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【進む一人暮らしの手作り化、家族の省力化】家族世帯との比較で見る単身世帯の食生活実態

update:
株式会社ライフスケープマーケティング
~単身世帯の食生活を食MAP(R)にて調査(シングルスファクトブックリリースのお知らせ)~



日本の世帯構造はいま、見過ごせない転換点を迎えています。
社会保障・人口問題研究所によると、一般世帯に占める単身世帯の割合は2025年に初めて4割を超え、2050年には44.3%に達すると予測されています。この変化は静かに、しかし確実に、日本の食卓のあり方に影響を与えています。
そこで今回は、食卓市場で存在感を増す単身世帯の食生活に注目します。彼らは日々、何をどのように食べているのか――この変化を見逃しては、これからの「食」は語れないはずです。
【メニュー全体の38.5%が手作り】単身者の意外な手料理習慣

分析対象世帯:単身世帯・家族世帯, 分析期間:2025/1/1~2025/12/31, 食卓機会:三食計(朝昼夕計), 分析カテゴリ:主食、汁物、主菜、副菜、果物、菓子・デザート, 指数:加工度構成比(加工度:食卓に出現したメニューがどのような手段、加工品を用いて作られたのかを表す分類)

一般に単身者というと、「あまり手料理をしない」という先入観を持たれがちです。
図1は、2025年に単身世帯と家族世帯が食べたメニューを加工度別(メニューがどのような手段、加工品を使用して用意されたかを示す指標)に分類し、その構成比を示したものです。この結果より、単身世帯で食べられるメニューのうち、38.5%は手作りのものであることが分かります。
この手作りの割合(以下、手作り率)は、家族世帯と比較すればと確かに低く(-4.7pt)、単身世帯のほうが手料理の頻度が少ないというイメージ自体は、あながち間違いではありません。しかし、この「38.5%」という値を意外な高さであると感じた方もいるのではないでしょうか。
手作り定着の単身世帯、手作り離れの家族世帯
図2は、単身世帯・家族世帯それぞれの手作り率の推移を食シーン別に示したものです。朝食(左上)、夕食(左下)のグラフに注目してください。

分析対象世帯:単身世帯・家族世帯, 分析期間:2011/1/1~2025/12/31, 食卓機会:朝食・昼食・夕食, 分析カテゴリ:主食、汁物、主菜、副菜、果物、菓子・デザート, 指数:手作り率(食卓に出現したメニューのうち、「手作り」という手段で用意されたものの割合)

単身世帯を見ると、手作り率は朝夕食とも過去から少しずつ上昇しています。朝食は特にコロナ禍から伸び始め、夕食は直近15年間ほぼ一貫して上昇を続けています。
対する家族世帯は、朝夕食とも手作り率は緩やかに低下を続けています。中でも朝食での低下が目立ちます。
つまりこの15年間、手作りの習慣については単身世帯、家族世帯で真逆の変化が起きているのです。

ここまでの分析を振り返ります。
まず図1の結果より、家族世帯と比較した単身世帯の家庭内食の特徴は、以下の2点であるといえます。
- 手作りの機会が少ないこと
- 中食や簡便調理食品の利用が多いこと

一方で、図2に示すように単身世帯の内食には以下の変化が起きていることもまた事実です。
- 過去から現在まで手作り率が徐々に上昇している(家族世帯では低下中)

以上を踏まえると、「単身者は手作りをしないものである」と一括りに捉えてしまうと、単身世帯の食の実態を見誤る恐れがあります。今、単身世帯の食卓では従来のイメージだけでは把握しきれない変化が進んでいる可能性があるのです。

世帯別に見る夕食メニューと「手作り化」と「簡便化」の動き
次に、単身世帯では具体的にどのようなメニューが食べられているのかを見ていきます。

分析対象世帯:単身世帯・家族世帯, 分析期間:2015年・2025年(1-12月), 食卓機会:夕食, 分析カテゴリ:主食・汁物・主菜・副菜, 指数:手作り率(食卓に出現したメニューのうち、「手作り」という手段で用意されたものの割合)

図3は単身世帯と家族世帯における、2025年の夕食シーンでの出現上位20メニューの2025年と2015年の手作り率の変化を表しています。棒グラフが右に伸びているほど、10年前から手作りの割合が増えていることを意味します。

