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2026年、丙午(ひのえうま)がやってくる。女性たちを苦しめた大迷信を、丙午生まれの酒井順子さんが斬る!『ひのえうまに生まれて 300年の呪いを解く』2026年1月15日発売

update:
株式会社新潮社


自らも丙午生まれの酒井順子さんが、300年も生き永らえてきた丙午伝説の正体に迫る『ひのえうまに生まれて 300年の呪いを解く』を2026年1月15日(木)、新潮社より刊行いたします。
[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/47877/2517/47877-2517-98ab95cc641a6d3fbe3f7f4c60a47dee-427x640.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
自身も丙午生まれの著者・酒井順子さん

60年に一度巡ってくる丙午の年。しかし、たまたまその年に生まれた女性たちが「男を食い殺す」「不幸をもたらす」と300年も忌み嫌われてきたのをご存じですか? 結婚しなければ女性が生きていけない時代に、彼女たちは生まれながらに結婚難という運命を背負わされ、「気が強い」「生意気」「縁起が悪い」と言われたい放題。また、丙午に生まれた子は不幸になるからと、間引きや出生日をごまかすことも数多く行われてきました。しかし、この伝説の根拠はと言えば「好きな男に会いたい一心で火事を起こした〈八百屋お七〉が丙午生まれだったらしい」という薄弱なもの。誰もが「丙午生まれが不幸をもたらすなんて考えはおかしい」とどこかで思いながらも、丙午が近づくたびに伝説は何度も甦ってきました。

本書は、自らも丙午生まれの酒井順子さんが、昭和の丙午から、伝説が誕生した寛文の丙午まで、60年ごとに時代を遡り、各時代の史料・新聞・雑誌・小説・芝居などに残る丙午エピソードを発掘。この伝説が女性の台頭を押さえつける格好の装置として300年も生き永らえてきたこと、丙午女性たちは見せしめのスケープゴートならぬ「スケープホース」だったことを明らかにしました。

【「丙午心中」に「丙午求職」。昭和には出生数が前年比25%減】
昭和の丙午(1966年)の際は出生数が前年よりもなんと25%減少。世は高度成長期、東海道新幹線が開通し、4年後には大阪万博が開催されようという年に、人々はまだ丙午の迷信を気にしてその年に子どもを産むのを避けたのです。また、明治の丙午(1924年)の際は、結婚できない運命に絶望した丙午女性同士の「丙午心中」、結婚を早々に諦めて仕事を探す「丙午求職」が新聞を賑わしました。結婚したらしたでネガティブな出来事を丙午のせいにされて嫁いびりに遭うなど、散々な目に。昭和・明治でこれですから、時代を遡るほどに受難エピソードは輪をかけて深刻になっていきます。

【川端康成の丙午びいき。夏目漱石の丙午ぎらい】
男性に敬遠された丙午女性に、たまらない魅力を感じていたのが川端康成。随筆「丙午の娘讃」で「美しくて、勝気で、剛情で、好戦的で、利口で、浮気で、移気で、敏感で、鋭利で、活潑で、自由で、新鮮な娘が、丙午年生れに多い」と大絶賛。それとは反対に、小説『虞美人草』の中で、男を振り回す丙午生まれの奔放な女・藤尾に恥辱を与えて憤死させたのが夏目漱石。『虞美人草』は「藤尾のような〈我の女〉を最後に殺すための物語なのだ」と門下生への手紙に書いており、丙午女性のイメージ=「我の女」に対する冷たさが滲みます。

【鈴木保奈美さん、吉川徹さんとの鼎談を特別収録】
エッセイ集『獅子座、A型、丙午。』を刊行した俳優の鈴木保奈美さん、『ひのえうま 江戸から令和の迷信と日本社会』で丙午を分析した大阪大学大学院教授・吉川徹さんとの丙午当事者鼎談「『スケープホース』と『負け犬』」を特別収録。それぞれの経験を持ち寄り、丙午とは何だったのかを語り合いました。酒井順子さん発の流行語「負け犬」が思わぬ形で丙午とつながっていたことも明らかに。

【著者より】
かつての日本で、丙午の迷信が、かくも長きにわたって影響力を持ち続けてきたという事実は、忘れない方がいいのだと私は思います。この迷信が六十年ごとに息を吹き返し続けた理由は、日本で女性がどのように扱われてきたかに通じているのです。そのような現象が発生した原因は男性ばかりにあるわけではなく、また科学的知識が乏しかったからだけでもありません。
「皆が言うことに従っておいた方が」という感覚が、丙午現象には深く関わっています。それは、今の我々をも縛り続けている感覚です。いつまた誰かがその感覚の犠牲となるかもしれないことを考えれば、かつての丙午現象を知ることは、決して無駄にはならないように思うのです。

■書籍内容

2026年、新たな丙午イヤーに贈る、日本史上最大の迷信、その解体新書。六十年に一度巡ってくる丙午に生まれた女性は「男を食い殺す」と忌み嫌われ、大きな苦しみを味わってきた。自らも丙午生まれの著者が、六十年ずつ時代を遡り、史料・新聞・雑誌・小説・芝居等に残る驚きの丙午エピソードを発掘。この迷信が生き永らえてきた社会的背景を解き明かすと共に、次代の糧ともなる一冊。

■著者紹介:酒井順子(さかい・じゅんこ) 

1966年東京生まれ。高校時代より雑誌「オリーブ」に寄稿し、大学卒業後、広告会社勤務を経てエッセイ執筆に専念。日本の女の生き方・考え方をテーマに据え、2003年に刊行した『負け犬の遠吠え』はべストセラーとなり、講談社エッセイ賞・婦人公論文芸賞を受賞。30代以上・未婚・子のいない女性を指す「負け犬」は流行語にもなった。他の著書に『枕草子REMIX』『地震と独身』『源氏姉妹』『百年の女 「婦人公論」が見た大正、昭和、平成』『家族終了』『ガラスの50代』『処女の道程』『うまれることば、しぬことば』『消費される階級』『松本清張の女たち』など多数。

■書籍データ

【タイトル】ひのえうまに生まれて 300年の呪いを解く
【著者名】酒井順子
【発売日】2026年1月15日
【造本】四六判ソフトカバー 160頁
【定価】1815円(税込)
【ISBN】978-4-10-398512-9
【URL】https://www.shinchosha.co.jp/book/398512/

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