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IBM、エンタープライズ生成AI用スマート・データ・プラットフォームの構築に向けConfluentを買収

update:
日本IBM
110億ドルの買収により、アプリケーションやAIエージェント向けにデータを接続、処理、ガバナンスを実現するエンドツーエンドのプラットフォームを提供

本取引は、買収手続き完了後1年目に調整後EBITDAに対して増益効果をもたらし、2年目にはフリー・キャッシュ・フローに寄与する見込み

【米国ニューヨーク州アーモンクおよびカリフォルニア州マウンテンビュー - 2025年12月8日(現地時間)発】
IBMとデータ・ストリーミングのパイオニアであるConfluent社は、IBMがConfluent社の発行済普通株式を1株当たり31ドルで全株取得する正式契約を締結したと発表しました。本取引の企業価値は約110億ドルです。Confluent社は、オープンソースを基盤としたエンタープライズ向けのデータ・ストリーミング・プラットフォームを提供しています。このプラットフォームは、再利用可能で信頼性の高いデータやイベントをリアルタイムで接続・処理するとともに、ガバナンスを図ることができます。このような仕組みは、企業がAIを導入するための重要な基盤となります。

IDCによると、2028年までに10億以上の新しい論理アプリケーションが登場し、業界全体の技術アーキテクチャーを再構築すると予測されています[1]。こうしたアプリケーションやAIエージェントが意味のある成果を生み出し、生産性を高めるためには、リアルタイムで接続された信頼できるデータへのアクセスが不可欠です。IBMとConfluent社は、アプリケーション、分析、データ・システム、AIエージェントのエンドツーエンド統合を可能にし、ハイブリッドクラウド環境におけるインテリジェンスとレジリエンスを強化します。

IBM会長兼CEOのアービンド・クリシュナ(Arvind Krishna)は、次のように述べています。「IBMとConfluent社が一体となることで、企業は生成AIやエージェント型AIをより迅速かつ効果的に導入できるようになります。これは、環境、アプリケーション、API間で信頼できる通信とデータフローを提供することによって実現されます。データはパブリッククラウド、プライベートクラウド、データセンター、そして無数のテクノロジー・プロバイダーに分散しています。Confluent社の買収により、IBMはAIに特化した企業IT向けのスマート・データ・プラットフォームを提供します」

Confluent共同創業者兼CEOのジェイ・クレプス(Jay Kreps)氏は、次のように述べています。「創業以来、Confluentは複雑化するIT環境において、データの可能性を最大限に引き出し、イノベーションを推進してきました。リアルタイム・データ・ストリーミング・プラットフォームを通じて、生成AIやエージェント型AIの次の時代を支える基盤を提供してきたことを誇りに思います。IBMと共に戦略を加速し、IBMの市場展開力、グローバルな規模、幅広いポートフォリオを活用できることに大きな期待を寄せています」

Confluent社のプラットフォームが持つリアルタイム性は、企業があらゆるIT環境に存在するデータを活用する上で極めて重要です。Confluent社は、今日のテクノロジーとデータの複雑な状況に対応するためのソリューションを提供しています。特に、AIに適したデータを準備する能力に優れており、システムやアプリケーション間でデータをクリーンに保ち、接続し続けることで、エージェント型AIに内在するサイロ化を解消します。過去4年間で、Confluent社の総アドレス可能市場(TAM)は500億ドルから1,000億ドルへと倍増しました(2025年時点)[2]。Confluent社のリアルタイム・データおよびイベント・ストリーミング機能と、IBMのAIインフラストラクチャー・ソフトウェアや自動化製品を組み合わせることで、両社はこの市場機会をより確実に捉えることができます。


