MiZ株式会社(本社:神奈川県鎌倉市)は、2005年に日本において分子状水素が生体内で抗酸化作用を示すことを報告した研究成果(文献1)を科学的起点として、水素の医療応用に取り組んできました。35年にわたり水素医療分野のパイオニア企業として、安全性を最優先とする研究開発と特許戦略を構築し、水素爆発を根本から排除する安全設計技術(ハード特許)と、水素による疾病改善に関する特許(ソフト特許)を有機的に連関させた独自の二層構造型特許ポートフォリオを形成しています。
このたび当社は、水素医療の健全かつ持続的な発展を目的として、「医療機関向け特許活用支援制度」を創設いたしました。本制度は、当社特許に基づく科学的知見を診療設計に活用いただくための連携枠組みであり、院内診療目的における、非独占的な通常実施を認めるものです。現在のところ、診療内容や使用機器の種類を問わず、広く医療機関の登録を受け付けております。
水素は、ロケット燃料として使用されることからも明らかなように、本質的に高い爆発性を有する気体です。1937年に米国で発生したヒンデンブルク号飛行船爆発事故は、その危険性を端的に示す歴史的事例の一つです。こうした物理化学的特性と過去の事故の教訓を踏まえると、水素吸入器の開発においては、「水素爆発を決して起こさない」ことを前提とした安全設計思想が不可欠であると言えます。
このため同社は、医療効果の追求に先立ち、まず水素爆発のリスクを根本から排除し、使用者が安心して安全に使用できる水素吸入器を開発することを最重要課題として位置づけました。その結果、有用性を損なうことなく高い安全性を確保した水素吸入器を開発し、その安全設計に関する技術を「水素吸入器の安全性に関する特許(ハード特許)」として中核的に権利化しました(図1)。
さらに同社は、この安全性技術思想に基づく開発の積み重ねを基盤として、自社開発の高い安全性を備えた水素吸入器を用い、国内外の研究機関の協力のもと、水素がさまざまな疾患に対して示す作用や有効性について検証を重ねてきました。これらの検証結果を踏まえ、水素による種々の疾病改善に関する技術を「水素による疾病改善の特許(ソフト特許)」として、前述のハード特許を中心に放射状に展開する特許戦略を構築しました(図1)。
本特許戦略の特長は、水素吸入器の安全性技術を単独で完結させるのではなく、その上に水素による疾病改善に関する特許(ソフト特許)を有機的に連関させた二層一体型構造を採用している点にあります(図1)。すなわち、安全性が担保された装置基盤なくして医療応用は成立せず、医療応用の発展が安全性技術の価値をさらに高めるという、相互補完的な知的財産ポートフォリオが構築されています。
この構造により、第三者が医療効果のみを模倣する、あるいは装置構造のみを形式的に模倣することは極めて困難となり、結果として権利の堅牢性と持続性が高い特許網が形成されます。これは、単発的な特許取得とは一線を画す、戦略的かつ防御力の高い知的財産の在り方であると言えます。
MiZ株式会社の研究開発の成果は、学術論文として公表されるとともに、安全性を前提とした水素医療の実装を支える技術基盤として体系的に構築されたものです。
本プレスリリースでは、水素の医療利用が安全かつ持続的に社会へ普及していくことを願い、MiZ株式会社が長年にわたり構築してきた特許戦略の思想と、その研究開発の成果として創出された特許技術の一部をご紹介します。
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図1.MiZ株式会社の水素の安全利用を起点とする相互連関二層一体型の特許戦略 水素爆発を根本的に排除する「水素吸入器の安全性に関する特許(ハード特許)」を特許戦略の中核に据え、水素による種々の疾病改善に関する「ソフト特許」を放射状に展開することで構築された、構造的かつ持続可能な特許ポートフォリオを示す。
I. 水素吸入器の水素爆発防止の特許(ハード特許)
水素は本来的に爆発性を有する気体です。近年、市場には高濃度の水素ガスをそのまま吸入するタイプの水素吸入器が流通していますが、高濃度水素吸入器に起因した爆発事故が後を絶ちません。
特に2024年以降は、吸入器本体の爆発事故に加え、高濃度水素の吸入によって鼻腔内や肺内部が爆発濃度に達し、静電気等を発火源として顔面内や肺内部で水素爆発が生じたと考えられる深刻な事故が相次いで報告されています。これらの事故では、顔面の複雑骨折、気管支裂傷による大量吐血、肺組織の焼損など、死亡事故に直結しかねない極めて重大な被害が確認されています(文献2)。
(1) 水素を爆発濃度以下に希釈して水素爆発を防止する発明:権利化
MiZ株式会社は、開発当初から、水素の爆発特性を踏まえて、安全に配慮した医療利用を第一に考えた研究開発を推進するとともに、水素吸入に関する一般向けの啓発活動にも力を入れてきました(文献3)。従来、水素は4体積%以上で爆発すると考えられてきましたが、当社は、水素濃度が10体積%以下では爆発しないこと見出しました。当社は、この知見に基づき、水の電気分解によって生成した水素を、空気などの希釈ガスにより生成直後に10体積%以下へと即時希釈する技術を開発し、この安全設計に関する発明を特許として権利化しました。
この発明により、爆発濃度以下の水素を吸入することで、吸入器本体の水素爆発だけでなく、人体内水素爆発の危険性を完全に回避することが可能となります。
(2) 爆発濃度に至った際に稼働を停止する安全装置の発明:出願中
希釈ガスによる水素の希釈にはポンプなどの送風装置を用いますが、経年劣化などでポンプの機能が落ちると希釈ガスの送風量が低下して、水素濃度が高まる危険性が出てきます。MiZ株式会社は、希釈ガスの送風量が低下したことを検知して、水素濃度が爆発濃度に近づいた際に水素の生成を停止し、使用者に知らせる技術を開発しました。
(3) タイムリーに水素の濃度を表示する発明:権利化
