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リリースプラス

生産施設・研修施設・庁舎を対象とした省エネ建築物の“知的生産性”“人材育成・定着効果”等の付加価値を算出

update:
株式会社NTTファシリティーズ
【NEBsリリース第8弾】 生産施設・研修施設向け省エネ建築物の新評価指標を策定、公共施設では既発表指標を用いた算定を実施



株式会社NTTファシリティーズ(代表取締役社長:川口 晋、以下「NTTファシリティーズ」)は合同会社デロイト トーマツ(本社:東京都千代田区、代表執行役:木村 研一、以下「デロイト トーマツ」)と共同で、省エネ建築物の新築・改修による効果を総合的に定量評価する指標を開発し、エネルギー・光熱費削減以外の効果を「Non-Energy Benefits(NEBs [ネブズ])」と呼称、NEBs指標および定量化ロジックを2023年12月に発表(*1)しています。脱炭素の加速やエネルギーコストの高騰など、建築物を取り巻く社会課題への対応が求められる中、NEBsは省エネ・脱炭素ビルへの投資の意義を客観的に示す手法として期待されています。

こうしたNEBsの社会的価値をより広く浸透させるため、非住宅建築物のうち約13%(*2)に留まるオフィス用途に加え、働きやすい職場環境の整備や脱炭素化に向けた設備投資が求められる生産施設、人的資本経営の重要性が高まる中で学習環境の整備や人材育成の観点で価値が期待される研修施設を対象に、NEBs評価ロジックの開発・検証に取り組みました。また従来のオフィスビル版ロジックを用い、地域社会の活動や行政サービスを支える基盤となる公共施設(庁舎)においても、NEBsを用いた評価を実施しました。
評価の結果、光熱費削減効果(Energy-Benefit)のみの投資回収年数に比べ、NEBsを含めた投資回収年数は約1/2~1/7と推計されました。

これにより、オフィス以外の多様な建築物において、省エネ・脱炭素化がもたらす効果を定量的に示すことが可能となりました。今後も本指標の普及を通じて、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)等の省エネ建築物の新築・改修の投資判断を支援し、企業や自治体の保有資産の脱炭素化に貢献していきます。
今回作成・検証を行ったNEBs評価指標の範囲
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/134148/20/134148-20-8e74b1c34d68913f7bc782ef52d1053d-962x424.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


取り組みの詳細
1.生産施設版ロジックの作成
<背景と目的>
生産施設では、熱中症対策の義務化(2025年6月~)や、屋根置き太陽光発電の目標策定の義務化(2026年度)など、制度面での要請が高まりつつあります。加えて、脱炭素化に向けた設備投資の必要性や、働きやすい職場環境の整備による人材確保など、企業が取り組むべき課題は多様化しています。
こうした状況の中で、投資に対する効果を適切に評価することで生産施設におけるZEB水準での新築・改修を促進すべく、生産施設版NEBs算定ロジックの作成を行いました。

<生産施設版ロジックの考え方>
既存のオフィスビル版ロジックをもとに、生産施設を製造エリア、事務所・研究エリア、福利厚生エリアに分けてベネフィットを検討しました。例えば、製造エリアでは、空気環境改善(粉塵・オイルミスト対策等)や、熱中症対策による健康被害額の減少による効果が評価できるようロジックを作成しています。また、福利厚生エリアにおいては、リフレッシュによる効果等を追加しています。(事務所・研究エリアは、オフィスビルと同様のロジックを活用)

生産施設版ロジック(製造エリア、事務所・研究エリア、福利厚生エリアごと)の考え方
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/134148/20/134148-20-7da780f37ed7e4aef2e547eec0f251e8-987x824.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


<生産施設版ロジックでの算定結果>
今回、大手自動車メーカーの協力のもと、工場建屋(延床面積:約10,000平方メートル 、従業員数:約100人)の製造エリアを対象にNEBs効果額の算定・検証を行いました。当該施設ではオイルミストコレクター導入による作業環境の改善と、それに伴う空調機器の運用改善を計画しており、その他は標準的な設備機器を導入しています。算定の結果、EB(Energy-Benefit:光熱費削減効果)・NEBs効果額合計は約2,000万円/年、うちNEBs効果額は約1,030万円/年と推計されました。また、EBのみを考慮した場合と比較すると、NEBsを含めた評価では投資回収年数がおよそ1/2となる試算となりました。加えて、オフィス用途の場合と比べ、単位面積当たりの従業員数が少ないため、光熱費削減の比率が大きくなる点も特徴と言えます。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/134148/20/134148-20-d07acfe85a84e13c8af25356230c940f-780x541.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
生産施設(製造エリア/延床面積:約10,000平方メートル 、従業員数:約100人)における算定結果


2.研修施設版ロジックの作成
<背景と目的>
日本国内では近年、「人的資本経営」への関心が高まり、学びや成長を支える場としての教育・研修施設の重要性が増しています。本ロジックの開発・検証により、教育・研修施設の新築・改修におけるNEBsを明確に評価できるようになり、投資判断や施設運用の改善を支援することが可能となります。

<研修施設版ロジックの作成>
既存の自社所有の事務所ビルを対象とした12項目のNEBs指標をベースに、企業の教育・研修施設において発現するベネフィットを整理しました。また、それらのベネフィットを定量化するロジックを作成し、整理しました。

研修施設版ロジックの考え方
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/134148/20/134148-20-3a2b999894e615aa65d964c0328a3988-987x1031.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