取引の理由
- 戦略的適合性:Confluent社はIBMにとって自然な適合先であり、IBMのハイブリッドクラウドとAI戦略に合致しています。データとアプリケーションは急速に増加しており、2028年までに世界のデータ量は現在の2倍以上になり、さらに10億以上の新しいアプリケーションが登場すると予測されています。この指数関数的な成長は、AIの継続的な普及によってさらに加速し、IT部門への負担を一層増大させます。世界中の企業は、複雑なシステムを簡素化し、自動化し、統合するためにIBMを頼りにしています。Confluent社が加わることで、IBMのデータおよび自動化ポートフォリオにおける既存の機能が強化されます。さらに、今回の買収は、Red HatやHashiCorpといったオープンソースのリーダー企業の買収に続き、IBMが25年以上にわたり続けてきたオープンソースのイノベーションと投資へのコミットメントをさらに強化するものです。
- 強力な相乗機会:Confluent社の買収は、IBMのポートフォリオ全体にわたって大きな製品相乗効果を生み出すと期待されています。これには、AI製品やサービス、自動化、データ、コンサルティングが含まれます。また、IBMの市場展開力を活用することで、収益成長を加速させることができます。さらに、IBMの規模と最高水準の生産性向上施策により、運営効率の大幅な改善も見込まれます。
- 魅力的な財務プロファイル:Confluent社の買収は、時間の経過とともにIBMの成長を加速させると予想されています。IBMはまた、この取引完了後の初年度に調整後EBITDAに対して増加効果をもたらし、2年目にはフリー・キャッシュ・フローに寄与すると見込んでいます。

Confluent社の本社はカリフォルニア州マウンテンビューにあり、現在6,500社以上のお客様にサービスを提供しています。その中にはFortune 500企業の40%以上が含まれます。同社はAnthropic社、AWS社、GCP社、Microsoft社、Snowflake社など、テクノロジー業界のリーダー企業と提携し、幅広い統合を進めています。これは、アプリケーション・プロバイダー、ISV、ハイパースケーラーを含む幅広くオープンなテクノロジー・エコシステムにおいて、深い業界パートナーシップを重視するIBMのアプローチと一致しています。

Confluentは、データの移動を可能にするオープンソースのデータおよびイベント・ストリーミング・プラットフォームであるApache Kafka(R)を基盤としています。Apache Kafkaは、分析、モニタリング、イベント駆動型アーキテクチャーに対応する高速で信頼性が高く、スケーラブルなデータ・ストリーミング機能を提供します。Confluentのプラットフォームには、Data Streaming、Connectors、Stream Governance、Stream Processing、Tableflow、Confluent Intelligence、Streaming Agentsが含まれています。このプラットフォームは柔軟な導入オプションを備えており、以下の構成が可能です:
- Confluent Cloud:Confluentのデータ・ストリーミング・プラットフォームの完全マネージド型デプロイメント。サーバーレスのApache Kafkaエンジンにより、クラウドでリアルタイム・データストリームを効率的に展開・スケール可能。
- Confluent Platform:クラウドネイティブでエンタープライズ・グレードのApache Kafkaディストリビューションを活用した、セルフ・マネージド型デプロイメント。
- WarpStream:ハイブリッド型のBring Your Own Cloud(BYOC)モデル。クラウド・ホスト型ソリューションの使いやすさと、セルフホスト型のコスト、セキュリティー、データ主権を両立。
- Confluent Private Cloud:オンプレミスやプライベートクラウドのKafkaワークロードに、Confluent CloudのKoraを適用し、クラウドネイティブなマネージド・サービス体験を提供。


取引詳細
契約条件に基づき、IBMはConfluent社の発行済普通株式を1株当たり31ドルの現金で買収します。これにより、Confluent社の企業価値は約110億ドルとなります。買収資金はIBMの手元現金で賄います。


IBMの取締役会、Confluent社の取締役会および独立特別委員会は本取引を承認済みです。買収はConfluent社株主による承認、規制当局の承認、その他の慣習的な取引完了条件を満たす必要があります。

Confluent社の最大株主および投資家は、Confluent社の発行済普通株式の約62%の議決権を保有しており、IBMとの間で投票契約を締結しました。これにより、各株主は本取引に賛成票を投じ、代替取引には反対することに合意しています。

本取引は2026年半ばまでに完了する予定です。

投資家向け説明資料は以下のサイトでご覧いただけます:
https://www.ibm.com/investor/events/ibm-confluent

[1] Source: IDC, 1 Billion New Logical Applications: More Background, doc #US51953724, April 2024
[2] Source: Confluent Investor Day Presentation - https://investors.confluent.io/static-files/436f13c5-91cc-4ce7-9c5d-75db958cf9a9

当報道資料は、2025年12月8日(現地時間)にIBM Corporationが発表したプレスリリースの抄訳をもとにしています。原文はこちらを参照ください。

IBM、IBMロゴ、ibm.com、watsonx、watsonx Orchestrate、Graniteは、米国やその他の国におけるInternational Business Machines Corporationの商標または登録商標です。他の製品名およびサービス名等は、それぞれIBMまたは各社の商標である場合があります。現時点での IBM の商標リストについては、ibm.com/trademarkをご覧ください。

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