阪急文化財団が運営する逸翁(いつおう)美術館は、現在の阪急阪神東宝グループの創業者である小林 一三(こばやし いちぞう)(1873~1957)の雅号「逸翁」を冠し1957年に開館(2009年に現在地に移転)、逸翁が収集した5,500件の美術工芸品や約22,000枚の役者絵等の歌舞伎関連資料などをもとに、年数回の企画展を開催しています。
2026年度は、下記の四つの展覧会を開催します。
4~6月は、様々な文化芸術を謳歌した近代大阪の人々の生活シーンに即して日本画コレクションを紹介する「和モダン大阪」、7~8月は、歌舞伎では“敵役(かたきやく)”と称される様々な種類の悪役たちを掘り下げていく「KABUKI悪役づくし」、9~11月は、人々が生きる上で欠かせない、あるいは日常の楽しみとなっている“のむ”という行為を切り口とした「のむ―茶器と酒器と喫煙具―(仮)」、そして逸翁没後70年に当たる2027年1~3月には、著書に登場する文芸・美術作品をピックアップし、逸翁のライフタイムを追いかけるとともに、俳句との出会いや深まり、茶の湯の世界の広がりを見渡す「小林一三のART愛」です。
各展覧会におきましては、講演会や鑑賞講座などを予定しており、館内にある椅子式の茶室「即心庵(そくしんあん)」では呈茶を実施します。
皆様のご来館を心よりお待ち申し上げております。
なお、逸翁美術館では本日12月17日より12月21日まで、重要文化財「芦引絵(あしびきえ)」の修理事業の成果を皆様にご覧いただきたく、全巻を一堂に展示する特別公開(観覧無料)を開催しております。
こちらの方にも足をお運びいただければ幸いです。
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■2026展示II
「和モダン大阪 ─日本画コレクション」
2026年4月18日(土)~6月14日(日)
月曜日休館、ただし5月4日は開館、5月7日(木)休館
江戸時代から明治・大正・昭和へと続く都市の繁栄を背景に、モダン大阪の人々は様々な文化芸術を謳歌しました。近代建築が建ち並ぶ都会でビジネスにいそしむ人たちも、家に帰れば和服に着替え畳の座敷で和食をいただくのがもっぱらです。こうした和風の生活様式を基本とする人々にとって、やはり日本画は日々の生活の中で身近に愛された芸術でした。けれどもその絵画作品は、伝統を模倣することだけに飽き足らず、どこかひねりのあるモダンなセンスが愛されたように思われます。
本展では、小林一三が蒐集した日本画コレクションから作品を選び、当時の人たちが絵画を愛でた三つのシーンを再現してみました。その第一として、お座敷の床飾りに好まれた季節の風情を描く作品には、ご来客をおもてなしする優しい思いが知られます。そして第二に、詩歌などの文芸とともに楽しまれた文人画や俳画の作品には、文化を担った大阪人の心意気が覗われます。また第三には、茶会・宴会など人々が交遊する場を賑やかに盛り立てた作品からは、歓声や喝采が聞こえてくるようです。
こうした三つのシーンを通じて、近代大阪の人々が愛でた和モダンの世界を会場に現してみたいと思います。
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■2026展示III
「KABUKI悪役づくし」
2026年7月4日(土)~8月30日(日)
月曜日休館、ただし7月20日は開館、7月21日(火)休館
歌舞伎の役柄で「敵役(かたきやく)」とは悪役のこと。その敵役にはさまざまな種類があります。「実悪(じつあく)」とは、文字通り実に悪い役。公家など高貴な身分の「公家悪(くげあく)」。ゾクッとするような美しさで色気があるのは「色悪(いろあく)」。国を乗っ取るほどの大悪人は「国崩し(くにくずし)」。中には笑いを取る「ちゃり敵(がたき)」もいます。
悪役たちを並べてみると、舞台に登場しただけで一目で「ワル」とわかる扮装の特徴も見えてきます。一見ワルそうなのに、ストーリーが進むと、性根は情の深い善人だったという役との違いも探してみましょう。
ヒーローに敵対する脇役だけでなく、主役にもなる悪役たち。残虐、冷酷、無情と根っからの悪人なのになぜか惹きつけられる魅力に注目!