<研修施設版ロジックを用いた算定結果(ダイダン八尾研修所)> 研修施設版ロジックを用いたNEBs効果額の算定は、ダイダン株式会社(本店:大阪市西区、代表取締役社長:山中康宏、以下「ダイダン」)が所有しているダイダン八尾研修所(延床面積:約1,300平方メートル 、年間利用人数:約180人)を対象に実施しました。ダイダンでは、「次世代の価値創造を目指すための人材育成(成長・学び)の場」をテーマに同研修所の改修プロジェクトを推進しており、NTTファシリティーズとダイダンが設計・施工を行い、2025年10月7日より改修工事に着手しています。(*3)
[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/134148/20/134148-20-6dea4acdc998cbed43e7cb78086e1862-2126x635.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
左:学びの場のイメージ  右:コミュニケーションの場のイメージ

算定の結果、EB・NEBs効果額は合計約1,300万円/年、うちNEBs効果額は約1,100万円/年と推計されました。
算定にあたっては、施設を保有するダイダンに対し対象施設に関するヒアリングを実施し、検証を行いました。
発現するNEBs効果のうち、「知的生産性の向上」と「人材確保・定着」の効果額が他項目と比較して大きく、教育・研修施設の特性上、研修受講者に発現する効果が特に顕著であることが確認されました。研修時の学習効率向上による通常業務時の生産性向上や、研修時の人脈形成・関係強化による離職率低下の効果に加え、研修時の人脈形成・関係強化による通常業務時のコミュニケーションコスト削減、研修施設の環境整備による採用力の強化(入社志望度の向上による採用コストの削減)等、教育・研修施設ならではのベネフィットが発現することが推定されました。
[画像6: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/134148/20/134148-20-1c6502e708f0fdf8522350ff4b4dd023-742x508.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
ダイダン八尾研修所(延床面積:約1,300平方メートル 、年間利用人数:約180人)における算定結果


3.公共施設(庁舎)でのNEBs算定・検証
<背景と目的>
公共施設については、地球温暖化対策推進法に基づく政府実行計画において、政府の施設について「今後予定する新築事業については原則ZEB Oriented相当以上とし、2030年度までに新築建築物の平均でZEB Ready相当となることを目指す」計画が示されています。また、2022年7月には全国知事会(脱炭素・地球温暖化対策本部)が「脱炭素・地球温暖化対策行動宣言」において、「都道府県が整備する新築建築物について、ZEB Ready相当(50%以上の省エネ)を目指す」と宣言するなど、公共施設においても脱炭素化の取り組みが強く求められています。
こうした状況を踏まえ、自治体が保有する公共施設においてNEBsを活用した意思決定ができるよう、既存のオフィスビル版NEBs算定ロジックを用いて、公共施設(庁舎)の評価検証を行いました。

<公共施設(庁舎)での算定・検証結果-オフィスビル版ロジックを活用>
今回、当社が省エネ改修を実施した地方自治体の協力のもと、実際の庁舎(延床面積:約36,000平方メートル 、従業員数:約1,500人)を対象に、NEBsの算定・検証を実施しました。対象庁舎では、主要設備の老朽化や災害時の業務継続性が課題となっており、改修に当たっては、災害時の業務継続性の確保、温室効果ガス排出量の約40%削減(2013年度比)、オフィス環境の改善による職員の働き方改革の推進や、建物利用者の利便性向上を図りました。職員へのアンケートやヒアリングを通じた検証の結果、EB・NEBs効果額は庁舎全体で合計約2億5,900万円/年、うちNEBs効果額は約2億2,100万円/年と推計されました。また、EBのみを考慮した場合と比較すると、NEBsを含めた評価では投資回収年数がおよそ1/7となる試算となりました。
知的生産性の向上や健康など、一般的なオフィスビルで見られるNEBsと同様の効果が庁舎においても発現したことが確認されました。これにより、庁舎における省エネ・脱炭素化の取り組みが、行政業務を支える環境整備や利用者にとっての利便性向上につながる可能性が定量的に示されたといえます。
[画像7: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/134148/20/134148-20-29b5c38738ca182ef4e05051bb6fea18-801x557.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
公共施設(庁舎/延床面積:約36,000平方メートル 、従業員数:約1,500人)における算定結果


今後の展望について
これらの取り組みにより、民間企業が保有するオフィスビルに加えて、研修施設、生産施設、公共施設(庁舎)でのNEBs効果額の算定が可能となりました。今後、より多くの建物においてNEBsの定量評価および効果検証を進め、知見の蓄積を図ってまいります。
また、評価対象とする建物用途をさらに拡大し、大学等の教育機関や商業施設においても評価が可能となるロジックの作成・検証を予定しています。建築物の省エネ化の普及促進するととともに、エネルギー削減に留まらない、地域社会における各種施設の多面的な価値創出に貢献してまいります。

*1:省エネ建築物の新築・改修に取り組むメリットを総合評価する12の指標を共同開発─「健康増進」「知的生産性向上」など、省エネ建築物の副次・間接・相乗的効果(NEBs)を定量化(2023年12月11日)
*2:国土交通省「平成30年 建築物ストック統計」および「平成30年 法人土地・建物基本調査」による
*3:「人づくりの拠点」ダイダン八尾研修所改修工事に着工(2025年10月21日)


本リリースは、NTTグループが展開するGXソリューションブランド「NTT G×Inno(エヌティティ ジーノ)」(※)と連携した取り組みです。
[画像8: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/134148/20/134148-20-91e94809c3d5dfc14c96d63ba2f47bb0-200x34.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


URL: https://group.ntt/jp/group/nttgxinno
※「NTT G×Inno」は、NTT 株式会社の登録商標です。
「NTT GX(Green Transformation)× Innovation」の略称であり、社会へのソリューション提供を通じて GX分野でInnovation(変革)をおこし、2050年カーボンニュートラルの実現に貢献していく取り組みです。

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