80年代から熾烈な戦争を繰り広げてきた『きのこの山』と『たけのこの里』。クラッカーにきのこの傘型のチョコレートを乗せた『きのこの山』に対し、クッキーに筍の皮状のような模様にチョコレートをコーティングした『たけのこの里』。毎年、新作の味が登場する明治の人気製菓となっていますが、それぞれのファンが30年以上もどちらかがより美味しいかを論争し続けています。
そんな中、5月23日より和風スイーツをテーマにした「きのこの山・抹茶あずき」と「たけのこの里・あずきミルク」の2種類が登場しています。
筆者は「たけのこの里」派として今まで生きてきたために、どうしても「ほう……今回はホワイトチョコレートと紫色のあずきチョコレートが美しいのう、ココアクッキーというチョイスも秀逸」と悪代官のようにパッケージを舐め回すようにチェックし首を長くして発売を待ち望んでいました。
「たけのこの里」はベースとなるクッキーに卵が含まれており、エアリーな食感は「きのこの山」のクラッカーには絶対にないもの。コーティングされたチョコレートの分布もバランス良く、間違いなく「たけのこの里」に軍配が上がるだろうと信じていました。
しかしながら、両者を試食したところ……「うぬぬぬ、やるではないか……」と筆者に思わず吐露させたのは「きのこの山・抹茶あずき」。今期は優秀な抹茶系スイーツがあちこちで話題になっていますが、これもまたそれに負けじと良質な抹茶味を用意し、この終わりなき戦いに挑んできたのでした。
抹茶チョコレートの下から覗くのは、あずきチョコレート。クラッカーはいつもどおりのサクサクのもの。なのに、どうしてこんなにも“和”のハーモニーが絶妙なのでしょうか……!
一方で「たけのこの里・あずきミルク」も善戦しました。ホワイトチョコレート、あずきチョコレート、ココアクッキーのマリアージュはお見事。あずきチョコレートがかなり強調され、より“和”の色が色濃く反映されていました。
敵対しながらも、同じあずきチョコレートがコーティングされ、それぞれのアプローチで臨んだ“和風スイーツの戦い”。いつか「きのこの山」と「たけのこの里」が手(?)を取り合って切磋琢磨していく平和な世の中が訪れることを祈りながら、楽しんでみてはいかがでしょうか?
(大路実歩子 / 画像・編集部撮影)