おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

リリースプラス

世界最高性能の酸化グラフェン燃料電池開発に成功

update:
国立大学法人熊本大学


[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/124365/321/124365-321-dee3386703f4034ef423afa96d977b88-540x304.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


(ポイント)
・酸化グラフェン*1を固体電解質*2とした燃料電池において、酸化グラフェン膜と電極との界面抵抗を低減する手法を開発し、燃料電池性能を大幅に向上させることに成功しました。
・作製した燃料電池は、40 ℃で最大7 W cm−2の出力密度を達成し、ナノシートを電解質に用いた燃料電池の世界最高性能を実現しました。
・フッ素を使用せず、環境負荷の小さい高性能な燃料電池開発の加速が期待されます。

(概要説明)
 熊本大学産業ナノマテリアル研究所の畠山一翔助教と伊田進太郎教授らの研究グループは、酸化グラフェンを固体電解質とした燃料電池の膜-電極界面の設計手法を開発し、燃料電池性能を大幅に向上させることに成功しました。酸化グラフェン膜は、高いプロトン伝導性と水素ガスバリア特性を併せ持ち、次世代のプロトン交換膜として期待されています。しかし、高いプロトン伝導性を示すにもかかわらず、これまでは最大でも0.25 W cm−2の出力密度しか得られていませんでした。本研究では、界面設計により、酸化グラフェン膜と電極との間の界面抵抗を大きく減少させることに成功し、酸化グラフェンを固体電解質とした燃料電池の最大出力密度を0.7 W cm−2まで向上させることに成功しました。この値は、ナノシートを固体電解質とした燃料電池の中では最高の値であり、同条件で測定した市販のフッ素系高分子膜(25 μm)を用いた燃料電池の出力密度に匹敵します。
 本研究成果は令和8年1月6日に英国王立化学会が発行する科学雑誌「Journal of Materials Chemistry A」にオンライン掲載されました。
 なお、本研究は防衛装備庁安全保障技術研究推進制度、科学技術振興機構先端国際共同研究推進事業(ASPIRE)、日本学術振興会科学研究費助成事業(研究課題/領域番号:23H00314)の援助を受けて行われました。

(今後の展開)
 ここで提案した界面設計手法は、酸化グラフェン膜以外のナノシート膜や、高分子膜でも効果があることがわかり、高出力の燃料電池を得るための有効な手段であることが示されました。今後、本技術が様々な固体電解質に導入されることで、燃料電池の高性能化が期待できます。

[用語説明]
*1酸化グラフェン
グラフェン骨格に酸素官能基を多数有する、グラフェンの酸化体。イオン伝導特性や溶媒への高分散特性など、グラフェンとは異なる特徴を持つ。数マイクロサイズの横幅を持ちながら、厚さは1 nm程度であり、いわゆるナノシートの1つである。水に高分散し、分散液を吸引ろ過や容器中で乾燥させることで、大面積の酸化グラフェン膜を作製することができる。
*2固体電解質
イオンを伝導する性質を持つ固体のこと。通常の固体は原子やイオンが固定されており動くことができないが、固体電解質の場合は電圧印加によりイオンを伝導させることができる。室温作動する燃料電池の固体電解質では主にプロトン(水素イオン、H+)が伝導する。

(論文情報)
論文名:Interface-Engineered Graphene Oxide Membranes for High-Performance Fluorine-Free Fuel Cells
著者:Tatsuki Tsugawa, Kazuto Hatakeyama*, Kanako Oka, Kaito Takegami, Yuichi Sakuda, Michio Koinuma, Norihiro Moriyama, and Shintaro Ida*
掲載誌:Journal of Materials Chemistry A
doi:10.1039/D5TA09184E
URL:https://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2026/ta/d5ta09184e/unauth

プレスリリース】(PDF373KB)

最近の企業リリース

トピックス

  1. 岩下の新生姜×ビッグマック!?社長投稿のちょい足しレシピ試してみた

    岩下の新生姜×ビッグマック!?社長投稿のちょい足しレシピ試してみた

    岩下食品の社長である岩下和了さんが1月19日、自身のXで同社のヒット商品である「岩下の新生姜」を使っ…
  2. DEEP SPACE FOOD CHALLENGE: MARS TO TABLE(深宇宙食チャレンジ:火星から食卓へ)

    NASAがお題「火星の食卓、誰か考えて」 壮大な“食料システム”国際コンペ開催

    NASAが、「火星の食卓」をどう作るかをテーマにした国際コンペを実施中です。宇宙飛行士が長く滞在する…
  3. スライム in スライムの本体パッケージ

    何に使うんだ!?マクドナルドの「スライム in スライム」当選したので早速開封してみた

    マクドナルドから「ドラゴンクエスト」とコラボしたグッズ「スライム in スライム」が登場。人気キャラ…

編集部おすすめ

  1. 陸奥A子・田渕由美子・太刀掛秀子 りぼん70'sおとめチック☆エポック

    「りぼん」70年代“おとめチック”がよみがえる 陸奥A子・田渕由美子・太刀掛秀子の決定版書籍が発売

    河出書房新社より1月23日に、陸奥A子さん、田渕由美子さん、太刀掛秀子さんの画業を特集した「陸奥A子・田渕由美子・太刀掛秀子 りぼん70's…
  2. これが本当の“ウマ娘”?正月早々、着物姿で住宅地を爆走する女性の姿に10万いいね

    馬のマスクをかぶって着物で爆走 あまりに情報量の多い正月動画がXで話題

    いったいどういう状況……。2026年の干支である「ウマ」にちなんで、馬のマスクをかぶって住宅地を爆走する女性のめでたい(?)姿が「ケンタウロ…
  3. Artemis II仕様の「搭乗券(Boarding Pass)」

    NASAの月探査計画で「名前だけ宇宙へ」 登録すると搭乗券がもらえる

    NASAが進めている有人月探査計画「Artemis(アルテミス)」の次のミッション「Artemis II」をめぐり、ちょっとワクワクする一般…
  4. U字工事(@Ujikoji_offical)の投稿

    【ほっこり】U字工事の益子さん、川でエビを捕まえご満悦

    お笑いコンビ「U字工事」が1月19日、公式X(旧Twitter)を更新。ロケ先の川で、益子卓郎さんがエビを捕まえた時の様子を公開したところ、…
  5. 生成AI「Grok」を巡りXが安全対策を強化 編集部が体験した監視の実態

    生成AI「Grok」を巡りXが安全対策を強化 編集部が体験した監視の実態

    昨年12月末、画像編集機能を搭載したことで物議をかもした、X(旧Twitter)の生成AI「Grok」。そのGrokをめぐり、Xの公式安全対…
Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

提携メディア

Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト