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【イベントレポート】社会起業家支援プログラム『COM-PJ』 6期生13名 最終発表に登壇 @BEYOND2025

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京都リサーチパーク(KRP)
社会課題解決に挑む若き起業家たち。彼らの優しさが社会に接続する最終ピッチをレポート



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2025年10月3日(金)・4日(土)、BEYOND実行委員会(株式会社taliki/京都市/京都リサーチパーク株式会社)が主催するイベント「BEYOND2025」が京都リサーチパークで開催されました。本記事では、10月4日(土)に4号館バズホールにて開催された「COM-PJ(コンプロジェクト)」参加者によるファイナルピッチの様子をレポートします。

●BEYOND2025とは?
社会課題解決に取り組むプレイヤーを支援する株式会社talikiが、2018年にスタートしたソーシャルカンファレンス「BEYOND」。9回目を迎える今年は、株式会社taliki、京都市、京都リサーチパーク株式会社による実行委員会のもとで開催されました。

BEYONDは、立場・所属・年齢・人種・性別・限界といったあらゆる境界線を飛び越え、社会に新しい価値を共に提案する場として、社会起業家をはじめとした、非営利団体・投資家・民間企業・行政・学生などが、次の未来について共に考えていくことを目指しています。

今年のテーマは、「再分配のはじまり」。「再分配」とは、単なる慈善や施しではなく、社会の土台そのものをつくり変えていく営みです。BEYOND2025は、それぞれの立場や強みを持ち寄り、分断された社会を再びつなぎ、新たな価値の共創に挑む場を目指しました。

【BEYOND2025 Webサイト】
https://beyondtaliki.info/

●社会起業家支援プログラム「COM-PJ」とは?
「COM-PJ(コンプロジェクト)」は、社会起業家支援を行う株式会社talikiと京都リサーチパーク株式会社が共催する、社会課題の解決を目指し起業したい全国の30才以下の方(創業2年未満、起業準備中など)を対象とした、3ヶ月の支援プログラムです。ビジネス化が難しいと言われる社会課題領域に特化したプログラムを提供し、起業家の事業成長をサポートします。

●社会起業家支援プログラム「COM-PJ」社会起業家によるピッチイベント
「COM-PJ」の最終ピッチ大会には13名が登壇。3ヶ月のプログラムの中で、メンター・アドバイザー・仲間たちと共に事業のブラッシュアップを行ってきた、その集大成となるピッチを披露します。

今回は、VCや審査員の方に事業のアドバイスや支援を求める「スタートアップピッチ」と、オーディエンスに対して共創のきっかけを求め、仲間探しを行う「オーディエンスピッチ」の二部制で実施しました。
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審査員は、第一線で活躍するこちらの方々が務めました。
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それでは、今回の5つの賞に輝いたピッチを披露した皆さんをご紹介します。

●KRP賞
株式会社Nocnum 代表取締役 大森美紀さん
「小規模で始められる!排水からのリン資源循環『EcoPhos』」

KRPのミッションである「京都からの新ビジネス・新産業の創出に貢献する」に絡め、新ビジネスとしての今後の成長を期待する方に授与されるKRP賞を受賞したのは、大森美紀さん。副賞として、金券+KRP地区内のインキュベーション施設6ヶ月無償利用権が授与されました。
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ユニセフの調査によると、不衛生な水を原因とする疾患で死亡する子どもの数は、年間180万人にも及びます。水と衛生の問題に取り組み、特に南アジアと東南アジアに注目して現地で調査・研究を行ってきた大森さんは、排水処理がコストとして捉えられているため、問題解決が進んでいないと指摘します。そこで考えたのが、排水処理を「衛生のための支出」ではなく「利益を生み出す投資」に変えるという発想です。排水に含まれるリンなどの栄養分を適切に処理することで、肥料として資源化するシステム「EcoPhos(エコフォス)」を開発。小型設備で、専門家がいなくても使用できるこのシステムを導入すれば、例えば食品工場の場合、排水処理費を約2分の1に削減でき、年間400~2200万の価値創出につながると話す大森さん。今後多くの工場で実証実験を行い、資源循環を実現していくことで、水と衛生の問題の解決を目指しています。
株式会社Nocnum
https://nocnum.com/

