Direava株式会社(ディリーバ、本社:東京都千代田区、代表取締役:竹内 優志、以下 Direava)は、この度、AI(人工知能)を搭載したプログラム医療機器「手術映像認識プログラム キノスラ」(以下、キノスラ)について、2025年12月9日付で厚生労働大臣より製造販売承認を取得したことをお知らせいたします。(承認番号 30700BZX00326000)
1. 製品の特長
本製品はロボット支援食道悪性腫瘍切除術における手術映像認識プログラムです。AIが手術映像内の左右反回神経をリアルタイムで検出し、強調表示することで、医師の認識を補助します。さらに、反回神経に過度な牽引が生じている可能性を表示する機能(牽引表示)を搭載しています(da Vinci Xi サージカルシステム併用時)。
2. 「キノスラ」開発の背景と臨床的価値
開発の背景:反回神経麻痺という重要な臨床課題外科手術において、術中の重要な解剖構造に関連する合併症は、術後の麻痺や機能障害といった経過につながることがあります。なかでも食道がん手術では、発声や嚥下機能を司る反回神経に関連した合併症が、嚥下障害や誤嚥性肺炎を招き、患者さんの生活の質(QOL)に長期的な影響を及ぼすことが知られています。
そのため、手術中に反回神経を的確に把握し、周囲組織の状態に配慮しながら手術操作を行うことは、食道外科手術の安全性および治療の質を高める上で極めて重要な要素とされています。一方で、炎症や癒着などにより術野の視認性が低下する状況では、熟練した外科医であっても常に高い集中力と慎重な判断が求められるという課題がありました。
キノスラが提供する臨床的価値
「キノスラ」は、この反回神経麻痺という臨床的課題に対し、AI技術を用いた新しい術中支援のかたちを提供します。
■ 反回神経認識の補助
術中映像を解析し、AIが反回神経の位置を強調表示することで、術者の経験年数や疲労度に左右されにくい神経同定を支援します。性能試験では、左右の反回神経の強調表示において検出感度96.0%(左)、84.0%(右)が確認されています。
■ 神経牽引の可能性を表示
反回神経に過度な牽引がかかる可能性がある状況を検知し、リアルタイムで表示します。これにより、術者が早期に手技を見直すきっかけを提供し、反回神経麻痺の予防に貢献することが期待されます。性能試験では、左反回神経の牽引表示において検出感度74.4%が確認されています。
[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/161347/4/161347-4-a9fdac962d3a106b1275ddc3d8d8da96-1305x742.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
3. 製品の概要
販売名:手術映像認識プログラム キノスラ一般的名称:手術用画像認識支援プログラム
クラス分類:管理医療機器(クラスII)
承認番号:30700BZX00326000
承認年月日:2025年12月9日
4. 今後の展開
Direavaは、薬事承認を取得した本製品について、事業化に向けた最終準備を進めてまいります。また、今後は対象術式における安全性の向上に貢献するとともに、ユーザーからのフィードバックに基づきさらなる機能拡充に向けた技術開発を継続し、本製品のプラットフォームを活かした外科領域への応用拡大も目指してまいります。
Direava株式会社について
Direavaは現役外科医が創業したスタートアップ企業であり、「外科医視点」にこだわったAI技術により、術中合併症の低減と手術医療の質の向上を目指しています。
現在は、慶應義塾大学医学部をはじめとする国内外多数施設と連携し、臨床現場に根ざした製品開発を進めています。本研究開発を通じて、Direavaは「AI × 外科」の社会実装をさらに加速させ、あらゆる手術における安全性と質の向上に貢献してまいります。
会社名:Direava株式会社(ディリーバ)
代表者:代表取締役 竹内 優志
本社所在地:東京都千代田区
事業内容:プログラム医療機器の開発、製造、販売
【本製品に関するお問い合わせ先】
Direava株式会社 info@direava.com
ウェブサイト: https://direava.com/






