水素は無色透明無味無臭の気体なので、ヒトの五感に働かないので、どの程度の濃度で発生しているか解りません。水素吸入器は精製水の電気分解で水素を発生させますが、発生する水素量は電気分解に用いる電気量に比例します。当社は電気分解に用いる電気量と発生する水素量の演算式を吸入器内のコンピューターに組み込んで、計算により算出した水素濃度と発生量を表示する発明を保有しています。
II. 水素の疾病改善に関する特許(ソフト特許)
一般に、「水素の医療利用に関する発明は特許としての権利化が難しい」と考える研究者も少なくありません。しかしMiZ株式会社は、こうした見方にとらわれることなく研究開発を重ね、水素による疾病の改善効果に関する特許を複数取得してきました。
以下がMiZ株式会社が取得した水素による疾病改善に関する特許一覧 (全22特許) です。
(1) 脳神経疾患
・ヒトの心的外傷後ストレス障害(PTSD): 権利化
・パーキンソン病:権利化
・筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS):権利化
・脊椎・脊髄損傷の症状:権利化
・うつ症状:権利化
・アルツハイマー病および軽度認知症:権利化
・脳卒中後の後遺症:権利化
・統合失調症:権利化
(2) がん関連特許
・癌の転移:権利化
・肺がん:権利化
・癌細胞増殖抑制、癌性疼痛抑制:権利化
(3) 呼吸器系疾患
・閉塞性細気管支炎、慢性気管支炎、気管支狭窄:権利化
・間質性肺炎:権利化
(4) 眼科
・加齢黄斑変性:権利化
(5) 耳鼻科
・突発性難聴:権利化
(6) 自己免疫性疾患
・重症筋無力症、橋本病:権利化
(7) 副作用抑制
・血液透析の副作用、医薬品(抗がん剤、アルコール、抗菌剤、抗ヒスタミン剤)の副作用:権利化
(8) 放射線障害
・ 放射線被爆または放射線療法時の放射線障害:権利化
(9) 生活習慣病
・痛風発作:権利化
・糖尿病由来の腎臓病、高血圧由来の腎臓疾患:権利化
(10) 整形外科
・骨粗しょう症:権利化
(11) その他
・敗血症、全身性炎症反応症候群(SIRS)、多臓器機能不全症候群(MOF):権利化
当社が水素の医療利用に関する特許出願を開始した当時は、水素の医療利用に関する研究自体が世界的にもまだ発展途上にあり、先行技術文献も限られていました。そのため、新規性および進歩性に関する拒絶理由に対しても、研究成果に基づき比較的的確に対応することが可能でした。
一方で近年は、水素の医療利用に関する研究報告や関連技術が急速に増加しており、特許審査においても先行技術との厳密な差別化が求められる状況となっています。当社はこうした状況の変化を踏まえつつ、引き続き科学的根拠に立脚した特許戦略を推進してまいります。
III. 特許発明の活用について
MiZ株式会社が取得してきた水素の医療利用に関する特許は、水素を安全かつ適正に家庭や医療現場へ導入・運用するための基盤技術を体系化したものです。当社は、これらの知的財産を適切に管理しつつ、水素医療が安全性を最優先とした形で社会に定着していくことを重視しております。
医療機関向け特許活用支援制度について
当社は、医療機関において院内診療目的で水素療法に取り組まれている方々に対し、「医療機関向け特許活用支援制度」を設けております。本制度は、当社特許に基づく科学的知見を診療設計に活用いただくための連携枠組みであり、自由診療メニューの構築やその根拠の明確化を支援することを目的としています。
本制度にご登録いただいた医療機関に対しては、院内診療目的における、当社保有特許について非独占的な通常実施を認可しております。
現在のところ、診療実態の確認や機器の種類を問わず、広くご登録を受け付けております。
なお、医療機関ではなくても、当社特許発明の利用や共同研究等に関するご相談は随時受け付けております。水素医療の健全な発展に関心をお持ちの事業者・研究機関の皆様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
IV. 特許発明に関しての問い合わせ先
MiZ株式会社 知的財産部 渉外担当
神奈川県鎌倉市大船2-19-15
infoAe-miz.co.jp (Aをアットマークに置き換えてください。
会社HP: https://www.e-miz.co.jp/index.html
V.文献
(文献1)
ジャーナル:Biosci Biotechnol Biochem. 69:1985-1987, 2005.
英文タイトル:Electrolyzed hydrogen-saturated water for drinking use elicits an antioxidative effect: a feeding test with rats.
邦文タイトル:飲料用水素飽和電解水は抗酸化作用を発揮する:ラットを用いた摂食試験
(文献2)
ジャーナル:The International Journal of Risk and Safety in Medicine. DOI: 10.1177/09246479251414573
邦文タイトル:日本における高濃度水素吸入器による人体内水素爆発とその防止策-低濃度水素療法への転換の必要性-
英文タイトル:Preventable In-Body Hydrogen Explosions from High-Concentration H2 Inhalers in Japan -Switch to Safe, Low-Concentration Hydrogen Therapy-
(文献3)
Webページ:MiZ株式会社「はじめての水素吸入器-考え方の整理」無償配布をスタート
URL:https://e-miz.co.jp/pressrelease/pressrelease15.html























