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作文の採点は人間でなければならない」という常識を問い直す ――特許出願中、AIを活用した日本初の日本語作文検定

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株式会社言葉の森
採点は再現性のある独自アルゴリズムで行い、 AIは講評のみに使用。 ブラックボックス化しない作文評価を目指す。



 2025年12月、当社独自のアルゴリズムによる作文評価とAIによる講評とを生かした日本語作文検定が、全国で初めて神奈川県藤沢市の私立高校で、新高校2年生を対象に年間4回の予定で受検されることとなりました。 
 作文は、子どもたちの考える力や伝える力を育てる、重要な学習活動の一つである。一方で、その評価は極めて難しい。採点に時間がかかるうえ、評価者によるばらつきが生じやすく、「なぜこの点数なのか」を説明することも容易ではない。そのため教育現場では、作文を書かせる意義を理解しつつも、十分な量の指導や評価ができないという現実がある。
 近年、AI技術の進展により、「AIが作文を採点する時代が来るのではないか」という期待が語られることも増えた。しかし、作文評価をすべてAIに任せることには強い慎重論がある。評価基準がブラックボックス化し、点数の根拠を説明できなくなる危険性があるからだ。とりわけ入試や検定といった場面では、評価の再現性と説明責任が不可欠であり、「AIが出したから正しい」という論理は通用しない。
 こうした課題意識から生まれたのが、特許出願中の新しい日本語作文検定である。(※特許出願は2025年5月。日本初は2025年12月時点での自社調べ。AIを講評のみに使用し、採点を独自アルゴリズムで行う日本語作文検定として)この検定の最大の特徴は、採点と講評を明確に分離している点にある。点数評価は、長年の作文指導の蓄積をもとに設計された独自アルゴリズムによって行い、同じ作文であれば誰が評価しても同じ結果が得られる再現性を重視する。一方、AIは点数を決めるのではなく、文章の改善点や表現上の特徴を言語化する「講評」の部分のみを担う。
 AIを万能な評価者とみなすのではなく、人間が理解できる評価の枠組みを守りながら、AIを補助的に活用する。この発想は、「作文の評価は属人的である」という従来の前提を見直し、教育現場における作文指導と評価のあり方そのものを問い直す試みでもある。
特許出願中の新方式――「採点」と「講評」を分離する発想
 この日本語作文検定で採用している評価方式は、従来の作文評価とは発想の起点が異なる。最大の特徴は、点数を決める「採点」と、文章の内容や表現を言語化する「講評」を明確に分離している点にある。
 採点は、語彙の多様性、文構造、表現の具体性、論理のつながりなど、あらかじめ定義された評価観点に基づき、再現性のある独自アルゴリズムで行う。評価基準は人による印象や経験に左右されるものではなく、同じ条件であれば常に同じ結果が得られる設計を重視している。
 一方、AIは点数を付ける役割を担わない。AIが担当するのは、評価結果をもとに、受検者にとって理解しやすい言葉で改善点や特徴を示す「講評」の部分であり、最終的な評価判断を代替するものではない。どこが評価され、どこを直せばよいのかを文章で示すことで、受検者が次の学習につなげられるようにする。
 評価の根拠を人間が確認でき、説明できること。AIはあくまで補助的な役割にとどめること。この設計思想が、ブラックボックス化への不安を避けながら、AIの利点を生かすための中核となっている。
長年の作文指導の蓄積を、評価の仕組みに反映
 この評価方式の背景には、20年以上にわたる作文指導の実践がある。小学生から高校生まで、多様な年齢層の作文を継続的に指導・分析してきた中で、「どのような文章が伸びるのか」「どこでつまずきやすいのか」といった知見が蓄積されてきた。
 それらの知見を、属人的な指導ノウハウとしてではなく、誰もが共有できる評価の枠組みとして整理し、アルゴリズム化した点に本検定の特徴がある。評価語彙や観点は、将来的に外部に説明可能な形で提示することも想定しており、「評価される側が納得できる仕組み」であることを重視している。
 作文を書く力は一朝一夕で身につくものではない。だからこそ、継続的に同じ基準で測定し、成長を可視化できる評価の仕組みが必要とされている。
教育現場における負担と限界をどう超えるか
 現在の教育現場では、教科書の進度管理や受験対応に追われ、作文を書かせて丁寧に添削する時間を確保することが難しくなっている。作文指導の重要性が理解されていても、現実的には「時間と人手」が大きな壁となっている。
 この日本語作文検定は、教師の指導を置き換えることを目的とするものではない。むしろ、評価や講評にかかる負担を軽減することで、教師が本来担うべき指導や対話の時間を確保するための補助的な仕組みとして位置づけられている。
 客観的で再現性のある評価を土台とし、その結果をもとに人が指導する。この役割分担によって、作文教育を持続可能な形で支えることを目指している。
今後の展望――入試、小論文、そして社会へ
 大学入試において小論文を課す総合型選抜が増加する中、客観的で説明可能な作文評価のニーズは今後さらに高まると考えられる。また、小中高の教育現場だけでなく、社会人教育や文章力研修など、文章を書く力が求められる場面は広がり続けている。
 本検定は、そうした多様な場面で活用可能な評価の基盤づくりを目指す取り組みである。作文評価のあり方を見直し、技術と教育の関係を再定義する試みとして、今後の展開が注目される。
【本件に関するお問い合わせ先】
日本語作文検定/言葉の森
担当:中根克明
TEL:045-353-9061(080-6523-5004)
Email:yama@mori7.com

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