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九州大学病院、「ユビーDPCサポーター」活用の結果、年間6,500万円以上の収益改善見込みを確認

update:
Ubie株式会社
AIによる適切なDPCコーディング支援により、病院経営改善と働き方改革を両立



 「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」をミッションに掲げるUbie株式会社(本社:東京都中央区、共同代表取締役:阿部吉倫・久保恒太、以下「Ubie」)は、国立大学法人九州大学 九州大学病院(所在地:福岡県福岡市東区、病院長:中村雅史、以下「九州大学病院」)において、「ユビーDPCサポーター」を活用し、DPCコードの適正化を行った結果、年間6,500万円以上の収益改善効果と大幅な業務時間短縮の見込みを確認しました。本取り組みは、AIによる適切な診療報酬請求業務におけるDPCコーディング支援により病院経営を改善するとともに、医師や診療情報管理士の業務負担を軽減することで、働き方改革と医療の質向上の両立を可能にするものです。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/48083/191/48083-191-7efb208334cf40568978122102d4f41b-1920x1280.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


■取り組み背景と導入目的
医療機関の約7割が赤字経営という状況が続く中(*1)、本来提供した医療に対して受けるべき診療報酬が、人員不足や経験値の差によって適切に請求できていない現状があります。
特にDPC(診断群分類包括評価)制度においては、DPCコーディングにおける主病名・副傷病名・手術・処置等の選定における考慮漏れにより提供した医療に見合った診療報酬を得られないケースがあり、コーディングの精度向上が病院経営の重要課題となっています。
また、DPCコーディング業務は医学的知識と経験を要する専門性の高い業務であることに加えて、多忙な医療現場では十分な時間を確保することが難しく、入院期間によっては一患者あたりのカルテ記録が数十万字~百万字以上になるケースもあるため、その業務難易度の高さと業務負荷の大きさが多くの病院で経営課題となっています。
九州大学病院は、福岡県福岡市を拠点とする国立大学病院として、高度な医療を提供する地域医療の中核を担っています。同院では、医療の質向上と効率化を目指したDX推進に積極的に取り組んでおり、既に「ユビーAI問診」「ユビー生成AI」の導入などで成果を上げていました。こうした背景から、DPCコーディング業務における収益最適化と業務効率化の両立を目指し、2024年11月より「ユビーDPCサポーター」の検証をUbieと共同で開始しました(*2)。

*1 出典:一般社団法人日本病院会ほか「2025年度病院経営定期調査 -中間報告(集計結果)-」(2025年10月6日公表)
https://ajhc.or.jp/siryo/20251006report.pdf
*2 プレスリリース「九州大学病院、「ユビー生成AI」のDPCコーディング業務支援機能の検証を開始」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000124.000048083.html
■具体的な取り組み内容と成果
「ユビーDPCサポーター」はLLM(大規模言語モデル)を基盤としたUbie独自開発のAIを活用することにより、電子カルテデータと連携しDPCコーディング業務を支援するサービスです。
従来のコーディングツールやレセプトチェックツールが参照しているオーダー情報のみならず、自然言語で記載された医師や看護師などの医療従事者の診療録の記載内容から、AIが最適な主病・副傷病・手術・処置の選定や変更に関する示唆を提供し、医学的知識に基づいた適切なコーディングを支援します。
本取り組みでは、九州大学病院の過去の症例データを用いた精度検証を実施しました。経験豊富なコーディング担当者が選定したコードとAIの提案コードの一致率は90%を達成し、残り10%についても、人の目で見直した上でコード変更が妥当であることを確認しました。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/48083/191/48083-191-cca084fdb338c290795a2e3b2aba59e4-1920x1280.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


特に、人の目だけでは見落としがちな内容をAIが補完し、大きな収益改善につながる可能性のある事例も確認されました。例えば、以下のようなケースです。
【変更例1.】
左上葉肺癌の化学療法導入目的で入院した患者。しかし、入院直後に癒着性腸閉塞を併発したため化学療法は実施されず、腸閉塞の治療が中心。
当初、主病は肺癌が選択されていたが、入院後の経過と治療実態を鑑み、腸閉塞を主病とすることが妥当と考えられた。
この結果、+7,534点の適正化につながった。

