小学館「週刊少年サンデー」で連載中の漫画「シテの花 -能楽師・葉賀琥太朗の咲き方-」の作者・壱原ちぐささんが11月18日18時、新たな投稿をXに公開し、前日に指摘した前担当編集者の業務不備をめぐる問題について、編集部との話し合いの中で得られた認識を説明した。
投稿は編集長の確認を得たうえで発信されたもので、読者に向けて認識の整理とお詫びが述べられている。
壱原さんは前日(11月17日)、自身のXで前担当編集者による度重なる校了遅延や連絡不備があったことを明かし、大きな反響を呼んだ。原稿を締切前に提出していても前担当者が締切翌日に入稿していたとし、こうした遅れから編集部側が「前半に掲載するにはリスクが高い締切を守れない作品」と認識した可能性に触れ、悔しさを吐露したもの。読者アンケートではで平均7位と評価を得ているにもかかわらず掲載順が後方となっていた状況や、セリフの無断変更など制作現場の混乱も示され、投稿は大きく拡散していた。
11月18日の投稿冒頭では、「昨日のポストは事前に嘘がない内容であると確認を得てから致しました」と説明。一方で、前日の投稿で示した「入稿」の表現について、用語の混同があったことを明かした。原稿を受け取ってすぐに行われる「入稿」と、編集部側で最終確認を行う「校了」は別作業であり、実際に遅れていたのは「校了作業」だったと説明。
また、現場では前担当の校了対応が遅く、セリフ変更の確認や注釈追加の漏れが度々発生していたことは事実としつつ、校了に本当に間に合わなかったケースは一度のみだったという。
こうしたことから、前日に不安を吐露した作品に対する編集部の見方について、「担当の推測も含むものであったことについて編集長からご説明いただき、理解した次第です」と述べ、認識の整理が進んでいることを示した。
前日の投稿が大きな反響を呼んだことについては「危機感を抱き逸った」と心境を吐露。続けて「それにより不安を広めてしまったことをお詫び申し上げます」と読者に謝意を示した。そのうえで、雑誌の掲載順は読者アンケートだけでなく複数の要素を考慮して決定されることを改めて伝えている。
編集部との話し合いでは、前担当編集者の業務不備やコミュニケーション不足が長期的に積み重なり、制作現場に影響を及ぼしていたことについて共通認識が得られたという。壱原さんは「正しい調査の前に発言してしまうことは暴力でしかない」として詳細な言及を控えつつも、当時は打ち合わせが成立しないことや心身の負担が重なり、追い詰められていた状況を示唆した。
現在は新しい担当編集者のもとで制作が進んでおり、前担当からの情報伝達の不備により生じていた認識のズレも編集部との直接の対話によって解消されたという。「直接お話しする機会をいただいたことに感謝申し上げます」とし、環境が整った現在は前向きに作品づくりに取り組めている心境を述べた。
壱原さんは「面白い作品を描くことが最大の仕事であり、最大の誠意」として、読者に向けて引き続きの応援を呼びかけた。前担当とのトラブルに端を発する一連の投稿は、制作現場の実情や編集体制への関心を高めているが、壱原さんは作品と読者を不安にさせないよう丁寧に状況を説明しつつ、創作への姿勢を改めて示している。
現在、編集長や新旧の担当編集さんたちと話し合いを重ねております
こちらのポストは編集長にもご確認いただいた上で行っていますまず、昨日のポストは事前に嘘がない内容であると確認を得てから致しました
しかし、…
— 壱原ちぐさ🌱シテの花 (@ichichigu) November 18, 2025
<参考・引用>
壱原ちぐささん公式X(@ichichigu)






