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■2026展示IV
「のむ ―茶器と酒器と喫煙具―(仮)」
2026年9月19日(土)~11月23日(月・祝)
月曜日休館、ただし9月21日/10月12日/11月2日/11月23日は開館、
9月24日(木)/10月13日(火)/11月4日(水)休館
人が生きる上で欠かせない存在である水。昨今の温暖化現象により、水分補給の大切さが謳われる中、一日の中で水やお茶といった水分を“飲”まない人は一人もいないでしょう。また、遥か昔から飲料として、人々の楽しみの一つとして製造されてきた酒類も、現代に至るまで愛好されて、嗜む程度の人から愛酒家まで、お酒を“呑”む行為は日常の楽しみともなって受け継がれています。そして、お酒と同じく古くから嗜好品として知られる煙草は、それを楽しむための道具を“喫”煙具と称して、絵画などにも描かれるようになりました。
この度の展覧会では、「飲む」ための茶碗やカップ、酒を注いで「呑む」ための徳利や盃、煙草を「喫む」ために使用する道具や、それにまつわる用器などを取り上げ、三つの「のむ【飲、呑、喫】」に注目した作品を展示します。
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■2027展示I
小林一三没後70年
「小林一三のART愛 ─著書に登場する文芸・美術作品」
2027年1月23日(土)~3月28日(日)
月曜日休館、ただし1月25日/3月22日は開館、1月26日(火)/3月23日(火)休館
2027年は小林一三が逝去した1957年から70年に当たります。本展では、一三が著した書物を頼りに、その中に見える文芸・美術作品をピックアップして陳列します。
小林一三が書き表した本は数多く、20冊以上にも及びます。これらの主要なものは、後世『小林一三全集』として7巻にまとめられました。本展ではその中から数冊を選び、三つのカテゴリーに分けて関連する文芸・美術作品を紹介します。
先ず第一に『逸翁自叙伝』などに見える作品を並べて、一三のライフタイムを追いかけます。そして第二に、一三が好んだ俳句との出会いや深まりを綴ります。また第三には、一三が楽しんだ茶の湯の世界の広がりを見渡します。
こうして著書とともに作品をたどることで、一三が抱いた文芸・美術に対する深い愛情を感じとっていただきたく思います。
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■逸翁美術館について
阪急電鉄をはじめ多方面で活躍する実業家であると同時に、文化・芸術の世界で名を馳せた数寄者でもあった小林一三は、早くも20歳代の頃から美術品の収集を始め、その審美眼は茶の道に入ることでさらに磨かれていきました。
現在逸翁美術館が所蔵しているコレクションは、古筆、古経、絵巻、中近世の絵画(特に蕪村・呉春・円山四条派の作)、日本・中国・朝鮮・オリエント・西洋を含む陶磁器、日本・中国の漆芸品に及び、国指定の重要文化財16件、重要美術品19件が含まれています。
【所在地】大阪府池田市栄本町12-27(阪急宝塚線 池田駅下車 徒歩10分)
【開館時間】10時00分~17時00分(入館は16時30分まで)
【休館日】
毎週月曜日(祝日・振替休日の場合は翌平日)、その他特別開館日・休館日あり
※展覧会を開催していない期間は展示替えのため休館
【観覧料】
一般:700円(各種割引・団体:500円)
学生(高校生以上):500円(同上:400円)
中学生以下:無料
■茶室「即心庵」と呈茶について
小林一三が自ら考案した雅俗山荘(小林一三記念館)の茶室「即庵」を、逸翁美術館の館内に「即心庵」として再現しました。
三畳台目の座敷を囲む椅子で気軽にお茶を楽しめる、伝統と現代生活が見事に調和した空間です。
展覧会中の日曜日は呈茶席として、表千家同門会 大阪支部の先生方のお点前による薄茶と和菓子でおもてなしいたします。三丘園のお抹茶と福助堂のお菓子で和やかなひとときをお過ごしください。
【開席日】展覧会開催期間中の日曜日
【開始時間】(1)10:50、(2)11:30、(3)12:10、(4)13:10、(5)13:50、(6)14:30
【定員】(1)~(6)各席10名
【料金】一服500円(税込)
【購入方法】
当日10時より、美術館受付で(1)~(6)各席のチケットを販売します(先着順)
※電話等でのご予約はできませんのでご了承ください
公益財団法人 阪急文化財団 https://www.hankyu-bunka.or.jp/
リリース https://www.hankyu-hanshin.co.jp/release/docs/90cc4997e868e855e074b33c37f29879ce8766db.pdf
発行元:阪急阪神ホールディングス
大阪市北区芝田1-16-1






















