おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

思春期男子の睾丸の痛みは我慢せずすぐに受診を 泌尿器科医が注意喚起

 男性にとっても「性器の悩み」は非常にデリケートで人に相談しにくいこと。多少のことなら、放っておいても大丈夫だろう……と油断していると、取り返しのつかないことになるかもしれません。

 泌尿器科医である、ほうけ医師さん(以下、ほうけ医師)がXで呼び掛けたのは「睾丸の強い痛み」について。デリケートだからこそ、特に男の子を持つ親には知っておいて欲しい内容に、2万件を超える「いいね」が寄せられています。

  •  ほうけ医師は、大学病院にて泌尿器科専門医・指導医として10年勤務する医師。Xでは泌尿科の内容や、心に残ったことをポストしているほか、登録者200名を超える無料の子ども向けマイクラサーバー「CraftFriends」を運営するなど、活動の幅を広げています。

    ■ 強い痛みの正体は「精巣捻転」 症状が重い場合は摘出手術が必要

     そんなほうけ医師が注目を集めたのは、泌尿器科外来を受診したという12歳の男の子のエピソード。なんでも、数日前から睾丸に痛みを感じていたものの我慢をし続け、病院を訪れた際は歩くのもやっとという状態だったそう。

     「もう玉は壊死しちゃってるだろうな」こう思いながらエコーを当てると、睾丸内は全く血流のない状態。いわゆる「精巣捻転」を起こしており、緊急手術が必要なほどの症状に、本人や男の子の母も呆然としていたとのことでした。

     なお、手術では精巣の機能が温存できそうなら血流を戻して固定、壊死しているようなら摘出、と対処が分かれるそうです。もしも摘出となっても、もう片側の精巣に問題なければ、将来的に子どもを作ることができるとのことですが、いずれにせよ早く受診するに越したことはありません。

     「痛くなってから6~8時間以内に手術しないと精巣機能は失われるため、緊急での手術が必要不可欠です」と、ほうけ医師。

    ■ 「痛かったらすぐに言う」家族で共有を

     精巣捻転は思春期の男の子に起こりやすい症状ですが、「理論上はどの年代で起きてもおかしくない」そうで、発症するのは寝ている時が多く、夜間である場合は泌尿器科医が当直している病院探しに苦労することも多いそうです。

     特に思春期の男の子にとってはデリケートな内容であるため、恥ずかしくて親に言えず、発見が遅れてしまうこともしばしば。言いづらい気持ちは分かりますが、今回のエピソードを決して他人事と思わず、症状への理解を深めておくことや、緊急の受診先を予め決めておくなど、親子で話し合っておいたほうが良い内容と言えるでしょう。

     投稿のコメント欄には「これは保健体育で、女の子に月経の話をするように男の子にしてあげてほしいですね」「ちょうど今年12歳と10歳の息子がいるので、まずこの話をして、痛かったらすぐに言うこと、と伝えます」といった反応が続々。

     投稿の最後に、ほうけ医師も「世のお父さんお母さん、自分の子どもが男の子であれば、玉が痛くなったら絶対にすぐに言うように、強く言っておいてあげてください」と強く呼び掛けています。

    <記事化協力>
    ほうけ医師/泌尿器科専門医・指導医さん(@phimo_surgeon

    (山口弘剛)

    あわせて読みたい関連記事
  • 「マツモトキヨシに寄っていい?」母が発した何気ない一言に4歳息子が恐怖
    インターネット, おもしろ

    「マツモトキヨシに寄っていい?」母が発した何気ない一言に4歳息子が恐怖

  • 「二手に分かれよう!」 公園で出会った友だちとの“一緒に遊ぼう”に大人は困惑
    インターネット, おもしろ

    「二手に分かれよう!」 公園で出会った友だちとの“一緒に遊ぼう”に大人は困惑

  • 幼稚園イベントに行けなかった3歳娘のために……母が用意した「おうちぶどう狩り」にほっこり
    インターネット, おもしろ

    幼稚園イベントに行けなかった3歳娘のために……母が用意した「おうちぶどう狩り」に…

  • 危険なテレビ裏に突撃する我が子 近寄らせないために「化け物」を仕掛けた結果
    インターネット, おもしろ

    危険なテレビ裏に突撃する我が子 近寄らせないために「化け物」を仕掛けた結果

  • コストコのクマさん
    インターネット, おもしろ

    「クマさんが見てるよ」言っても聞かない我が子への“愛ある最終手段”

  • まさに育児あるある 探し物が見つかったのはまさかの「おもちゃの中」
    インターネット, おもしろ

    まさに育児あるある 探し物が見つかったのはまさかの「おもちゃの中」

  • 「ママ」と「パパ」を逆に覚えている?2歳児の言葉の使い分けが興味深い!
    インターネット, おもしろ

    「ママ」と「パパ」を逆に覚えている?2歳児の言葉の使い分けが興味深い!