●京都市長賞
神戸大学起業部 Plastruclub 代表 森下日菜子さん
「ミライのブカツモデル ~100年後も続く、新たなブカツの仕組みをつくる。~」

地域や社会にインパクトを生み出すことが期待できる方に授与される京都市長賞を受賞したのは、森下日菜子さん。副賞として、京都高度技術研究所が運営する起業家支援のためのシェアオフィス「STC3」のデイタイム会員権、最長6ヶ月分が授与されました。
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森下さんは、学校部活動の地域移行に伴う課題を解決する「ミライのブカツモデル」を提案しました。教員の長時間労働問題を背景に、全国で部活動の地域移行が進められていますが、担い手となる地域クラブが不足しているのが現状です。これに対して森下さんは、競技経験のある大学生が平日の放課後の部活指導を担うことを提案。保護者のニーズに応じた適切な価格設定を実現するべく、部活関連の用具やサービスのマーケットプレイスを確立し、新しい収入源も確保します。このビジネスモデルで「持続可能なブカツ」の実現を目指している森下さん。2024年度には神戸市で実証事業を行っており、2025年12月からは兵庫県三田市の全中学校の吹奏楽部で先行実施を開始します。2026年9月からは神戸市の部活動終了と同時に事業を展開し、2027年度以降は全国展開を予定しています。

●審査員賞
株式会社root64 代表取締役 谷口佳穂さん
「採用SNS運用に特化したサテライトオフィス型障がい者雇用サービス『MEDIAVOLT』~雇用義務→成長エンジンへ~」

審査員の評価点数が合計で最も高得点だった方に付与される審査員賞(前半のスタートアップピッチのみが審査対象)を受賞したのは、谷口佳穂さん。副賞として賞金が授与されました。
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日本の障害者、約1165万人のうち、就労しているのは68万人程度という現状を指摘する谷口さん。「この1000万人の人たちも必ず会社の戦力になると確信している」と語ります。谷口さんが代表を務める株式会社root64では、障害者の方たちとプロマーケターがチームを組み、SNS運用を行っています。業務のマニュアル化やAIプロンプトの開発、環境整備により、業務習得まで3週間、定着率100%を実現しています。このノウハウを生かし、障害者人材を企業に紹介し、SNS運用と雇用継続サポートを行うサービス「MEDIAVOLT(メディアヴォルト)」を新たに展開。企業の法定雇用率の達成だけでなく、採用力強化にも貢献しています。事業1年目である今期は1億円の売上を見込んでおり、5年で50億円を目指すと宣言する谷口さん。最後に、障害者の方たちが実際に働く様子を動画で紹介し、障害者雇用が企業の戦力となる社会をつくるというビジョンを示しました。

●COM-PJ賞
フリーランス 安東和羽さん
「子育てにエールを届ける『aile(エール)』」

COM-PJのプログラム3原則に掲げられている「giverであろう、妥協しない、素直に頼ろう」を体現した方に授与されるCOM-PJ賞を受賞したのは、安東和羽さん。副賞として賞金が授与されました。
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20歳で家庭を持った安東さん。諦めるのが嫌いだった自分が、母親になり、多くのことを諦めざるを得なかったと話します。また、子育て経験者にアンケート調査を行ったところ、91.2%が「子育てを理由に何かを諦めたことがある」と回答したそうです。この問題を解決するために、多くの子育て支援サービスが存在しているのに利用率が低い現状を変えたいと考えた安東さんは、プラットフォーム「aile(エール)」を開発しました。友人や家族から子育て中の親に、支援サービスを体験型ギフトとして贈る仕組みを構築。親がサービスを利用するきっかけをつくり、「頼ってよかった」という成功体験から、その後は自ら利用できるようになるという設計です。「離れていても子育てにエールを送る文化をつくり、『社会で子育て』を再構築したい。私たちの世代から変えていきたい」と安東さんは力強く語りました。

●オーディエンス賞
神戸大学起業部 SkinNotes 北野まどかさん
「アトピー性皮膚炎の小学生向け かゆみを抑える緑茶染めインナーシャツ開発事業」

最終投票の中で最も投票数が多かった方に授与されるオーディエンス賞(後半のオーディエンスピッチのみが審査対象)を受賞したのは、北野まどかさん。副賞として賞金が授与されました。
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自身も20年近くアトピー性皮膚炎の症状に苦しんできた北野さんは、かゆみを抑えるインナーシャツの開発に取り組んでいます。アトピー患者1000人を対象にしたアンケートでは、10人に9人がかゆみに悩んでいると回答。特に小学生は「薬を塗るのが面倒」「薬がベタベタして不快」といった声が多く、かゆみを我慢できずに患部を掻いてしまうという課題があります。その解決策として北野さんが提案するのが、かゆみ悪化の原因である黄色ブドウ球菌を減少させる、緑茶染めインナーシャツです。緑茶染め繊維は、18時間後に黄色ブドウ球菌を99.9%減少させることが抗菌試験で確認されています。薬や保湿剤を塗るのが面倒で続かなかった子どもも、インナーを着るだけで手軽にケアができるのです。北野さんはこのプロダクトを通じて、アトピーの症状に悩む人を1人でも減らし、アトピー患者が明るく前向きに生きられる社会を目指しています。

