長らく東京都新宿歌舞伎町で野良猫生活を送っていた「たにゃちゃん」は、理解力が高く、とても我慢強い性格の猫さん。同地で知り合い、1年半の交流ののち、約半年前から現在の飼い主さんと暮らしています。

 一方で、そういった境遇だったため、嬉しい気持ちを表現するのが苦手。先日も、プレゼントされたペット用のバスのおもちゃに、険しい表情で“乗車”していました。

「ただいま~って帰ると、、wwwww
相変わらず今年もお前は面白い
そんな険しい顔でスヌーピーバス乗ってる猫いないよ~」

 帰宅後に、遠目からたにゃちゃんを撮影した写真とともに、Twitterに投稿した飼い主さん。そこからでも分かるくらい、厳しい顔をしながら佇んでおられます。

 一見すると、不機嫌なのかと勘繰ってしまいますが、飼い主さん曰く、決してそんなことはないそうです。

 「たにゃは何かをプレゼントすると、一生懸命考えながら使ってくれるんです。手がかからないようにしてくれているのかもしれません」

 歌舞伎町にいた時も、「良く見つけたな」と思わず感心してしまうような安全な場所から微動だにしなかったというたにゃちゃん。その地から、数多くの歩行者から飼い主さんを見つけると、わざわざ出てきてくれる頭の良さを見せることもありました。

 それを理解しているからこそ、「自分に対して『ありがとう』って言ってくれているような気がしました」と、嬉しい気持ちをTwitterに投稿した飼い主さん。野良猫時代を知るフォロワーが多いこともあり、想いは広く伝わっています。

 「実は性格は未だによく分かってなくて、保護した後もまだ触れたりしていません。たにゃも、今の自分が置かれた状況を理解している最中ですね」

新宿歌舞伎町時代と現在のたにゃちゃん。

 コロナ禍で仕事が上手くいかなかった時に出会ったという飼い主さん。一緒に住むようになってから、たにゃちゃんは体はふっくらまんまるに、毛並みは艶やかになりました。

 そこに言葉はなくとも、お互い励まし合いながら暮らしています。

<記事化協力>
たにゃさん(@kabukinoraneko)

(向山純平)