに、ジェーン・スー大絶賛「早くドラマ化したほうがいい」
ニッポン放送の「ナイツ ザ・ラジオショー」と、スーがパーソナリティを務める「ジェーン・スー 生活は踊る」の放送時間帯が被っているため、なかなか共演が実現しない二人のトークショー。スーは「珍しい組み合わせですね」と話を振ると、塙も「なかなかこの共演はないですね。TBSラジオでも僕らは土曜日、スーさんは月曜日から木曜日なので、ほとんど会うことがないんですよね」と笑う。

数年前にTBSラジオのエレベーターホールでばったり再会して以来の顔合わせだという二人。スーは「塙さんからの依頼と聞いた時は『この機を逃したら、また10年くらいエレベーターホールですれ違うのを待つしかない』と思って『是非』と喜んで引き受けました」と念願だったことを明かす。

2023年に発売されたエッセイが、この度コミカライズ。塙は「『静夫さんと僕』を一緒に立ち上げてくれた出版社の方が、静夫さんに対する愛がすごくて『何とかコミカライズ化しましょう』と言ってくれたんです」ときっかけを明かすと「元々は矢部太郎さんの『大家さんと僕』が好きで、ああいうほっこりする作品になればいいなと思って始めました。最初は矢部さんに絵を描いてもらおうと思ったのですが、さすがにそれは断られまして(笑)。そこから“ちゃずさん”というイラストレーターさんに出会って実現しました」といきさつを語る。

本を読んだというスーは「パートナーのご両親と同居するという決断がすごいなと思いました。私は他人と住めないタイプで一人暮らしをしているので、その広い心がまず素晴らしいなと。それから義理のお父様の静夫さんのキャラが立ちすぎですよ。早くドラマ化したほうがいいです。ほろっとくる場面もあって、心根の優しい明るい方なんだなと感じました。でも、確かに家族は振り回されて大変だろうなというのも伝わってきて、楽しく読めました」と絶賛。

さらにスーは「うちの父も本当に好き勝手やる人間なのですが、周りは『面白いね』と言ってくれます。でも、やる側(家族)からすれば『代わってみろ!』と言いたくなりますよね。肉親になった時のパンチ力は半端じゃないです。血が繋がっていないと思うと冷静に優しくなれますが、繋がっていると思うと全責任が自分に来るような気がして、フルコンタクト空手みたいになってしまう。だから、塙さんのような関係性は少し羨ましいです」と感想も。

塙は「漫才協会というところに若いうちから入っていたので、免疫があったのかもしれません。ダウンタウンさんやウッチャンナンチャンさん、とんねるずさんに憧れた青年が、ある日突然、内海桂子師匠の弟子になるわけですから。おかしいじゃないですか(笑)。テレビで見ていたおばあちゃんがいる世界に、20代で飛び込んだ。静夫さんよりもパンチのある師匠方と一緒にいた経験が、どこかで生きているのかもしれません」と義理の父とうまくやっていく秘訣を明かす。


ジェーン・スー「親との向き合い方に正解はなく、千差万別、一家庭に一つのやり方がある」
スー自身も父親の介護を行っているが「カッとなった時ほど距離を置いたほうが、お互いうまくいくんです。うちは私が一人っ子で母も亡くなっているので“絶対に仕事を辞めない”“同居しない”という2点を譲らない前提で介護をやっています。ITもフル活用していて、父の家にAmazon Echo Showを置いて、私がスマホから予定を入れると朝に読み上げてくれるようにしています。『何時にタクシーが来る、ヘルパーさんが来る』というのを全部管理しています」と説明。

また現在施設に入っている静夫さんの現状についてのトークも。塙は「歩くのも大変になって、一時は自宅で介護しようという話にもなりました。ただ、うちは子供が3人いて小さく、妻も大変ですし、母も高齢で“老老介護”になってしまう。母も腰が悪くなっていて、共倒れになりそうだったので、区の制度などを調べて施設に入れることにしました。最初は葛藤もありましたが、今は父も施設に慣れてくれたので、結果的には良かったのかなと思っています」と述べると、スーも「お金さえあれば、元気なうちに『サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)』に入ってもらうのが一番ですよ。そこから老人ホームと提携しているところもありますし」と提案。

続けてスーは「いきなり体が動かなくなってからだと、18平米くらいのワンルームに入るのは相当きついと思うんです。やっぱり元気なうちに高齢者住宅に入れば、同じような環境の人と友達もできますしね。ご夫婦でご存命のうちはいいですが、どちらか一人になった時、特に男性が一人残されると、今の上の世代の方は社交が苦手な方が多いので。二人のうちに施設に入って仲間を作っておけば、人間関係の“保険”ができるんですよね」と指南。塙は「なるほど、人間関係の保険か」とうなっていた。

最後にスーは「親との向き合い方に正解はなく、千差万別、一家庭に一つのやり方があると思います。私が本を出した時に願ったのは、親と同居できない、介護のために仕事を辞められないという人の罪悪感を減らしたいということでした。逆に『自分はここまでできない』と落ち込む必要もありません。それぞれの家庭のカスタマイズが正解なので、この本も一つの正解の形として楽しんでいただければと思います」とメッセージを送る。

塙も「家族にはそれぞれのルールがあると思います。静夫さんには静夫さんのテリトリーがあって、それを尊重しながらやってきました。漫才協会もそうですが、少し変わった人や個性的な人との接し方として“一度嫌だ”と思ってしまうと家族でもとことん嫌になってしまいますが“こういう人はこう生きているんだ”と自分の中でルールを決めると楽になります。人間関係で悩んでいる方のヒントになれば嬉しいです。周りにいる“ちょっと変な人”に、ぜひ優しくしてあげてください」と本書に込めた思いを語っていた。

コミックエッセイ『静夫さんと僕』(KADOKAWA刊/税込1,430円)は好評発売中。

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■著者プロフィール
塙宣之(はなわ・のぶゆき):芸人。1978年、千葉県生まれ。漫才協会会長。2000年にお笑いコンビ「ナイツ」を土屋伸之と結成。08年以降3年連続でM-1グランプリ決勝進出。THE MANZAI 2011準優勝、平成25年度文化庁芸術祭賞大衆芸能部門優秀賞、平成28年度芸術選奨大衆芸能部門文部科学大臣新人賞、第39回浅草芸能大賞など受賞多数。著書に『言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか』(集英社新書)など著書多数。

▶︎ナイツ塙宣之X:https://x.com/hanawa_nobuyuki
▶︎YouTube:https://www.youtube.com/@hanawa_freetime


書誌データ
書名:静夫さんと僕
定価:1,430円(10%税込)
発売:2026年1月26日(月)
仕様:A5判/1C
発売・発行:株式会社KADOKAWA

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