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【9/1防災の日】被災しながらも支援者として活動する、能登の医師が考える「今後の災害への防災」

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認定NPO法人ジャパンハート
9/14-15 能登町で初の「おしゃべり喫茶」も開催決定



[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/12298/327/12298-327-454fc73f3c95fe29984603d9c41d4fbc-1024x768.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


 日本発祥の国際医療NGOである(認定)特定非営利活動法人ジャパンハート(東京都台東区 理事長:吉岡春菜 以下ジャパンハート)は、9月1日の「防災の日」に伴う防災啓発として、能登半島地震において被災者でありながら地元医療者として共に当団体の支援活動に取り組む瀬島照弘医師への取材コメントを公開いたします。

 また、9月14日と15日には、ジャパンハートが能登半島地震に対する中長期支援として取り組んでいる「おしゃべり喫茶」を能登町で初めて開催します。

 本企画は、仮設住宅で暮らす住民同士が交流機会を失い孤立してしまうケースが増加していることを受け、「おしゃべり喫茶」と題して仮設住宅の入居者を中心に地域住民の方が自由に話せる場として開催しています。発災後から景色が変わらない現状や孤立しやすい環境もあり、災害関連死が危ぶまれています。そんな中、本企画は精神面でもリフレッシュする機会にすると同時に、災害関連死につながる可能性のある孤立や健康状況など、多種多様なリスクの早期発見を目指します。

 なお、ジャパンハートの令和6年能登半島地震支援においては、4月20日までに、輪島市、珠洲市、能登町、七尾市の計8カ所の避難所・診療所に看護師常駐支援を行ったほか、輪島市門前地区では医師・看護師による15カ所以上の避難所巡回診療を実施。フェーズが変わり多くの医療支援チームが2月末には撤収していくなか、4月20日まで医療を越えて安心を届けるため地域に寄り添う支援を継続しました。

 この度、ジャパンハートが福祉避難所で活動を共にした能登町にある小木クリニック院長の瀬島照弘医師に、令和6年能登半島地震を受け自らも被災者でありながら地域の医療者として避難所支援などにあたられた経験から、「今後の災害において取り組むべき防災について」コメントをいただきました。

【コメント:小木クリニック 院長 瀬島照弘医師】
 私は令和6年能登半島地震における被災者であり、医療従事者として支援活動にあたった支援者であると同時に支援を求める救援者、そして受援者でもあります。私は1月1日に小木中学校避難所に救護所を設け、医療支援活動を開始しました。今回の災害は、医療救護活動の時間軸に沿ったフェーズで想定される状況と現実が乖離していました。例えば、発災後3カ月程度経過すると「通常診療がほぼ回復している」と言われていますが、実際は8カ月経つ今でも元の状態に戻ったとは到底言えない状況です。
 今後起こり得る災害に向け、災害支援に入られる方にお伝えしたいのが「勾配」(※1)という考え方です。勾配とは「立場の違い」「思想・感情、色」「情報の差」などから支援者間でのトラブルが発生する、また実際の被災状況によって被災者間で順列をつけてしまい、例えば要介護者に対して差別的な態度をとってしまうといったものです。こういった勾配は情報共有や連携によって防ぐことができるのではないかと考えています。特に、マンパワーが不足する災害支援現場では多職種連携が重要です。災害弱者をいかに守ることができるか、それは支援者間での連携強化で補っていけると考えています。こういった状況下で、支援者として大切なのは自身が「よそ者」であるという自覚を強く持つことです。この「よそ者」というのは決して否定的な意味ではありません。「よそ者」だからこそ安心して苦悩を語ることができる場合もあります。これこそが被災した人々との緊張に満ちた「あいだ」を和らげる鍵だと思います。
 災害関連死を1人でも減らせるように私も能登の地で活動を続けていきたいと思います。皆さんも防災の日を機に改めて能登の今を知っていただき、平時からの備えを行っていただけたらと思います。そして支援者の方には、長期的で継続した被災者との伴走支援をぜひお願いしたいです。ジャパンハートにも、中長期的に伴走いただけるような支援を引き続きお願いしたいと思っています。

※1:今尾 真弓(2016).質的心理学フォーラム Vol. 8特集論文 『災害支援の困難を超えること―被災地でのスクールカウンセリング活動を通して―』

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