  • 畑を見守る「ちっちゃいベテラン」 1歳児の後ろ姿が貫禄ありすぎ
    インターネット, おもしろ

    畑を見守る「ちっちゃいベテラン」 1歳児の後ろ姿が貫禄ありすぎ

  • 「1億点」獲得!硬筆教室で年長娘が叩き出した超高得点にほっこり
    インターネット, 感動・ほのぼの

    「1億点」獲得!硬筆教室で年長娘が叩き出した超高得点にほっこり

  • あれー?どこかなー?伸びしろしかない3歳児の“全力”かくれんぼが手強すぎる!
    インターネット, おもしろ

    あれー?どこかなー?伸びしろしかない3歳児の“全力”かくれんぼが手強すぎる!

  • 山口 弘剛‌Writer

    記事一覧

    鹿児島出身・鹿児島在住。私生活では妻と共に2人の子どもを子育てしながら、地元のサッカークラブを熱烈応援中。仕事は元アパレル店長、元ゲームショップ店長を経験。現在はライター、イラストレーターとして活動。

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • 並んで謝罪会見?2匹の猫が見せた神妙すぎるツーショットに笑い広がる
    インターネット, おもしろ

    並んで謝罪会見?2匹の猫が見せた神妙すぎるツーショットに笑い広がる

  • 携帯ゲームに残っていた中2の頃のオタク部屋写真 11年前の「青春」がエモすぎる
    ゲーム, ニュース・話題

    携帯ゲームに残っていた中2の頃のオタク部屋写真 11年前の「青春」がエモすぎる

  • 独特の造形を再現
    アニメ/マンガ, 商品・グッズ

    「爆弾魔の眼鏡」ついに解放 「ハンター×ハンター」ゲンスルーのサングラス登場

  • プロ野球選手会、AIによる誹謗中傷対策を強化 「Threat Matrix」導入を発表
    インターネット, 社会・物議

    プロ野球選手会、AIによる誹謗中傷対策を強化 「Threat Matrix」導入…

  • 「食べ方がヘタすぎる」ご飯をこぼしてどこか気まずそうな柴ワンコ
    インターネット, おもしろ

    「食べ方がヘタすぎる」ご飯をこぼしてどこか気まずそうな柴ワンコ

  • なぜ町のゲームショップは消えたのか 経営シム「ゲームショップ斜陽」体験版がSteamで公開
    ゲーム, ニュース・話題

    なぜ町のゲームショップは消えたのか 経営シム「ゲームショップ斜陽」体験版がSte…

  • トピックス

    1. 丸山製麺が「ラーメン大好き小泉さん」とコラボ!小麦麺使用の新感覚「らーめん缶」を実食

      丸山製麺が「ラーメン大好き小泉さん」とコラボ!小麦麺使用の新感覚「らーめん缶」を実食

      丸山製麺が10月6日から、人気ラーメン漫画「ラーメン大好き小泉さん」とコラボした「らーめん缶」を、東…
    2. これでもう怒られずにすむ? 息子が作った「ママの攻略本」の実力は

      これでもう怒られずにすむ? 息子が作った「ママの攻略本」の実力は

      親に怒られてしまった子どもが、その後に取る態度はさまざまです。落ち込む子もいれば、しっかり反省する子…
    3. 警告ポップアップで強引に広告誘導 悪質業者が仕掛ける正規サービスを悪用した罠

      警告ポップアップで強引に広告誘導 悪質業者が仕掛ける正規サービスを悪用した罠

      インターネットを使っていると、ふとした瞬間に現れる「警告ポップアップ」。 近ごろでは「サポート詐欺」…

    編集部おすすめ

    1. 毛玉とるとる Pro(KC-NW825)

      ストッキングやタイツも可の毛玉取り器誕生 マクセルイズミ「毛玉とるとる Pro」を発売

      マクセルイズミ株式会社は、ストッキングやタイツなどの繊細な衣類にも対応する毛玉取り器の新モデル、「毛玉とるとる Pro(KC-NW825)」…
    2. キヤノンの名機が「ガシャポン」で復活 歴代カメラ5種を精密ミニチュア化

      キヤノンの名機が「ガシャポン」で復活 歴代カメラ5種を精密ミニチュア化

      キヤノンが、バンダイの「ガシャポン」とコラボレーション。歴代のカメラとレンズをミニチュア化した「Canon ミニチュアカメラコレクション」を…
    3. 時事通信、男性カメラマンを厳重注意 生配信中に「支持率下げてやる」発言

      時事通信、男性カメラマンを厳重注意 生配信中に「支持率下げてやる」発言

      時事通信社は10月9日、自民党本部での取材中に「支持率下げてやる」などと発言した本社映像センター写真部の男性カメラマンを厳重注意したと発表し…
    4. 「ちいかわの世界に行きたい」ファン、考えた末に鎧さん化 再現度がガチすぎた

      「ちいかわの世界に行きたい」ファン、考えた末に鎧さん化 再現度がガチすぎた

      言わずと知れた人気コンテンツ「ちいかわ」。かわいくもハードなあの作品世界に入っていきたいと願う人は多いはず。筆者もその1人です。しかし二頭身…
    5. ネカフェの個室に不気味なトランプが……Xユーザーの“恐怖体験”に17万いいね

      ネカフェの個室に不気味なトランプが……Xユーザーの“恐怖体験”に17万いいね

      キーボードに差し込まれたトランプのジョーカーと、その裏に書かれた「げぇむすたあと」の文字。Xユーザーの「たーけ」さんが、たまたま入ったネット…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト