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UNHCR、紛争で故郷を追われた人の数が、過去10年で衝撃的な高水準に達したと発表

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UNHCR駐日事務所
UNHCR年間統計報告書「グローバル・トレンズ・レポート」公開



UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)は6月12日、紛争や暴力、迫害によって故郷を追われた人の数が、容認できないほど高い水準にあると発表しました。人道支援の資金が減少するなかで、唯一の明るい兆しは、特にシリアへの帰還が増えていることだとしています。

[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/161980/7/161980-7-c0a56ce207784fcfcf707801599fb3f4-900x505.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
ヨルダンのザータリ難民キャンプで暮らすシリア難民の姉弟 (C) UNHCR/Shawkat Alharfoush


6月12日に発表されたUNHCRの年間統計報告書「グローバル・トレンズ・レポート」によると、2025年4月末時点で故郷を追われた人の数は1億2,210万人に達しました。これは前年同時期の1億2,000万人から増加しており、この約10年間にわたり、難民をはじめ、その他避難を強いられた人の数が前年比で増え続けていることを示しています。その主な要因は、スーダン、ミャンマー、ウクライナなどにおける大規模な紛争や、紛争を止めることができていない現状にあります。

フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官は、「私たちは国際情勢が激しく揺れ動く時代を生きています。現代の紛争は、人々に深刻な苦しみをもたらし、脆弱かつ悲惨な状況を生み出しています。私たちはより一層、平和のために努力を重ね、難民やその他避難を強いられた人々のために、長期的な解決策を見い出さなければなりません」と話しています。

強制的に避難を強いられた人々には、国境を越えて逃れた難民(4,270万人)に加えて、紛争により自国内で避難を余儀なくされた人々も含まれます。その国内避難民の数は2024年末時点で7,350万人に達し、630万人もの増加となりました。現在、世界で最も多くの人が避難を強いられている国はスーダンで、難民と国内避難民を合わせて1,430万人にのぼります。これに続くのが、前年最多のシリア(1,350万人)、アフガニスタン(1,030万人)、ウクライナ(880万人)です。

報告書によると、難民は裕福な地域で受け入れられているという一般的な認識とは裏腹に、難民の67%が近隣諸国への避難にとどまっており、世界の難民の73%が低中所得国で受け入れられています。また実際に、強制的に家を追われた人の60%は、自国内での避難となっています。

この10年で避難を強いられた人の数はほぼ倍増していますが、人道支援への厳しい資金削減が続くなかで、現在のUNHCRの資金規模は2015年とほぼ同じ水準にとどまっています。この状況は受け入れ難く、難民をはじめ危険から逃れてきた人々を、さらに脆弱な環境に追い込んでいます。

グランディ高等弁務官は、「資金削減が続く厳しい状況のなかでも、この半年の間に、希望の光も見えています。10年以上にわたる避難生活を経て、200万人近くのシリア人が故郷に戻ることができました。ただ、シリア国内はいまだに脆弱であり、生活を再建するには私たちの支援が必要です」と話します。2024年、世界全体で帰還した人の数は980万人、その内訳は、難民160万人(20年以上で最多)と国内避難民820万人(過去2番目に多い数)となっています。

しかしながら、こうした帰還の多くは、厳しい政治的・安全保障の状況下で起こっています。たとえば、2024年に多くのアフガニスタン人が自国への強制的な帰還を余儀なくされ、非常に厳しい環境下で故郷に戻らざるを得なくなりました。また、コンゴ民主共和国、ミャンマー、南スーダンのような国々では、難民・国内避難民の帰還と同時に、新たな避難の動きも顕著にみられています。

報告書では、UNHCRの活動は、難民や国内避難民の命を救い、帰還を支え、受け入れコミュニティにおける基本的なインフラと社会サービスを強化するとともに、地域および世界の安全保障への必要不可欠な投資であるとして、継続的な資金提供を呼び掛けています。


▶原文(英語)はこちら

<UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)について>
1950 年設立。難民、国内避難民、無国籍者などを国際的に保護・支援するため、多様なパートナーと連携し、世界130カ国以上で活動。1954 年、1981 年にノーベル平和賞を受賞。本部はスイス・ジュネーブ。https://www.unhcr.org/jp/

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