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【秋田発】コップ1杯の川の水で「見えないクマ」を可視化。襲撃被害者と共に開発した環境DNA技術で、人と野生動物の共存を目指す生息調査を開始

update:
株式会社フィッシュパス
総務省「ICTスタートアップリーグ」採択事業。従来の痕跡調査では不可能な「面の把握」を実現し、地域住民の安全と科学的な保全対策に貢献



ICT技術を活用して水産資源の保護に取り組む株式会社フィッシュパス(本社:福井県坂井市、代表取締役:西村 成弘)は、総務省「ICTスタートアップリーグ」採択事業の一環として、環境DNA(eDNA)を活用したクマの生息調査を秋田県にて開始しました。 本プロジェクトは、実際にクマ被害に遭われた地域住民の協力のもと、魚類調査で培った環境DNA技術を今回初めて哺乳類(クマ)に応用。「駆除」一辺倒ではない、科学的根拠に基づいた共存への道を切り拓きます。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/118467/18/118467-18-7be00cbd556012c468c5614f13a837db-2048x1363.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


【本件のポイント】
- 技術革新: 魚類調査で培った環境DNA技術を応用し、河川水からクマの生息域・侵入状況を面的に可視化 。
- 開発背景: 秋田県で重傷を負ったクマ被害当事者・湊屋啓二氏の協力により、専用プライマー(判定キット)を開発 。
- 社会的意義: 従来の「目視・痕跡」調査の限界を超え、過去データの解析も含めた科学的モニタリング体制を構築 。

1. 【背景】深刻化するクマ被害と、従来の「目視・痕跡調査」の限界

近年、クマによる人的被害や農作物被害が全国的に増加しており、地域住民の不安は高まり続けています。しかし、クマの生息域や移動状況を知るための調査は、これまで主に目視や痕跡(足跡、爪痕、糞など)に依存しており、正確な生息密度や個体数、移動経路を把握するには大きな限界がありました。 「いつ、どこに出るかわからない」。この見えない恐怖に対し、新たな科学的アプローチが求められていました。

2. 【技術】「コップ1杯の川の水」で、上流1kmの生息状況を可視化する

こうした課題を解決するため、株式会社フィッシュパスは最先端の環境DNA(eDNA)技術を活用したクマの生息調査を開始しました。 当社の技術では、コップ一杯の川の水から環境DNAを抽出し、その水域にどの生物が生息しているかを高精度に判定できます。これまで全国の漁協と共同で魚類の生息調査を行ってきたノウハウを応用し、「水生生物」以外である哺乳類の存在把握に向けた新たな挑戦を開始しました。

この調査手法では、水を採取した地点からおよそ1キロ上流範囲に生息しているクマのDNAを検出できる可能性があります。山中を歩き回ることなく、クマがどの程度地域へ入り込んでいるか(侵入状況)や生息の度合いを、面的かつ科学的に評価することが可能になります。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/118467/18/118467-18-1997b2c3a4acf533f8d06cb140470749-1916x917.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
環境DNA解析により可視化されたクマの生息状況イメージ

3. 【開発経緯】襲撃被害者・湊屋啓二氏との共闘。「二度と同じ被害を出さないために」

本技術の核となる「クマ専用プライマー(DNAの種類を判別できる検査キット)」の開発には、ある一人の協力者の存在がありました。 秋田県で菓子店を営む湊屋啓二さんです。湊屋さんは2年前、自宅車庫でクマに遭遇し、頭皮がめくれ頭蓋骨が露出するほどの重傷を負いました。

「同じような痛ましい被害を防ぎたい」 その強い想いから、湊屋さんは自身の経験を無駄にしないよう、調査への全面協力を決意。現在、湊屋さんの協力のもと、ツキノワグマの肉片からクマ専用のプライマー(DNAの種類を判別できる検査キット)を作成しています。これにより、自治体や漁協と連携し、秋田県内の河川水を採取して、クマの生息を科学的に確認する取り組みが進められています。これは、被害者の切実な願いと最先端技術が融合して生まれたプロジェクトです。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/118467/18/118467-18-cf18ff61add4f7868e78f7370017df50-582x438.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
開発のきっかけとなった湊屋氏の被害状況

[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/118467/18/118467-18-ad72928ee01f84aa4b67a8ae1305ec1f-1048x638.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
開発されたプライマーによるDNA増幅データ

4. 【展望】「駆除」以外の選択肢を。科学的データに基づく「共存」への挑戦

今後は、現在の生息状況調査に加え、フィッシュパスが持つネットワークを活かして過去に保存された河川水の再解析も進める予定です。これにより「過去の生息状況」を振り返り、クマの行動域がどう変化したかを時間軸で追うことが可能になります。

近年、クマの出没に対し「駆除」以外の選択肢を模索する動きが強まっています。フィッシュパスは、環境DNA技術によってクマの存在を“見える化”し、科学的根拠に基づいた対策や保全政策への活用を提案します。人と自然、そして野生動物が適切な距離を保ちながら共存する未来に向け、新たな科学的基盤の構築を目指します。
参考:遊漁券販売プラットフォーム「FISH PASS」について
フィッシュパスは、地域と釣り人をつなぐデジタルプラットフォームを提供しています。アプリ一つで手軽に遊漁券が購入できるだけでなく、安心・安全な釣りライフをサポートする多彩な機能を搭載しています。
<主な特長>
・24時間いつでもどこでも遊漁券を購入
・販売店探しや営業時間を気にせず購入可能
・漁協に自動でお知らせ-話しかけられず快適に釣りを楽しめる
・デジタル管理による遊漁券の紛失防止
・釣り場情報・水位情報・遊漁区域をスマホで確認
・ダムの放水や急な増水を通知し、安全な釣りをサポート
・全ての遊漁券に傷害保険が自動付帯(追加料金なし)

▼ フィッシュパス サービスサイト(遊漁券の購入・釣り場情報)
https://www.fishpass.co.jp/
株式会社フィッシュパスについて
「川を囲んで、漁協と釣り人と環境・地域社会を結び、豊かさと賑わいを目指す」を理念に、遊漁券のオンライン販売システム「フィッシュパス」を運営。全国の河川・漁協と連携し、ITを活用した持続可能な内水面漁業の実現と地域活性化に取り組んでいます。 また、環境DNA事業を通じた「生物多様性DX」の推進により、科学的根拠に基づいた資源管理と地域の自然資本の可視化、そして持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

会社名: 株式会社フィッシュパス
所在地: 福井県坂井市丸岡町熊堂3-7-1-16
代表者: 代表取締役 西村 成弘
設立: 2016年10月
事業内容: 遊漁証オンライン販売システム「フィッシュパス」の運営、環境DNA調査事業
コーポレートサイト: https://fishpass.jp/
FISHPASS環境DNAラボ:https://fishpass-edna.jp/
本件に関するお問合せ先
株式会社フィッシュパス 広報担当
電話:0776-67-7335
メールアドレス:press@fishpass.co.jp

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