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【いのち会議】~いのち宣言をつなぐ「103のアクション」~ 第26回「プラスチックを使用後もごみにならず再びプラスチックにできる、繰り返しリサイクル可能な製品にし、資源を守り循環させる社会をつくろう」

update:
いのち会議
みなさまとともにすべてのいのちが輝く世界を実現したく、ぜひお声とご協力を!



いのち会議は2025年10月11日に大阪・関西万博会場内にて「いのち宣言」および「アクションプラン集」を発表いたしました。本リリースは いのちを「まもる」【宣言2-4】資源リサイクルやエネルギー循環のしくみをつくり、地球の環境を守ろうへのアクションプランの1つをご紹介するものです。ご興味ございましたら、ぜひお問い合わせください。

プラスチックを、使用後もごみになることなく再びプラスチックになるような、繰り返しリサイクルできる製品にし、資源を守り循環させる社会をつくろう

ポリエチレン、ポリプロピレンをはじめとするプラスチックは安価、軽量、丈夫で腐らないという特徴のおかげで、20世紀後半から著 しく普及しました。プラスチックは幅広い産業分野で利用され、私達の生活に潤いを与えてきました。

プラスチックって、どこが優れているのでしょうか。最大の特徴は軽さで、鉄の約8分の1です。また、透明な製品を作ることができ、ペットボトルは落としても割れない強度があります。透明な軟質プラスチックフィルムは食品の包装材料(包材)に用いられ、生鮮食品をはじめとして多様な食品の包材として重宝されています。卵パックには硬質プラスチックが用いられ、中身が守られます。

プラスチック製品が安価に供給されるのは、プラスチックの大量製造のみならず、高速成形技術による部分も大きいとされます。さらに フィルムを貼り合わせる技術によってレトルトカレーなどの食品包材として用途を大きく拡張し、食の安全にとって不可欠となりました。このようにプラスチック製品に関わる多様な技術が急速に発展することで、私たちは意識することなくプラスチックの恩恵を享受しています。

しかし、この間の急速な技術革新の中で、廃プラスチックに関する課題がなおざりにされてきました。プラスチックの安定性が製品として重要である一方、プラスチックの多くは環境の中で分解しません。不注意に捨てられたプラスチックが海洋に流出し、海洋プラスチックごみとして社会問題化しています。マイクロプラスチックは海洋のみならず、大気中にも多く、健康に対する懸念が高まっています。

[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/161447/95/161447-95-327bedfdb9a37bd80f669a98ea720b1b-359x359.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
プラごみゼロ社会をめざして


では、プラスチックの問題をどのように解決すればよいのでしょうか。

残念ながら、現状では抜本的な解決策がなく、プラスチックの資源循環に向けた戦略や、そのための技術開発も未だ基盤レベルであり、広範囲に社会実装されるのはかなり先のことになると思われます。しかし、海洋プラスチックごみをはじめとする環境対策として、何らかの手を早期に打ち、少しでも環境を改善するアクションが必要です。プラスチック問題の解決を議論する際には、1.時間軸、2.スケール、3.戦略を分ける必要があります。海洋プラスチックごみをはじめとしたプラスチックに関わる諸問題は、緊急に取り組むべきですが、これら3つのことを意識しないと方向性が定まりません。

ごみを出さない資源の完全循環に向けて、未来のプラスチックのあるべき姿としては、すべてのプラスチック製品にリサイクル性が搭載され、ごみをごみでなくし、再びプラスチックに戻すことが求められます。

プラスチック問題は社会事情が複雑に絡み合っていて、今すぐには私たちにできることには限りがあります。しかし、環境を意識したプ ラスチックに対する対策を、“できることから一歩ずつ” 推進しましょう。たとえば、プラスチックのリサイクルをアップサイクル製品につなげるなど、環境プラスチック素材の導入は、プラスチック問題の解決、特に市民レベルでのプラスチック問題への関心の高まりにつながります。

大阪大学社会ソリューションイニシアティブ(SSI)のプロジェクト「大阪湾プラごみゼロを目指す資源循環共創拠点」(代表 宇山浩大学院工学研究科教授)では、2023年、小学生向けの「プラごみコースターをつくろう」という体験型の環境教材を開発しました。こどもたちが自らプラスチックごみを成形加工してコースターを作ることで、プラスチックは何度でも使えることを学びます。2024年にはアクリル板からリサイクルした原料と海洋プラスチックごみを入れたおしゃれなアクセサリーをこどもたちと一緒に作りました。このような体験がプラスチック資源循環の将来の担い手を育むことを期待しています。

いのち会議は、多様な団体と連携しながら、プラスチックを、使用後もごみになることなく再びプラスチックになるような繰り返しリサイクルできる製品にし、資源を守り循環させる社会の構築を目指して、できることから一歩ずつ推進していきます。

【参考情報】

・環境省:プラスチック資源循環法関連
 https://www.env.go.jp/recycle/plastic/circulation.html
・大阪大学社会ソリューションイニシアティブ(SSI)基幹プロジェクト:大阪湾プラごみゼロを目指す資源循環共創拠点
 https://www.ssi.osaka-u.ac.jp/activity/core/zero_plastic_waste/

本記事に関する問い合わせ先

いのち会議 事務局、大阪大学 社会ソリューションイニシアティブ(SSI)
特任助教(常勤) 宮崎 貴芳(みやざき たかよし)、教授 伊藤 武志(いとう たけし)
TEL: 06-6105-6183
E-mail: ssi2@ml.office.osaka-u.ac.jp
※取材の申し込みにつきましてはお気軽にご連絡ください。

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