製品のリコールや事故情報を発信している経済産業省の製品事故対策室が4月4日、公式X(旧Twitter)を通じて、カセットコンロの誤った使用方法に関する注意喚起を投稿しました。
投稿には、事故を再現した映像も添えられています。
映像では、2台のカセットコンロの上に大きなバーベキュー用の鉄板をまたがせて設置。着火から約17分後、鉄板の真下にあったカセットコンロのカセットボンベ設置部が突然爆発するという、衝撃的な内容です。
製品事故対策室はこの投稿を通じて、「取扱説明書をよく読み、正しく使いましょう!」と注意を促しています。
■ カセットコンロ事故、10年で91件
カセットコンロの誤使用による事故は、実は度々起きています。映像で紹介されたケースの他、1台のコンロでもガス台から大きくはみ出すサイズの鉄板やフライパンを使うことで同様の事故が発生しています。
この動画を作成した独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)が2024年12月に発表した報告によると、2014年度から2023年度の10年間でカセットコンロに関連する事故は91件。このうち、調査が完了した86件中、約4割(33件)が使用者の誤使用や不注意が要因と推定されています。
中でも多いのが、今回再現映像で紹介されたような「カセットボンベが異常に熱くなる使い方」。過熱によりカセットボンベが破裂し、死亡事故ややけどなどの重大な人的被害に発展したケースもあったとのことです。
■ NITEが提示する「3つの注意点」
こうした事故を未然に防ぐため、NITEでは以下の「3つのポイント」を示しています。
(1)カセットボンベを確実にセットする
無理に押し込まず、説明書の指示に従って取り付ける。(2)カセットコンロを正しく使用する
複数のコンロを並べたり、カセットボンベが異常に熱くなるような使い方は避ける。(3)カセットボンベの適切な保管
使用後はコンロから外し、40度未満の室内で保管。高温になる場所や熱源の近くには置かない。
■ 買い換え時期は「約10年」が目安
また、ガス石油機器や関連部品の製造・販売会社87社が加盟する一般社団法人日本ガス石油機器工業会では、カセットコンロの買い換え目安は「約10年」としています。
古くなったカセットコンロはガス漏れなどのリスクが高まるため、コンロ本体に貼られている製造年月日のシールを確認し、10年を目安に交換することが推奨されています。
これからお花見やバーベキュー、キャンプなど屋外での調理機会が増える季節を迎えます。カセットコンロは便利な一方で、使い方を誤ると命に関わる事故につながる危険な機器でもあります。今一度、取扱説明書を読み直し、安全な使用を心がけましょう。
外での調理に便利な #カセットこんろ。ですが、使い方を間違えると大変なことになっちゃうかも・・・😱 取扱説明書をよく読み、正しく使いましょう!#カセットボンベ の注意書きも、要チェックです✅#NITE #製品安全 pic.twitter.com/noQNBQubDX
— 【経済産業省】リコール・製品事故情報(製品事故対策室) (@kochijiko) April 4, 2025
<参考・引用>
経済産業省 製品事故対策室(@kochijiko)
独立行政法人製品評価技術基盤機構「NO MORE ボンベ破裂~約4割が誤使用・不注意 「カセットこんろの事故」を防ぐ3つのポイント~」
一般社団法人日本ガス石油機器工業会「カセットこんろとカセットボンベは経年劣化します」