SkinNotes
https://skin-notes.com/

ここからは、惜しくも受賞には至らずとも、素晴らしいピッチを披露したCOM-PJ参加者の皆さんの発表についてご紹介します。

●合同会社ReeveSupport 代表 三澤由佳さん
「高齢者・障がい者の移動課題解決 ~ケアモビリティー×テクノロジーの可能性~」
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看護師や保健師として働いた経験を持つ三澤さんは、高齢者や障害者の方やその家族から移動の悩みを直接聞く中で、課題を解決しようと、介護タクシー配車アプリ「のれるんです」を開発しました。全国200の事業者と連携し、車椅子利用者などが介護タクシーを簡単に予約できるサービスを提供しています。通院だけでなく、買い物や旅行などさまざまな外出目的に活用されており、車椅子の方だけでなく、障害を持つお子さんを持つ方や認知機能が低下している方、精神障害を抱えた方も利用できます。「誰でも自由に外出できる未来」を目指して、三澤さんも自ら介護タクシードライバーを担い、現場に寄り添ったサービスづくりに取り組んでいます。

介護タクシー配車アプリ「のれるんです」WEBサイト
https://www.reeve.jp/

●株式会社クリエスタ 代表取締役CEO 青山晃広さん
「はなまるチャレンジ 『おばあちゃん・おじいちゃん』が『生きがい』を取り戻すための挑戦。」
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全国で400万人の高齢者が孤独を抱えており、孤独には1日15本のタバコを吸うのと同等の健康リスクがある。ピッチ冒頭でこのデータを示した青山さんは、多くの高齢者が友人や社会とのつながりを失っていると訴えます。この課題を解決するため、青山さんが提案する「はなまるチャレンジ」は、タブレットを使って高齢者に簡単な挑戦や交流の機会を提供し、社会とのつながりを回復させるサービスです。タッチ不要で声での操作が中心となる設計で、タブレットに不慣れな高齢者でも使いやすいように工夫されています。現在はプロトタイプを開発してユーザーテストを行っており、今後は自治体との実証実験を経て全国展開を目指しています。青山さんはこの事業を通して、日本中の「おばあちゃん」「おじいちゃん」、そしていずれ歳を重ねる自分たちの未来を守りたいと語りました。

株式会社クリエスタ
https://creasta.net/

●橋本貴範さん
「プレケア 家族を『つなぐ』予防ケア」
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自身の父親が70歳で孤独死した経験から、家族間でコミュニケーションを取って情報を共有することの重要性を痛感した橋本さん。周囲にヒアリングを行ったところ、家族間での情報の把握や共有、状況への対応ができていない家庭が多く、自分の家族だけの問題ではなかったと気づきます。そこで考えたのが、「専門家の力を借りて家族会議を開催する」というアイデア。橋本さんが提供するサービス「プレケア」は、看護師が高齢者の自宅を訪問して、身体状態や生活環境、精神状態などを観察し、オンラインでの家族会議を通じて、必要な医療や支援についてアドバイスを行います。このサービスで家族会議のあり方を変え、家族間のコミュニケーションを改善することで、孤独死を防ぎたいと橋本さんは宣言しました。

●株式会社L7 Co-Founder CEO 村山誉主矢さん
「やさしさが循環する社会へ 新しい家庭サポートサービス」
[画像15: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/30270/293/30270-293-7cbe48c3497bf8e874cc60f952156cbb-1348x1800.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


イスラエルで生まれ、日本で育った村山さんは、イスラエルの企業で働いているときにガザ紛争に直面。その経験を経て、自分の中に芽生えた「偉大なゼブラ企業を作り上げ、社会に貢献したい」という思いのもと、2025年6月に起業しました。現在の主な事業である清掃業を通じて、高齢の方たちの住まいを訪れる中で、高齢者の社会的孤立問題の深刻さを実感。その解決策として、家事代行サービス「おとなりさん」を立ち上げました。日常の家事だけではなく、外出・移動のサポート、見守り・話し相手、デジタルサポートなど、より良い生活をつくるための多様なサービスを提供。教会、寺院、自治会といった地域コミュニティを起点に事業を拡大し、日本各地に展開しようと考えています。

株式会社L7
https://www.lnana.jp/

●妊婦向けサービス開発団体 Milda Ponto 代表 中村有希さん
「妊婦見守りアプリ Lumo Mama:) どこに住んでも妊婦が安心・安全に出産できる社会を目指す」
[画像16: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/30270/293/30270-293-fb5f2398e2452bdccbddcca77dbda05c-1348x1800.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


