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起立性調節障害、気づく前に「叱ってしまった」保護者は約7割

update:
一般社団法人 起立性調節障害改善協会
「怠け・甘え」と誤解されがちな実態と、診断後の接し方の変化を調査



朝、なかなか起きられない、体がだるい--。こうした症状から、周囲に「怠け」や「やる気の欠如」と誤解されやすいのが「起立性調節障害(OD)」です。不調の正体が病気であると気づく前、最も身近な存在である保護者でさえも、わが子を厳しく叱ってしまい、後に診断を受けて後悔の念を抱くケースは少なくありません。一般社団法人 起立性調節障害改善協会は、起立性調節障害と診断された(または疑いがある)子どもを持つ保護者126名を対象にアンケート調査を実施。その結果、約7割の保護者が診断前に「怠け」だと感じて叱った経験があること、そして病名が判明したことで接し方に大きな変化が生まれている実態が明らかになりました。

調査背景

起立性調節障害は、自律神経の乱れにより、起床時の立ちくらみや強い倦怠感、頭痛などが現れる身体疾患です。しかし、午後から夕方にかけて回復する傾向があるため、「夜更かしのせい」「甘え」といった精神論で片付けられやすく、適切な支援が遅れる一因となっています。 「なぜもっと早く気づけなかったのか」という保護者の苦悩を可視化し、家庭や学校において“不調の裏に隠れた病”への理解を深めていただくため、本調査を実施いたしました。

調査サマリー

- 診断前に「怠け・甘え」と感じて叱った(強く言った)経験がある保護者は68.2%
- 不調の原因を「気持ちの問題(29.4%)」や「生活リズムの乱れ(27.8%)」と考えていた層が半数以上
- 受診のきっかけは「朝起きられない(24.2%)」と「めまい等の不調(24.2%)」が同率
- 診断後、8割以上の保護者が接し方に変化。意識していることの1位は「体調の優先(25.3%)」

詳細データ

Q1. 起立性調節障害に気づく前、子どもの様子を「怠け・甘え」だと感じて叱った経験はありますか?



- ときどきあった:56.3%
- あまりなかった:23.8%
- よくあった:11.9%
- まったくなかった:8.0%

→ 「よくあった」「ときどきあった」を合わせると、約7割(68.2%)の保護者が叱った経験を持っていました。病気の特性が理解されるまで、親子間で摩擦が生じやすい現状がうかがえます。
Q2. 当時、子どもの不調をどのように受け止めていましたか?



- 怠けなど気持ちの問題だと思っていた:29.4%
- 生活リズムの乱れだと思っていた:27.8%
- 成長期によくあることだと思っていた:19.0%
- 学校に行きたくない理由があると思っていた:16.7%
- どう受け止めてよいか分からなかった:6.3%
- その他:0.8%

→ 「気持ちの問題」と受け止めていた層が多数を占める一方、「病気ではないか」と感じていた保護者は0名であり、多くの家庭で「本人の意識」や「生活習慣」の改善で解決しようと模索していた時期があったことがわかります。
Q3. 起立性調節障害に気づき、受診を考えたきっかけは何でしたか?



- 朝起きられない状態が続いた:24.2%
- めまいなどの不調を訴えはじめた:24.2%
- 学校を休みがちになった:21.0%
- 自分で調べ起立性調節障害の可能性を疑った:11.0%
- 医師や学校関係者に指摘された:10.0%
- その他:9.6%

→ 起きられないという生活態度の変化と並び、具体的な「身体的苦痛(めまい等)」の訴えが受診の強いフックとなっています。
Q4. 診断後、子どもへの接し方は変わりましたか?



- 少し変わった:53.2%
- 大きく変わった:29.4%
- あまり変わらなかった:11.9%
- ほとんど変わらなかった:5.6%

→ 計82.6%の保護者が「接し方が変わった」と回答。診断という客観的な事実が、保護者の意識を根本から変える重要なターニングポイントとなっています。
Q5. 現在、子どもへの対応として意識していることを教えてください



- 体調を優先するようにしている:25.3%
- 叱るより声かけを意識している:15.6%
- 睡眠環境や生活リズムを整えるよう配慮している:15.6%
- 無理に起こさないようにしている:12.5%
- 医療機関での治療や相談を受けている:12.1%
- その他:18.9%

→ かつては叱っていた場面でも、現在は「体調優先」や「肯定的な声かけ」へと対応をシフトさせ、回復を見守る姿勢に変化している様子がうかがえます。

調査結果のまとめ

今回の調査により、起立性調節障害を抱える家庭の多くが、診断を受けるまでの間に多かれ少なかれ「親子の衝突」を経験していることが浮き彫りになりました。不調の理由を「怠け」や「リズムの乱れ」と解釈していた時期があるからこそ、診断後の保護者は「もっと早く理解してあげたかった」という思いを強く持ち、結果として8割以上の家庭で接し方に変化が生まれています。 「叱る」ことから「見守り、寄り添う」ことへの転換には、周囲の正しい知識と早期の診断が不可欠です。

一般社団法人 起立性調節障害改善協会のコメント




起立性調節障害(OD)と診断されるまでの期間、保護者の方は「自分の育て方が悪いのか」「子どもが甘えているだけではないか」と、暗闇の中を歩くような不安の中にいます。つい厳しく叱ってしまうのは、保護者の方が真剣に子どもの将来を案じているからこそでしょう。大切なのは、自分を責めないことです。診断という「答え」が出た瞬間から、親子での向き合い方はリセットできます。今回の調査で多くの方が「体調優先」へと舵を切ったように、不調を身体のSOSとして受け止めることが回復への第一歩です。無理に起こすことよりも、まずは安心して休める環境作りと、「大丈夫だよ」という声かけを大切にしていただきたいと願っています。

調査概要

- 調査主体:一般社団法人 起立性調節障害改善協会
- 調査期間:2026年2月17日~2月27日
- 調査対象:起立性調節障害と診断された子どもを持つ保護者
- 調査方法:インターネットによるアンケート調査
- 有効回答数:126名

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