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「取り組みの必要性は依然高い」 住友生命、第19回子育てプロジェクトで12団体・10人を表彰

 住友生命保険相互会社が主催する「未来を強くする子育てプロジェクト」の表彰式が2月25日、都内で開催されました。

 少子化や子育てを取り巻く環境が厳しさを増す中、19回目を迎えた同プロジェクトでは、子育て支援に取り組む12団体と、子育てと研究を両立する人文・社会科学分野の女性研究者10人が表彰されました。

  • ■ 19回目迎えた子育て支援プロジェクト、民間の継続的取り組みの意義示す

     2007年に100周年を迎えた住友生命の記念事業として始まった「未来を強くする子育てプロジェクト」。これまでの18回で、子育て支援活動206件、女性研究者181人を支援してきた実績があります。

    第19回「未来を強くする子育てプロジェクト」

     19回目となる今年度は、子育て支援活動団体・個人225組、女性研究者135人から応募があり、選考委員会による審査を経て受賞者が決まりました。

     式典の冒頭、住友生命の高田幸徳社長があいさつに立ち、19回目を迎えてなお、同プロジェクトのような取り組みの必要性は依然として高いとの認識を示しました。そのうえで、現場で工夫を重ねる支援団体の活動や、困難を抱えながら研究を続ける女性研究者の姿勢に敬意を表しました。

    高田幸徳社長

     来賓として出席したこども家庭庁長官官房審議官の竹林悟史氏は、「こどもまんなか社会」の実現を掲げる同庁の立場から、プロジェクトの意義を強調。特に、若者の居場所づくりが十分とはいえない現状に触れ、地域で子どもや若者を支える受賞団体の取り組みに謝意を示しました。

     文部科学省の大臣官房審議官・橋爪淳氏は、同省として「地域の人々のさまざまな活動の活性化」や「団体間の連携協働」を重要なテーマとして議論しているとし、受賞団体の活動がさらに広がり、深まるよう後押ししていく考えを述べました。

     選考委員長を務めた汐見稔幸氏は、選考委員を代表して「子育て支援活動」と「女性研究者への支援」の双方を講評しました。

    汐見稔幸氏

     「子育て支援活動」については、子どもの成長には学校での勉強以外にも、“地域”を通じてさまざまな社会・文化・人と関わりながら育っていくことが大切だと指摘。しかし現代はそれが叶いにくい社会になりつつあるといいます。

     そうした状況の中で今回の受賞団体の活動が、多様性を持つことにより、現代風の“地域づくり”へシフトしていっていることが、審査をするうえで強く印象に残ったと語りました。

     「女性研究者の支援」については、受賞者らが男性の目からは見えないテーマ、特に「暮らし」に注目していることが印象に残ったとコメント。女性研究者たちが掲げたテーマが、従来の学問体系では十分に光が当たってこなかった領域に新たな視座を提示していると評価しました。

     そして住友生命による継続的な支援は、「学問全体の発展ということから見てもとても大事な意味を持っている」との見解を示し、総評を締めくくりました。

    ■ 「スミセイ未来大賞」など各賞決定 制度のはざまや教育格差に向き合う活動を評価

     今年の「スミセイ未来大賞」では、「特定非営利活動法人 こどもソーシャルワークセンター」が内閣府特命担当大臣賞を受賞。制度のはざまで支援が行き届きにくい、いわゆるグレーゾーンに置かれた子どもたちに寄り添う実践が高く評価されました。

    「特定非営利活動法人 こどもソーシャルワークセンター」の幸重忠孝氏

     文部科学大臣賞には、国内5か所で対面とオンラインの双方に対応した学習支援を展開する「特定非営利活動法人維新隊ユネスコクラブ」が選ばれました。

    「特定非営利活動法人 維新隊ユネスコクラブ」の濱松敏廣氏

     このほか「スミセイ未来賞」には、病気や障がいのある子どもが体験イベントに参加できる環境整備を進める「特定非営利活動法人AYA」、全国のスペイン語圏コミュニティを支援する「一般社団法人ひょうごラテンコミュニティ」、飲食店と連携して子ども食堂の開催を後押しする「一般社団法人ロングスプーン協会」など計10団体が選ばれました。

    「スミセイ未来賞」は10団体が受賞

     「スミセイ女性研究者奨励賞」には、「市井のオーラルヒストリー―名もなき熊本・荒尾の革命支援者たち―」を研究テーマとする坂井華海氏や、「セクシャルマイノリティ女性による家族形成と家族実践」に取り組む山田夏子氏ら10人が名を連ねました。

    「スミセイ女性研究者奨励賞」は10名が受賞

    ■ 受賞者代表が思い語る 研究と子育ての両立支える支援の重み

     表彰後、受賞者を代表して登壇した坂井氏は、妊娠・出産を経て研究との両立に悩んだ経験を振り返り、今回の受賞が大きな励みになったと語りました。「私たちの歩みが、同じように悩み、知の探究に携わるすべての方への応援となればと願っております」と述べ、研究と子育ての両立に取り組む研究者へのエールを送りました。

    坂井華海氏

     また、人文・社会科学はしばしば「役に立たない」と評されることもあるとしたうえで、「物事を多角的に理解し、社会の複雑さに向き合うためには不可欠な知の営み」と強調。受賞の喜びとともに、学問の意義を改めて社会に問いかける場ともなりました。

    取材協力:住友生命保険相互会社主催 第19回「未来を強くする子育てプロジェクト」

    (ヨシクラミク)

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