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クラスター、メタバースを活用した大規模実験基盤「LUIDA」を公開――誰でも利用可能なオープンフレームワークとして公開――

update:
クラスター株式会社
メタバース環境における実験実施の拡大と社会実装に取り組むとともに、教育・医療・産業分野など多様な領域への応用を進めていきます



国内最大級のメタバースプラットフォーム「cluster」を運営するクラスター株式会社(本社:東京都品川区 代表取締役CEO:加藤 直人、以下「クラスター」)の研究機関であるクラスターメタバース研究所は、東京大学大学院情報理工学系研究科 葛岡・鳴海・谷川研究室ならびに筑波大学図書館情報メディア系 平木研究室と共同で、「cluster」を基盤とした大規模実験フレームワーク「LUIDA(Large-scale Unified Infrastructure for Digital Assessments)」を開発し、本フレームワークを研究者や一般ユーザが誰でも利用できるオープンな形で公開したことをお知らせいたします。なお、研究の詳細についてはプレプリント論文としてarXivにて公開されています。

本プロジェクトは、Project Cybernetic being(内閣府/JSTムーンショット型
研究開発制度・目標1「身体的共創を生み出すサイバネティック・アバター技術と社会基盤の開発」)の一環として実施されています。

■取り組みの概要

クラスター株式会社は東京大学、筑波大学と共同で、大規模実験フレームワーク「LUIDA」を開発し、研究者や一般ユーザが誰でも利用できるオープンな形で公開しました。
今回公開した「LUIDA」は、メタバース上で誰もが気軽に実験に参加したり、研究者が効率よく実験を実施したりできる新しい仕組みです。たとえば、これまで研究室に来ないと参加できなかった心理実験やVR体験の調査が、インターネットにつながるVR機器を使えば自宅からでも参加できるようになります。また、研究者にとっては、参加者の募集からデータの記録までを自動で行えるため、従来よりも短期間で大人数のデータを集めることが可能になります。この仕組みによって、従来は難しかった大規模な実験や多様な人々を対象とした調査が容易になり、将来のサイバネティック・アバターが普及する未来に向けた、人間の心理や行動をより深く理解する研究の加速につながることが期待されています。
本フレームワークは以下のURLにて公開されています。
URL: https://luida.cluster.mu

■研究内容

・研究の背景
VR/HCI研究における実験は、被験者募集、システム実装、実験実施、データ収集が分断されており、研究者には煩雑な手作業や高い専門性が求められてきました。また、近年利用が広がるオンライン実験やクラウドソーシングには、参加者層の偏りやデータ品質の課題が残されていました。

・研究概要
LUIDAは、メタバース環境上で被験者募集から実験実施、データ収集までを一元的に統合・自動化するフレームワークです。研究者はUnityベースのテンプレートを利用して容易に実験を設計でき、参加者は「募集ワールド」に設置された掲示板から興味のある実験を選び、ポータルを通じて「実験ワールド」に参加することができます。
LUIDAの大きな特徴は、誰でも利用可能なオープンな仕組みであることに加え、メタバースの特性を活かして参加者募集から実験の並列実行までを自動化できる点にあります。実験の過程では、VRヘッドマウントディスプレイを外すことなくアンケートに回答できる仕組みを備えており、実験体験の一貫性が維持されます。また、頭部や手の動きといった連続的なトラッキングデータやタスク特有の変数が自動的に収集され、さらにアバターの外見や動作特性を変数として設定できるため、ユーザの行動や認知に関する研究にも幅広く対応可能です。


[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/17626/379/17626-379-bd087b23ecef31107b3a2e769179062f-512x188.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]



図1:LUIDAのシステム構成(Webコンソール/ストレージ/実装テンプレート/実験ワールド/募集ワールド)と、VR内アンケート・データ自動記録・並列実行の流れ。


・実証実験と成果
実際にcluster上で、手のリダイレクション検出、プロテウス効果によるドラム演奏、フィッツの法則3D拡張といった3種類の代表的なVR実験を公開し、約1週間でのべ500名以上が参加しました。その結果、従来研究の再現性を確保しつつ、大規模かつ効率的なデータ収集が可能であることを確認しました。

■研究者のコメント

・鳴海 拓志(東京大学大学院情報理工学系研究科 准教授)
LUIDAを活用することで、これまで実験室で限られた人数を対象に行っていた心理実験や知覚研究を、短期間で大規模に実施できるようになりました。人間の認知や身体感覚の仕組みを、多様な参加者を対象に検証できることは、心理学や人間工学の研究を一段と加速させることができると期待しています。


・平木 剛史(クラスターメタバース研究所 シニアリサーチサイエンティスト/筑波大学図書館情報メディア系 准教授)
LUIDAの実現によって、メタバースを単なるエンターテインメントの場ではなく、人間社会を科学的に理解するための実験フィールドとして活用できるようになりました。LUIDAを利用することで、人々の行動や相互作用を大規模に記録・分析できるようになり、人間社会の構造や文化的多様性を解き明かすための新しい方法論が開拓できると期待しています。


・南澤 孝太(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 教授 /ムーンショット目標1・Project Cybernetic being プロジェクトマネージャー)
メタバースの世界では、自分の肉体とは異なる特徴をもつアバターを通じて、自身の新たな能力や個性を引き出せることが明らかになりつつあります。近い将来、メタバースが私たちの生活や仕事に浸透し欠かせないものになったとき、私たちの身体の捉え方やライフスタイルがどう変わり、どんな可能性がそこに生まれるのか。LUIDAを通じて探求が進むことに期待しています。


■今後の展開
クラスターメタバース研究所は、LUIDAを研究者・一般ユーザに広く提供することで、サイバネティック・アバターが普及する未来に向けた、メタバース環境における実験実施の拡大と社会実装に取り組むとともに、教育・医療・産業分野など多様な領域への応用を進めていきます。


■論文情報
題名:LUIDA: Large-scale Unified Infrastructure for Digital Assessments based on Commercial Metaverse Platform
著者名:Yong-Hao Hu, Sotaro Yokoi, Yuji Hatada, Yuichi Hiroi, Takuji Narumi, and Takefumi Hiraki
論文URL:https://arxiv.org/abs/2504.17705


■クラスターメタバース研究所について

[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/17626/379/17626-379-594f53dfa4278f220e13dd671a704fc9-512x79.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]



クラスターメタバース研究所は、「人類の創造力を加速する」というクラスター全体の目標を先導します。科学的な知見やプラットフォームに蓄積されるデータをもとに、CV/CG/HCI/VR/BMIおよび、全体をまたぐML領域の研究に取り組み、プラットフォームであるクラスターに短期的・長期的を問わず還元していく成果と、人類全体を前に進めるアカデミックな成果も生み出し、融合していくことを目指しています。
https://lab.cluster.mu/ja/

■クラスター株式会社について
[動画: https://www.youtube.com/watch?v=Is03YfYR_Sc ]

クラスター株式会社は、「あらゆるヒト、モノ、技術をつなげる共創空間のOSをつくる」をビジョンに掲げ、日本最大級のメタバースプラットフォームを開発・運営するテクノロジーカンパニーです。独自開発した大規模同時接続基盤を核に、リアルとバーチャルを融合する共創空間インフラを提供しています。製造・建設・教育・国際会議・エンターテインメントなど多様な業界で採用され、スマートフォン/PC/VRなどマルチデバイスに対応。最大10万人が同時接続できるリアルタイム空間を構築し、多数のIPコンテンツや大型イベントで実績を重ねています。高い信頼性と拡張性を兼ね備え、商業利用とスケールの両立を実現するBtoB型プラットフォームとして成長を続けています。
テクノロジーと創造力を融合し、バーチャル体験の未来を切り拓く―クラスターは次世代の社会インフラをつくり続けます。
https://corp.cluster.mu/


■東京大学大学院情報理工学系研究科 葛岡・鳴海・谷川研究室について
葛岡・鳴海・谷川研究室では、バーチャルリアリティ技術を端緒として、人間と計算機を分かちがたく一体化し、全体として高度な情報処理システムを構築するための技術:サイバネティック・インタフェース技術について、バーチャルリアリティ技術や遠隔協調作業支援技術を端緒として、基礎研究から応用研究まで、さまざまな角度から研究を行っています。
https://www.cyber.t.u-tokyo.ac.jp/ja


■筑波大学図書館情報メディア系 平木研究室について
平木研究室(メタバースメディア研究室)では、メタバースの構成要素をプラットフォーム(空間性)、インタフェース(身体性)、コンテンツ(体験性)の3つと捉え、これらを兼ね備えたメタバース環境について探求し、この環境を支えるメディア技術についてハードウェアとソフトウェアの両面から研究・開発しています。これらを通じて、人を支援し、日常生活を豊かにするメタバース技術を創成し、人が身体的・時空間的制約から解放される未来の実現を目指しています。
https://mvml.slis.tsukuba.ac.jp/jp


■Project Cybernetic beingについて
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/17626/379/17626-379-b94482a0fd5a090d2e109e1563b1ae24-512x512.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]



内閣府/科学技術振興機構ムーンショット型研究開発制度・目標1「2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現」における研究開発プロジェクト「身体的共創を生み出すサイバネティック・アバター技術と社会基盤の開発」(プロジェクトマネージャー:南澤孝太(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科・教授))では、人々の身体的経験や技能をネットワーク上で流通・共有し、障害当事者や高齢者や子どもたちを含む多様な人々が自在に行動し社会参加できる未来社会を目指して、身体の制約を突破するサイバネティック・アバター技術の研究開発と社会実装に取り組んでいます。
本研究開発プロジェクトにおいて、クラスター株式会社は「身体性と社会性を拡張するOpenCAメタバースプラットフォームの構築」を担当し、研究開発と社会実装に取り組んでいます。


※関連サイト
Project Cybernetic being: 身体的共創を生み出すサイバネティック・アバター技術と社会基盤の開発 https://cybernetic-being.org/
ムーンショット目標1「2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現」 https://www.jst.go.jp/moonshot/program/goal1/index.html

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