【変更例2.】
右下咽頭癌に対し下咽頭喉頭頸部食道全摘および遊離空腸などによる再建術を施行した患者。
実施された術式内容から、主手術であるK395 喉頭、下咽頭悪性腫瘍手術に加え、処置1としてK016 動脈皮弁術を選択することが可能と考えられた。
この結果、+9,052点の適正化増点につながった。

このように、AIならではの網羅的な分析が成果に結びついています。これらの検証結果に基づき、年間6,500万円以上の収益改善効果の実現見込みを確認しました。また、AIによる候補提示により、経験値によるコーディング精度のばらつきが標準化されました。これにより、医師・診療情報管理士・医事課職員など、DPCコーディング業務に関係する各職種の業務負担軽減が期待され、患者さんに向き合う時間の創出や、専門性の高い業務に集中できる環境の整備が見込まれます。
これらの成果は既存の体制整備や取り組みを基盤としながらAIによる業務支援を組み合わせることで、病院経営の改善と医療従事者の働き方改革を同時に実現できることを示しています。
■今後の展開
九州大学病院では、本取り組みで得られた成果を踏まえ、電子カルテとの連携によるデータ活用をさらに推進する予定です。DPCコーディング業務で蓄積されたデータを活用し、リアルタイムな経営状況の把握を可能にすることで、迅速かつ的確な経営判断を支援します。また、データに基づいた意思決定の仕組みを構築することで、病院経営の最適化を目指します。さらに、今回の検証で確立したAI活用のノウハウを他の業務領域にも展開し、病院全体のDX推進を加速させることで、より質の高い医療の提供と持続可能な病院経営の両立を実現する方針です。

Ubieは、本取り組みの成果を踏まえ、「ユビーDPCサポーター」の提供範囲を拡大します。現在、既に複数の医療機関で試験運用を実施しており、全国200床未満~1000床以上の病院様まで幅広い規模のDPC対象病院で無償データトライアルを提供中です。全国1,800施設以上に利用されている「ユビーAI問診」や、2024年より提供開始し既に全国100施設以上の医療機関で利用されている「ユビー生成AI」の提供を通じた病院DX推進の知見と「ユビーDPCサポーター」の提供を通じて、業務効率化と収益改善を同時に実現し、病院経営のご支援の拡大を目指します。DPC制度を採用している医療機関は全国約1,700施設あり、多くが同様の課題を抱えているのが現状です。Ubieは、AIの技術を活用し、病院経営の改善と医療従事者の働き方改革の両立を支援することで、持続可能な医療提供体制の構築に貢献してまいります。
■九州大学病院 病院長特任補佐 西山 謙 様 コメント
DPCコーディング業務は医学的知識と経験を要する専門性の高い業務であり、適切なコーディングには多くの時間と労力を要しています。当院では、経験豊富なスタッフによる品質管理など、様々な対策を講じてきたが、多忙な医療現場では十分な時間を確保することが難しく、また経験値による記載精度のばらつきも課題でした。「ユビーDPCサポーター」の導入により、AIが記載すべき項目を提示することで、経験の浅いスタッフでも質の高いコーディングが可能になり、チーム全体の業務品質が向上しました。また、創出された時間を活用し、医師や診療情報管理士がより患者さんに向き合えるようになったことは、医療の質向上の観点からも非常に意義深いと感じています。今後は、このAI活用のノウハウを他の業務領域にも展開し、病院全体のDX推進を加速させていきたいと考えています。
■Ubie株式会社 共同代表取締役 医師 阿部 吉倫 コメント
医療機関様を取り巻く経営環境が厳しさを増す中、本来提供した医療に見合った診療報酬を適切に確保することは、質の高い医療を持続的に提供していく上で極めて重要と考えています。多くの病院様が診療情報管理士の配置やDPCコーディング業務の体制整備など、適切な診療報酬請求に向けた様々な取り組みを進めていらっしゃいますが、「ユビーDPCサポーター」の活用により、収益の最適化と業務効率化を同時に実現できる可能性を確認できたことは大きな成果でした。AIの支援により、医療従事者の皆様がより専門性の高い業務に集中できる環境が整備され、結果として患者さんへのケアの質向上にもつながると考えております。今後も、弊社独自のAIと院内データの連携を通じた取り組みを継続し、収益改善と医療の質向上の両立に貢献してまいります。
■Ubie株式会社 開発担当医師 白石 達也 コメント
開発において最も注力したのは、熟練した専門医やコーディング担当者の『暗黙知』をいかにAIで再現するかという点です。DPCコーディングは単なるキーワード検索では不十分で、病歴や治療経過といった『文脈』の理解が不可欠です。『ユビーDPCサポーター』は、電子カルテ内の非構造化データ(テキスト情報)やオーダー情報をLLMも活用した独自AIが解析し、医学的な因果関係を踏まえた上で『なぜそのコードが適切か』という根拠まで提示します。九州大学病院様での検証において、AIの提案が高い一致率を記録し、さらに人間が見落としがちな複雑な症例まで拾い上げられたことは、技術的な大きなブレイクスルーです。今後もテクノロジーの力で医療情報の解像度を高め、医療現場のDXを実質的な成果へと繋げてまいります。