産婦人科の看護師として200名以上の妊婦をサポートしてきた中村さん。出血があったのに自己判断して受診せず、切迫早産してしまうケースなどに直面し、そんな妊婦を救いたいという思いで起業を決意しました。妊婦と医師が適切なコミュニケーションを取れていないことが、医療介入が遅れる原因ではないかと、中村さんは指摘します。そしてその背景には、産婦人科医の減少、医療現場のひっ迫があります。この問題を解決するために開発したのが、妊婦見守りアプリ「Lumo Mama:)(ルモママ)」です。妊婦が日々の健康状態をアプリに入力し、危険な体調変化があればアラートで通知。必要に応じて産婦人科に共有できる仕組みになっています。中村さんはこのアプリを通じて妊婦と医療機関をつなぎ、妊婦がどこに住んでも安心・安全に出産できる社会を目指しています。

●TeMicca!(テミッカ!)代表 社会福祉士・保育士 ふじいのぞみさん
「まちとこどもの共育プロジェクト「TeMicca!(テミッカ!)」
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日本の子どもの9人に1人が貧困状態にあり、世帯年収による体験格差は約3倍。このデータを示し、「夢を諦めてしまう子どもたちを何とかしたい」と話すふじいさんが立ち上げたのが、共育プロジェクト「TeMicca!(テミッカ!)」です。地元企業の協力を得て、子どもたちの居場所づくりやキャリア教育、ワークショップを無償で届けています。子どもたちに多様な大人との出会いを提供すると同時に、企業の若手社員がやりがいを感じる機会も作り出しているのです。2026年1月から大阪市西区でモデルケースとして実施し、その後は全国7000ヶ所以上の子ども食堂との連携による展開を予定しています。ふじいさんは社会福祉協議会で10年以上まちづくりに携わってきた経験を生かし、このプロジェクトで地域活性化に貢献したいと宣言しました。

●フリーランス 横矢あゆねさん
「人材開発concierge 企業の事業成長のために必要な人材育成・ケアの方法をマッチング推進するサービス」
[画像18: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/30270/293/30270-293-c222045b4437b76785b9f0add4865427-1348x1800.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


メンタルヘルスのサービスはたくさんあるのに、必要とする人に届いていない。なぜなら、困っている人自身が自分に合った適切なサービスを選ぶのは難しいから。そんな現状を指摘する横矢さんは、課題を解決するため、「メンタルヘルスの仲介役」を目指して事業を立ち上げました。特に急成長している中小企業に焦点を当て、「人材開発concierge(コンシェルジュ)」のサービスを提供。まずアセスメントによって課題を洗い出し、その企業の事業成長にとって必要な人材育成やケアの方法をAIでマッチング、さらに推進までサポートします。横矢さんはピッチの最後に、自身がメンタル不調に陥った経験を振り返り、「人に向き合う組織を増やし、一生懸命な人が救われる世の中にしたい」と訴えました。

●Hazama 代表 遠矢勇輝さん
「『自分にあった学び方』の構築で発達障がいグレーゾーン児童生徒の学習を変革する」
[画像19: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/30270/293/30270-293-556e65f97b51f039531deb0b58bf12da-1348x1800.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


文部科学省の調査によると、通常の学級に在籍する小中学生のうち、発達障害の可能性がある児童生徒は8.8%。35人学級で約3~4人はいると推定されています。自身の妹も発達障害グレーゾーンの当事者だという遠矢さん。本人も保護者も先生も「特性に合った学び方」を把握できていないという課題を解決するため、学習アセスメントツール「MICHIBIKI(ミチビキ)」のβ版を開発中です。toCモデルとして学習塾「MICHIBIKIゼミ」の運営も行いながら、学校や自治体へのアセスメント導入や指導員派遣といったtoGモデルの展開も目指しています。さらに遠矢さんは、グレーゾーンの子どもたちだけでなく、「全ての人、一人ひとりにあった学び方・働き方をつくることで社会へのインパクトを生み出したい」と宣言しました。
3ヶ月にわたり、共に高め合いながら磨き上げた、13名の社会起業家たちのピッチ。ときには壇上で涙ぐみ、声を詰まらせる姿も見られ、社会課題を何とかして解決したいという並ならぬ情熱が伝わってきました。一人ひとりの優しさから生まれた事業の種がブラッシュアップされ、社会に接続される瞬間を見届けることができ、彼らの今後のさらなる活躍に期待が膨らみます。

社会起業家支援プログラム「COM-PJ」は、来年度も第7期の開催を計画しています。社会課題解決に取り組むプレイヤーとしての活動に興味を持った方は、ぜひご参加ください。

写真撮影:逢坂憲吾写真事務所
執筆:藤原朋
編集:北川由依(株式会社ツナグム)

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