硬貨やメダルを入れてジャンケンをするアーケードゲーム「ジャンケンマン」。実は今年で発売開始から35年目になる由緒正しいレトロゲームです。「ジャンケンポン!」「フィーバー!」「ヤッピー!」というあの独特な音声を聴くと思い出す方も多いのでは。そんなジャンケンマンが先日カプセルトイになったのですが。さらにこれを実際にゲームとして遊べるまでに「魔改造」したものが、Twitterで話題になっています。
有限会社サンワイズから1985年に登場した「ジャンケンマン」シリーズ。筆者も幼少の頃はメダルを握りしめて近所のゲームセンターで遊んでおりました。毎度毎度ジャンケンマンに挑んでは、全く勝てずに「ズコッ」という響きとともに消えていくメダルを恨めしく見ていたものです。
バンダイのガシャポンとして2020年5月に登場した、カプセルトイ版「ジャンケンマンJP(ジャックポット)」(1回税込400円)は、1991年に登場したモデル。この1991年はJPのほかに、ジャンケンに勝つとカードが出てくるプライズゲームの「ジャンケン かったら あげる!!」も登場しています。
実際の商品画像を見てみると、これがまた本物そっくり!しかもボタンを押すと当時のあの音声が聴けるという素敵仕様で、思わず昔ゲームセンターで夢中になって遊んでいたあの頃がフラッシュバックするレベルです。ただし残念ながら。実際にジャンケンをするまでは出来ないそう。それでも十二分に満足な出来ではありますが、子どもの頃実際に楽しんでいた世代では、また「ジャンケンマン」で遊びたい!とジャンケンマン熱が再燃された方も多いのではないでしょうか。
そんな中、あるひとりの“元ジャンケンマンユーザー”が愛のある魔改造により、実際にジャンケンができる仕様にまで再現された“令和版ジャンケンマンJP”の様子がTwitter上でアップされ、大きな話題となっております。
ガシャポンサウンド ジャンケンマンJPを実際にジャンケン出来るように改造しました
機械割(ペイアウト率)は98%です pic.twitter.com/SOI0GyUYzV— noguo (@noguo_) June 29, 2020
投稿者であり製作者のnoguo_さんは「FAR EAST PINBALL」という、ピンボールやエレメカの製造を個人でされているクリエイター。ジャンケンマンがガシャポンになることを知ったのが事のきっかけだったそうです。しかしどうやってここまで精巧なものに仕上げられたんでしょうか?
「ちょうどお店で部品集めをしているときに、ジャンケンマンにハマりそうなディスプレイモジュールが売ってたんです。これがあれば、ジャンケンも出来るのでは?と思い立って製作しました」
そうサラリと答えたnoguo_さん。なんでもマイコンボード、ディスプレイ、サウンドモジュールの3つの基板を組み合わせれば出来るとのことですが、素人の私から見るとただただスゴイと驚嘆するばかり。実際にツイートでも、懐かしさ以上に再現度の高さに対する驚きの声が多く見られました。
そんなジャンケンマンですが、実はメーカーの有限会社サンワイズは残念ながら1998年に倒産してしまっています。それでも月日が経ってカプセルトイになっただけでなく、愛好家によって“令和版ジャンケンマン”として再現されるのは、それだけ多くの人に愛され記憶に残るゲームだったことがうかがえます。
ちなみに今回この“愛の魔改造”を施したnoguo_さんですが、オリジナルのアーケードゲーメグッズについては創作物の総合マーケットである「BOOTH」にて販売しており、また「FAR EAST PINBALL」のメイン事業であるピンボールの方では、テーブルトップサイズの本物と同じ仕組みで動くピンボールを鋭意製作中とのこと。こちらの動画もご紹介していただきましたが、これも凄く面白そう!“凄腕レトロゲームクリエイター”の次回作に乞うご期待ですね!
<記事化協力>
noguo_さん(@noguo_)
(向山純平)