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【補助金活用サポート付き特別パッケージについて】
医療機関におけるDX推進を支援するため、『補助金活用サポート付き「ユビー生成AI」「ユビーDPCサポーター」特別パッケージ』の提供を開始しました。本パッケージは、政府の令和7年度補正予算案に盛り込まれている事業等を踏まえ、病院機能やエリア等の支給要件に応じた各種補助金の活用サポート付きで、「ユビー生成AI」と「ユビーDPCサポーター」の導入支援を行うものです。今後も医療現場の課題解決に貢献できるよう、引き続きご支援を強化してまいります。
提供開始プレスリリース(2025年11月28日):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000190.000048083.html

【医療機関向け「ユビーメディカルナビ」について】
「ユビーメディカルナビ」は、病院経営の改善と診療の質向上を支援する医療機関向けサービスパッケージです。問診業務効率化を図る「ユビーAI問診」や、マルチモーダル・マルチデバイスで利用可能なAIプラットフォームの「ユビー生成AI」、弊社独自のAIによりDPCコーディング業務の効率化と収益改善を同時に支援する「ユビーDPCサポーター」等のサービスを提供しています。
「ユビーAI問診」は紙の問診票のかわりにスマートフォンやタブレットを活用することで医療機関の業務効率化を支える問診サービスで、医師は文章に翻訳された問診内容と病名辞書の結果を活用することで、電子カルテ記載に伴う事務作業が大幅に削減されます。「ユビー生成AI」は、文章生成・音声認識・画像認識・文章検索(RAG)など複数のAI機能を、電子カルテ端末だけでなくスマートフォン・タブレットといったモバイル端末で様々な業務に利用することができ、結果として、より患者さんに向き合う時間が増え、患者ケアなどの業務に今まで以上に集中していただけるようになります。
2025年12月時点で、「ユビー生成AI」は大学病院を含む100病院超に導入され、シリーズ累計で病院・クリニックあわせて全国47都道府県・1,800以上の医療機関に導入されています。第三回日本サービス大賞で「厚生労働大臣賞」と「審査員特別賞」を受賞し、2024年12月には「生成AI大賞2024」にて特別賞と優秀賞を受賞しました。
ユビーメディカルナビ:https://intro.dr-ubie.com/
ユビー生成AI:https://intro.dr-ubie.com/hospitals/generativeai_lp
ユビーDPCサポーター:https://intro.dr-ubie.com/hospitals/dpc-supporter

【Ubie株式会社が提供するサービス一覧】
▽生活者向け 医療AIパートナー「ユビー」・症状検索エンジン「ユビー」
日本版:https://ubie.app/
US版:https://ubiehealth.com
▽医療機関向け「ユビーメディカルナビ」
https://intro.dr-ubie.com/
▽医療機関向け「ユビー生成AI」
https://intro.dr-ubie.com/hospitals/generativeai_lp
▽医療機関向け「ユビーDPCサポーター」
https://intro.dr-ubie.com/hospitals/dpc-supporter
▽製薬企業向け「ユビー for Pharma」
https://ph-ubie.com/

【Ubie株式会社について】
「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」をミッションに掲げ、医師とエンジニアが2017年5月に創業したヘルステックスタートアップです。AIをコア技術とし、症状から適切な医療へと案内する「ユビー」と、診療の質向上を支援する医療機関向けサービスパッケージ「ユビ―メディカルナビ」等を開発・提供。誰もが自分にあった医療にアクセスできる社会づくりを進めています。
所在地  :〒103-0023 東京都中央区日本橋本町三丁目8番4号 日本橋ライフサイエンスビルディング4 5F
設立   :2017年5月
代表者  :共同代表取締役 医師 阿部 吉倫・共同代表取締役 久保 恒太
URL   :https://ubie.life

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