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名誉博士号のサインを行う阿波賀校長。左 副学長イアン・ゴードン氏、中央 阿波賀校長、右 ニール・ロバートソン氏
豊田工業高等専門学校（愛知県豊田市 校長：阿波賀 邦夫 以下「豊田高専」）では、専門的な知識と技術を身につけた実践的な技術者の育成を目指し、日本の技術者教育を支える重要な役割を果たすとともに、海外留学・異文化理解活動に力を入れており、毎年、AFS・YFUによる長期留学制度(休学留学)を利用して約40名の成績優秀な学生(2年生、3年生)がアメリカ、ヨーロッパ、南米などへ1年間留学しており、全国の高専でもトップクラスの海外留学数を誇っています。
令和7年11月19日に阿波賀校長がこれまでの研究，教育及び国際活動における貢献が認められ，エディンバラ大学（英国 THE世界大学ランキング2026 29位）から名誉博士号を授与されました。
阿波賀校長、エディンバラ大学より名誉博士号を受章
阿波賀校長は、令和7年11月19日、英国スコットランドの首都エディンバラに所在するエディンバラ大学より、これまでの研究・教育・国際活動における卓越した貢献が認められ、名誉博士号（Doctor honoris causa）を授与されました。日本人がこの名誉に与ることは極めて稀有です。同校長は、有機エレクトロニクスを「物質合成」「基礎物性探索」「デバイス展開」という一連の流れで縦断的に追求し、有機伝導体や磁性体に特徴的な電子-格子相互作用や電子-電子相互作用に基づく新たなデバイス特性の開拓研究において、目覚ましい成果を挙げてこられました。これらの成果は、科学研究費助成事業の特別推進研究や基盤研究（S・A）の獲得にとどまらず、研究拠点形成事業や二国間交流事業（日中共同研究）などの国際連携研究の推進にも大きく寄与しています。
教育面では、名古屋大学大学院理学研究科長、高等研究院長を歴任されたほか、博士課程リーディング大学院「グリーン自然科学国際教育研究プログラム」の統括を務めるなど、研究・教育・国際の各分野で顕著な功績を残されました。さらに、エディンバラ大学との交流においては、研究拠点形成事業の共同推進に加え、ジョイント・ディグリープログラムの設立や派遣学生の受け入れを通し、教育面でも多大な貢献をされています。
こうした功績が高く評価され、長年の共同研究者であるエディンバラ大学のニール・ロバートソン教授からの推薦により、今回の受章に至りました。授与式は卒業式と同日に執り行われ、受章スピーチでは、名古屋大学とエディンバラ大学間の強力な関係を築けたことに感謝を述べるとともに、名古屋大学及び豊田高専の所在地である東海地方が産業集積地であることに加え、スタジオジブリ作品の世界観を表現した「ジブリパーク」に近く、訪れれば日本のものづくりの神髄に触れられるとともに「トトロにも会える」とユーモアを交えて紹介しました。エディンバラの学生にとって馴染みの薄い名古屋市・豊田市の魅力を親しみやすく伝え、会場からは大きな拍手が送られました。
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名誉博士号を受ける阿波賀校長
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受賞スピーチを行う阿波賀校長
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伝統あるマキューワン・ホールで催される卒業式で、名誉博士号を授与式が行われました
分子性固体科学と有機エレクトロニクスを先導した阿波賀校長の業績
阿波賀校長は、古くは有機強磁性体の研究に取り組まれ、分子間相互作用の仕組みを解明して世界初の純粋有機強磁性体を開発されました。その後、より強い相互作用をもつ有機強相関電子系の研究を進められ、室温磁気双安定性、非線形電気伝導、巨大過渡光電流など、新しい有機エレクトロニクスの発展に資する成果を次々と生み出しました。近年では、トポロジカルな結晶構造をもつ系の化学構築と物性開拓に取り組み、固体電気化学と物性化学を融合させることによって、分子性電池やキャパシターの開発、レドックス制御による物性制御を実現し、日本IBM科学賞、日本化学会学術賞、分子科学会賞、日本化学会賞などを受賞しておられます。[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/75419/599/75419-599-9b5d38f0e066908dc105b8ed864def87-1639x1639.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
世界初の有機スピンフラストレーションカゴメ格子
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磁気的2面性を見せる反強磁性有機ラジカルダイマー
豊田工業高等専門学校について
高等専門学校（以下「高専」）は、社会が必要とする技術者を養成するために1962年（昭和37年）に設立されました。高専は、中学校の卒業生を受け入れて、1学科40名による5年間の一貫教育を行う高等教育機関です。豊田高専は1963年（昭和38年）に愛知県豊田市に設立され、幅広く豊かな人間教育を目指し、数学・英語・国語などの一般科目と実験・実習を重視した専門科目に基づくカリキュラムにより、実践的、専門的な技術者教育を行っています。
卒業生は、約半数が国立大学の3年次編入学や高専の専攻科に進学し、約半数が多様な産業分野で実践的技術者として活躍しています。
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豊田高専外観
【学校概要】
学校名：独立行政法人国立高等専門学校機構 豊田工業高等専門学校
所在地：愛知県豊田市栄生町2-1
校長：阿波賀 邦夫
設立：1963年
URL：https://www.toyota-ct.ac.jp/
事業内容：高等専門学校・高等教育機関
