私たちが思っている以上に、ペットは味の違いに敏感。いつものと違う、好みに合わないものは見向きもせず、飼い主を困らせることもしばしばです。普段のりんごジュースを切らしてしまい、別の果汁100%りんごジュースを出されて「これじゃなーい!」と抗議するインコさんが、かなりの荒ぶりようです。

 青い頭がチャーミングなゴシキセイガイインコのキキさんは、Twitterユーザーのこづきさん宅で暮らしています。キキさんは、アメリカ産の100%りんごジュースが大好物。熟したりんごの甘味と旨味がたっぷり詰まった、人間の間でも大人気の商品です。

 ところが、たまたま買い置きを切らしてしまったこづきさん。やむなく、ほかのペットボトル入り100%りんごジュースをキキさんに出しました。

 こづきさんによると、普段から「味にはすごくうるさいです」というキキさん。少し口にするなり、ジュースの入った容器をひっくり返してしまいました。さらに首を左右に振り「これじゃない、これじゃないんだよー!」と言わんばかりに激しく抗議。

「いつものジュースじゃない!」と容器をひっくり返して抗議するキキさん(こづきさん提供)

 この様子をこづきさんは「こんなもの飲めるかー!ああマズいマズい(プルプル)と、海原雄山のごとくダメ出しされた」とツイート。「たまに餌のメーカーを変えてもマズイ!と文句を言われます」とこづきさんが語るほど、味覚に敏感なキキさんの怒りがうかがえます。

首を左右に激しく振って抗議する抗議するキキさん(こづきさん提供)

 それほど味が違うのか……と思い、こづきさんにうかがってみると「ペットボトルのジュースは、それ単体で飲めばそれなりにおいしいのですが、いつものと飲み比べてみると明らかにペットボトルの方が甘みが弱くておいしくなかったです。よく分かるなぁと感心しました」とのこと。キキさんは、しっかり味を覚えてるんですね。

 キキさんが容器をひっくり返したため、中に入っていたジュースは全部こづきさんの着ていた服にかかってしまいました。これに思わず「ひどーい!」と言ったところ、キキさんは反省したのか、こづきさんの指を申し訳なさそうに舐めてくれたそうです。

 こづきさん、この顛末を職場の後輩に語ったところ、後輩さんは「それDV彼氏じゃないですか」と冷静な一言。確かに、暴れたあと優しくする、というのはDVの典型例にも思えてきますね。

 インコが味覚に敏感なのは、毒になるものを食べないようにする知恵の現れ。人に飼われていると、その鋭敏な味覚はグルメ方面へと発達しているのかもしれません。飼い主にとっては悩みの種ですが……。

<記事化協力>
こづきさん(@kozukiqtaro)

(咲村珠樹)