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プロローグ
――すべてを失った夜の駐車場から、この物語は始まった
深夜。
街灯だけが照らす郊外の駐車場。
エンジンは切っている。
つければ眠れない。
切れば寒さと暑さに耐えなければならない。
後部座席に敷いた薄いマットの上で、
代表は天井を見つめていました。
考えていたのは、
「どうやって売上を伸ばすか」ではありません。
「明日、どこで寝るか」
それが現実だった時期が、確かにありました。
[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/155366/12/155366-12-f226d0d5ff87bd98ab0a4431127e6634-870x652.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
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■ すべては「何もなかった2年間」から始まった
個人事業での創業期、
代表はホテルに泊まることもできず、
車中泊をしながら事業を続ける生活を約2年間送っていました。
冬は骨の奥まで染みる寒さ。
毛布を何枚重ねても身体は温まらず、
指先の感覚がなくなる夜もありました。
夏は息が詰まるほどの暑さ。
窓を少し開けても熱気は逃げず、
汗で濡れたシートの上で浅い眠りを繰り返す毎日。
エンジンを切れば眠れない。
つければガソリンが減っていく。
体力も、気力も、
少しずつ、確実に削られていきました。
深夜、郊外の駐車場で仮眠を取っていると、
職務質問で警察に窓から懐中電灯を照らされ、叩き起こされることも日常茶飯事でした。
「ここで何をしているんですか」
その一言が、
社会の枠から外れているという現実を
何度も突きつけてきました。
資金はない。
信用もない。
拠点もなく、
明日どこで寝るかも分からない日々。
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■ そして、その最中に会社は潰れた
その最中、
会社は潰れました。
売上は止まり、
資金繰りは限界を迎え、
想いだけでは、どうにもならなくなった。
さらに言えば、
代表自らが車中泊をしているという現実に幻滅し、
将来への不安を感じて、辞めていった従業員もいました。
裏切られたとは思っていません。
「この会社にいても、先が見えない」
そう思わせてしまったのだと思います。
社長自身が、
安心できる環境にいない。
未来を示せていない。
それは、
従業員にとっては
信頼を失うには十分な理由でした。
この現実は、
代表にとって最も痛く、
最も逃げたくなる失敗でした。
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■ 崩壊の現場で刻まれた、たった一つの言葉
すべてを失いかけたその時、
代表の中に深く、はっきりと刻まれた言葉があります。
「人は、環境で壊れる。」
努力が足りなかったわけではない。
覚悟がなかったわけでもない。
環境が未来を示せなければ、
人はついてこない。
人は信じ続けられない。
もし、もう一度やるなら。
人を安く使わない。
我慢を前提にしない。
すり減ることを美徳にしない。
「人を壊して回る会社」だけにはならない。
それだけは、
この失敗から逃げずに決めたことでした。
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■ 再スタートの条件は、ただ一つだった
再スタートにあたり、
代表が自分に課した条件は極めてシンプルでした。
「売上より先に、環境をつくる」
仕組みを先につくる。
再現性を持たせる。
誰がやっても、一定以上の成果が出る構造にする。
もう二度と、
根性や気合で人を引っ張らない。
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■ 事業は成長しても、思想は変えなかった
再スタート後、
代表は再び現場に立ちました。
一件一件の出張買取を重ねながら、
同時に、前回なぜ崩れたのかを徹底的に分解しました。
答えは明確でした。
・ 仕組みがなかった
・ 再現性がなかった
・ 環境を後回しにしていた
だから今回は、
売上より先に環境を整え、
拡大より先に仕組みをつくる。
この順番だけは、
何があっても変えませんでした。
現在、当社は
4期目・6ヶ月で売上15億円、年商30億円規模へ成長。
全国47都道府県で出張買取サービスを展開しています。
現場で働くスタッフは、
全員がホテルなどの宿泊施設を利用。
新幹線・飛行機を含めた移動環境も整備し、
体力的・精神的な負担を極力排除しています。
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■ 数字は、思想の「結果」でしかない
2026年1月、
社員平均月給は230万円を突破。
さらに、
・ 年間休日120日
・ シフト自由制
「稼ぐか、休むか」ではなく、
「稼ぎながら、人生を壊さない」
それを、
制度として成立させています。
初任給は月給55万円。
1ヶ月目で月給100万円超は珍しくなく、
3ヶ月目には約8割が100万円を超えます。
これは才能の話ではありません。
普通の人が、普通にやって、
結果が出る構造をつくっただけです。
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■ 営業と内勤、どちらが欠けても会社は成り立たない
当社では、
営業だけが評価される文化を否定しています。
営業が現場に立てるのは、
内勤がアポ管理・事務・調整を担っているから。
代表は営業に言います。
「内勤あっての営業だ。感謝しろ。」
同時に、内勤にも言います。
「営業が利益を出しているから飯が食えている。
そこにも感謝がある。」
上下ではない。
役割が違うだけ。
代表自身も、日頃から伝えています。
「営業と内勤がちゃんとやってくれているから、
自分は代表でいられる。だから感謝している。」
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■ 人が辞めない理由、そして人が“戻ってくる”理由
その結果、
創業期から会社を育ててきたメンバーのほとんどは、今も辞めていません。
独立した圧倒的なNo.1が、戻ってくる会社。
それほどまでに、
仕組み・再現性・バックアップ体制が整っている組織です。
さらに、
ここで一つの象徴的な出来事が起きました。
代表が下積み時代を過ごした会社。
そこにいた部長や社長も、
会社を潰し、居場所を失いました。
そして彼らは、
代表の会社に来ました。
かつて教える側だった人たちが、
かつて教えられる側だった人の会社を選んだ。
それは、
売上や肩書きではなく、
「この会社は、同じ失敗をしない」
そう判断された結果です。
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■ ラジオを通じて、業界を外に開いた
当社は、
ラジオ番組を通じた情報発信にも力を入れてきました。
出張買取は、
不透明だと思われやすい業界だからこそ、
閉じずに、語ることを選びました。
番組には、
元RADWIMPS・桑原彰氏
欅坂46・志田愛佳氏
編集者・箕輪厚介氏
放送作家・鈴木おさむ氏
Repezen Foxx DJ WAKI氏
などが出演。
買取を
文化・価値・選択の話として扱う場をつくってきました。
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エピローグ
――あの駐車場に、もう戻らないために
この会社は、
成功から生まれた会社ではありません。
崩壊の現場から生まれた会社です。
だから、
人を壊さない。
未来を曖昧にしない。
感謝を言葉にする。
会社の成長は、
社員の人生を壊さない範囲で行う。
それだけは、
これからも一切、変えません。
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株式会社マンクンカンクン
代表取締役 可知見聞
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