2025年、石原書房から刊行された単行本『改元』が三島由紀夫賞候補となり注目を集める畠山丑雄氏が、実に二年半ぶりに文芸誌に発表した中篇小説が芥川賞に初ノミネート！
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■ 書籍内容紹介
大阪府茨木市に移り住んだ早野ひかるは自暴自棄の荒んだ暮らしですっからかんになった夜、遠くから聞こえてくる鐘の音に誘われ、生活保護を受ける男に出会う。積年の負い目を男に見抜かれ、激しく否定されていくうちに早野のこころは軽くなり、男のことを「先生」と呼んで銅鐸作りと茨木の来歴を学ぶようになる。茨木ではかつて罌粟栽培と阿片製造が盛んで、この地から満州に渡って天皇陛下ご裁可の下、広大な大地を罌粟畑に塗り替え、「陛下のための花束」を編むことにロマンを抱いた青年がいた。郷里に戻ったら、1940年開催予定の紀元2600年記念万博に行くことを青年は楽しみにしていた。
早野は青年に思いを馳せるうち、いま自分がここにいることの意味のなさが補われ、ここにいることの必然を感じ始める。自らの「聖（ひじり）」として仰ぐ女性と大阪・関西万博へ行く約束を交わし、いつしか令和と昭和がつながり、封印されていた叫びが溢れ出す。
■ 著者紹介
畠山丑雄（はたけやま・うしお）1992年大阪生まれ。京都大学文学部卒。
2015年「地の底の記憶」で文藝賞を受賞し、
2025年『改元』が三島由紀夫賞候補となった。
著書に『地の底の記憶』（河出書房新社）と『改元』（石原書房）がある。
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(C)澤野書房
■ 書籍データ
【タイトル】叫び【著者名】畠山丑雄
【発売日】2026年1月14日
【造本】四六判変小ハードカバー・144頁
【定価】1,870円（税込）
【ISBN】978ー4-10-356751ー6
【URL】https://www.shinchosha.co.jp/book/356751/