まず、左図の単身世帯から見ていきましょう。
単身世帯では、スパゲティーやラーメン、和風麺など、様々な麺メニューのランクインが目立ち、夕食の麺食の多さという食生活の特徴がうかがえます。中でも「ラーメン」、「スパゲティー」は10年前からそれぞれ7.3pt、6.3pt手作り率が上昇しており、手作り化が進んでいるとみられます。反対に、「和風麺」や「焼きそば」は手作り率が低下しており、手作り離れ、および便利な加工食品や惣菜の活用が進んでいると考えられます。
次に右図の家族世帯を見てみます。
家族世帯では、ランクインしたほとんどのメニューで手作り率が低下しています。主食やおかずというカテゴリにかかわらず、食卓に並ぶ定番メニュー全般が以前と比べて手作りされにくくなっている様子が見受けられます。

まとめると、単身世帯ではメニューによって「手作り化」と「簡便化」が同時に進んでいる一方、家族世帯では食生活全体で「簡便化」が進行しています。世帯構造の違いは、「どのメニューが、どのように調理されているのか」という点に、明確な差として表れているのです。
世帯の属性間に見られるこのような調理の傾向・トレンドをつかみ、それぞれに合った商品設計や提案をすることが、今後ますます重要になるといえそうです。

【好物・ごちそうは外食で!】単身者の外食メニュー傾向
ここまでは単身世帯の家庭内食について分析を行ってきました。最後に単身世帯の「外食」の実態に目を向けてみましょう。
食MAPでは単身世帯に限り、外食のメニュー情報を収集しています。単身者は外でどんなものを食べているのでしょうか。

分析対象世帯:単身世帯, 分析期間:2025/1/1~2025/12/31, 食卓機会:夕食(内食・外食), 分析カテゴリ:主食・汁物・主菜・副菜, 指数:TI値(1000食卓あたりの出現回数)

図4は、夕食シーンにおける単身世帯の外食時のメニュー傾向を示しています。表示しているメニューは2025年の外食TI値上位30メニューです。グラフは横軸に外食時のTI値、縦軸に内食時のTI値をとっており、赤い三角形内に位置するメニューは、内食よりも外食で特に出やすいメニューであると読むことができます。
これを見ると、単身者は外食時、「鶏の揚げ物」「野菜の揚げ物」「カツ」といった揚げ物系をよく食べていることが分かります。そのほか「焼き鳥・つくね焼き」、「刺身」といった居酒屋風のメニュー、「にぎり・手巻き」「ピザ」など、特別感のあるメニューの存在が目立ちます。図3で見た内食(手作り)シーンのメニューランキングと比べると、いわゆるガッツリ系やごちそう系、なおかつ比較的調理に手間がかかるメニューが多い印象を受けます。
外食傾向については家族世帯と比較できないため、これが単身世帯特有の特徴とまでは言い切れません。しかし今回の結果を見る限り、単身者は好きなものやちょっと特別なものは、家で作ったりテイクアウトしたりするのではなく、外食で楽しむという傾向があるようです。
~食MAP シングルスファクトブック リリースのお知らせ~
今回は単身世帯に焦点を当て、家族世帯との比較を通してその食生活の特徴を探りました。
分析の結果、単身世帯は家族世帯と一部で共通点が見られるものの、多くの点で独自の食行動や傾向を持っていることが明らかになりました。今後、単身世帯をどう捉え、どう向き合うかは、食品市場を考えるうえで重要なテーマのひとつになりそうです。

このような背景を受け、当社ではこうした単身世帯の食の実態をテーマ別に整理したレポート「シングルスファクトブック」を新たにリリースいたします。
ファクトブックは当社が発行する有償レポートで、365日の食行動を分析することで得られる生活課題や新たな潮流をまとめた食卓分析レポートです。
今回リリースする「シングルスファクトブック」には、本記事で触れた内容のほか、単身者の食生活を「ミニマル化する朝食」や「家飲み事情」、「節約志向とおいしさへの投資志向の両立」など、多角的かつユニークな視点から明らかにした分析結果が豊富に掲載されています。
マーケティングなどへのご活用の場合は有償にてご提供しておりますので、ご興味ある方は「お問い合わせフォーム」よりご連絡ください。





【転載・引用について】
転載・引用の際は下記出典を明記してください。
出典:株式会社ライフスケープマーケティング「食MAP(R)」
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【当調査に関するお問合せ先】
株式会社ライフスケープマーケティング
お問い合わせフォーム:https://www.lifescape-m.co.jp/inquiry/

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