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第32回 日本行動医学会学術総会にて、ウェアラブルデバイスによる飲酒検知技術の研究成果を発表

update:
株式会社テックドクター
生体データから飲酒を高精度で識別する可能性を確認、健康リスク管理への応用に期待



[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/71267/69/71267-69-ebee7670a33f33d9d6d0d6fd455fa8cd-3900x2048.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]



株式会社テックドクター(代表取締役:湊 和修、本社:東京都中央区、以下、テックドクター)は、
2025年12月6日(土)・7日(日)に相模原市立産業会館で開催された第32回日本行動医学会学術総会
において、飲酒の多変量予測モデルの開発とアルコール飲料摂取が日常生活に与える影響の評価に関する研究成果を発表しました。(一般演題・ポスター発表)

本研究は、ウェアラブルデバイスから得られる生体データを用いて、アルコール摂取を自動的に検知する技術を開発し、その精度や有効性を検証したものです。その結果、飲酒の有無を約90%の精度で識別できる可能性が示されました。睡眠中の心拍変動などが重要な指標として抽出され、一部では精度にばらつきは見られたものの、飲酒が睡眠や活動量に影響を及ぼす傾向も確認されています。

■背景と研究概要

従来、飲酒の有無や摂取量はアンケートによる自己申告によって把握されてきました。しかし、「どれくらい飲んだか」「どの頻度で飲むか」という回顧的な回答には記憶の偏りや社会的バイアスが入りやすいという課題がありました。こうした背景を踏まえ、本研究では、ウェアラブルデバイスから取得される心拍・睡眠・活動量などのデータを活用し、アルコール摂取を自動的に検知する新しいアプローチの開発を目的としました。客観的な生体データを用いた検知技術を確立することで、飲酒行動をより正確に把握し、その健康への影響を適切に評価することを目指しています。

<研究概要>
- 研究期間:2022年5月1日~2024年9月10日
- 研究対象:同意の得られた20歳以上の21例
- 評価指標:
- - 主観的評価指標
- - - 前日の飲酒の有無
- - - 飲酒量(なし/1~2単位/3~4単位/5単位以上)
- - ウェアラブルデバイスデータ
- 解析方法:
- - 日次アンケートの飲酒情報を正解ラベルとして、ウェアラブルデバイスから取得した心拍・睡眠・活動量データを用い、飲酒の有無を予測する機械学習モデル(XGBoost)を構築
- - モデルの予測精度の評価に加え、主要な特徴量を解析し、飲酒推定に寄与する生体指標を抽出
- - 性別・年代・飲酒量による精度差(公平性)についても検討し、モデルの適用範囲と課題を評価
- - 飲酒が翌日の睡眠指標や活動量に与える影響を分析し、飲酒と日常生活のデータとの関連性を検証


■研究成果

本研究では、ウェアラブルデバイスから得られる生体データを用いて飲酒の有無を識別したところ、AUC 0.92・約90%という高い精度が確認されました。睡眠中の心拍数の変化や、非歩行時に見られる心拍上昇の傾向が推定に寄与する重要な指標として抽出される一方で、性別や年代、飲酒量によって識別精度が低下するケースもみられ、さらなるモデル改善の必要性が示されました。
また、飲酒後には睡眠パターンや活動量に変化がみられる傾向が確認されたものの、その程度には個人差が大きいことも明らかになりました。

[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/71267/69/71267-69-7bc18100671ae36264c46f2ec7ff028d-451x276.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]



■社会的意義と今後の展望

今回の成果は、一般消費者向けのウェアラブルデバイスを用いてアルコール摂取を客観的かつ高精度に検知できる可能性を示した初期的な知見です。これにより、飲酒に伴う健康リスクの早期把握や予測、予防的な介入、さらには個々の飲酒習慣に基づいて個別化されたヘルスケア支援など、医療・健康領域での幅広い活用が期待されます。
また、飲酒とは直接関係のないウェアラブルデータの研究においても、飲酒による生体データへの影響やノイズを除去することで、解析精度を高めるといった応用可能性が広がります。

今後は、多様な方々が安心して利用できる技術へと発展させるために、さらなるデータ収集とアルゴリズムの改良を進めていく予定です。本研究テーマに共感し、技術検証や応用研究をともに推進していただける研究協力者・開発パートナーを広く募集しています。
なお、本研究で開発した解析技術は、2025年12月現在、特許申請中です。


【参考情報】
学会名 :第32回日本行動医学会学術総会
会期 :2025年12月6日(土)・7日(日)
会場 :相模原市立産業会館
公式サイト :https://pub.confit.atlas.jp/ja/event/jsbm32


【 テックドクターについて 】
株式会社テックドクターは「データで調子をよくする時代へ」をビジョンに掲げ、ウェアラブルデバイスをはじめとした日常のセンシングデータから健康に関するインサイトを導く「デジタルバイオマーカー**」の開発と、その社会実装を進めています。医療・製薬・食品関連企業や研究機関と連携し、データに基づくAI医療の実現を目指しています。

代表者 :湊 和修
本社 :東京都中央区京橋二丁目2番1号 京橋エドグラン4階
設立 :2019年6月21日
事業内容 :デジタルバイオマーカー開発プラットフォーム「SelfBase」の開発および運用、デジタル
医療ソリューションの提供
URL :https://www.technology-doctor.com/


** デジタルバイオマーカー
デジタルバイオマーカーとは、スマートフォンやウェアラブルデバイスなどから取得される日常的な生体データをもとに、疾患の有無や病状の変化、治療の効果を連続的かつ客観的に評価する指標です。
従来のバイオマーカーは、医療機関で一時的に測定される「点のデータ」でしたが、デジタルバイオマーカーは日常生活の「線のデータ」を継続的に取得できる点が特徴です。運動、睡眠、心拍などの指標をもとに、病気の早期発見や治療モニタリング、さらには薬剤開発における新たなエンドポイントとしても期待されています。海外では2019年頃から開発が進み、国内でも注目が高まっています。

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