
[概要]
杏林大学(東京都三鷹市)では、医学部循環器内科教室の副島京子教授と毛利崇人助教がカテーテルアブレーションを受ける患者を対象に、Apple Watchの装着により治療前後の運動耐容能や睡眠の質、生活の質(QOL)、心機能の変化などを観察する研究を開始しました。
[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/131431/27/131431-27-0e10737b6233dfff3d59259120fab15d-1560x2424.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
心房細動は最も頻度の高い不整脈で、放置すると脳梗塞や心不全、認知症につながります。そのため、早期発見、早期治療が重要です。今までの研究でApple Watchなどのウェアラブルデバイスを用いて早期に心房細動を発見することが非常に有効であることがわかっています。心房細動は心不全をきたしやすく、心不全の患者では心房細動の頻度が高く、合併頻度が高いことが知られています。心房細動の治療を早期に行うことで心臓の負荷を減らし、心不全の改善をはかります。心房細動の治療であるカテーテル焼灼術(カテーテルを用いて心房細動の原因となる肺静脈を電気的に隔離する)は薬物治療に比較して有効性が高く、当院でも多くの患者を治療しています。近年心房細動の治療に関して、アブレーションや抗不整脈薬など心臓の調律を整えるリズムコントロール、脈を落ち着けるレートコントロール、血栓を予防する抗凝固療法に加え、飲酒、喫煙に加えて日常の運動や睡眠などの生活習慣改善や合併疾患のコントロールが重要視されるようになりました。しかし、患者の日常生活を正確に把握して改善指導をすることは困難でした。
調査の参加者は Apple Watch Series 10 を使用しています。Apple Watchのヘルスケア機能は、多くのパワフルなセンサーとアプリケーションを利用して、運動、歩行速度、消費カロリー、睡眠状態を追跡するのに役立ちます。追加機能では、不規則な心拍リズム、高心拍数と低心拍数、低心機能、血中酸素濃度の測定も検出されます。心電図と心肺運動負荷検査は伝統的に医療機関で行われますが、ウェアラブルデバイスの測定値が結果と一致すれば、将来の心不全患者を管理する上で非常に重要です。
調査をサポートするために、Apple Inc.はiOS研究アプリの開発のためにApple Watchデバイスと研究アプリテンプレートへのアクセスを提供しました。Appleは調査研究の設計または実施に関与しておらず、研究データの収集、分析、または解釈にも関与していません。
※Apple Watchは、Apple Inc.の商標です。
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≪本件に関するお問合せ先≫
杏林大学 広報室
E-mail: koho@ks.kyorin-u.ac.jp
電話:0422-44-0611(広報室直通)
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