キュアコード株式会社（富山県富山市、代表取締役：土田史高）は、国立大学法人富山大学（学長：斉藤滋）との共同研究により開発した「1型糖尿病患者向けインスリン投与量判定システム」に関する特許（特許第7568605号）を2024年10月16日付で取得しました。本研究は国立国際医療福祉大学医学部 糖尿病・代謝・内分泌内科学 教授の中條大輔医師（前富山大学附属病院副病院長・臨床研究開発推進センター教授・第一内科診療教授）を研究代表者とする研究チームによって進められたもので、患者の食前血糖値と食事中の炭水化物量をもとに最適なインスリン投与量を算出し、患者のQOL（生活の質）向上に貢献するものです。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/103467/17/103467-17-a7a260bcb0a467fad4f8b79d7bccdaa1-1113x565.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図1 AIカーボカウンターアプリによる検査手順（抜粋）
特許内容ついての詳細は以下よりご覧いただけます。
特許情報プラットフォーム J-Plat Pat
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-7568605/15/ja
■背景
1型糖尿病は、膵臓のβ細胞が破壊されることでインスリンの分泌が枯渇し、生涯にわたってインスリン注射が必要となる自己免疫疾患です。国内には約10万人～14万人の患者がいると推計されています。
従来、1型糖尿病患者は血糖値を安定させるために食事内容を一定にする必要がありました。また、食事内容を変える際には医師の判断に基づくインスリン投与が必要でしたが、毎回医師の指示を仰ぐことは現実的に困難であり、患者のQOLを著しく低下させる原因となっていました。
■特許のポイント
今回取得した特許技術の主な特長は以下の通りです。
1．個別化されたインスリン計算
患者ごとに設定されたカーボ／インスリン比（炭水化物量に対するインスリン必要量の比率）とインスリン効果値（インスリン1単位で低下する血糖値）を考慮し、目標血糖値の範囲内に収まるよう最適なインスリン投与量を算出します。
2．AI画像解析による炭水化物量推定
食事の写真から炭水化物量を自動解析する仕組みと連携することで、患者の手入力の負担を軽減します。
3．機械学習による精度向上
複数の糖尿病患者から収集された臨床データを教師データとする機械学習により、将来的により正確なインスリン投与量の計算ができることを目指し開発をすすめていきます。
4．スマートフォンアプリでの実装
スマートフォンアプリとして実装するとで、将来的に日常生活で手軽に利用できるようにすることを目指しています。
本システムが実用化されれば、1型糖尿病患者は食事の選択肢を広げながら、適切な血糖コントロールが可能になります。
国立国際医療福祉大学医学部 糖尿病・代謝・内分泌内科学 中條大輔教授のコメントこの度の特許取得は、1型糖尿病患者の生活の質向上に大きく貢献する技術革新と言えます。従来、患者さんは食事制限を行なっても血糖コントロールに難渋する場面にしばしば遭遇していましたが、本システムの普及により、より自由度の高い食事とインスリン治療が可能になることが想定されます。特に、AI技術を活用した炭水化物量の自動解析機能は、患者さんの日常的な負担を大幅に軽減するものです。今後もアカデミアと企業の連携により、さらなる医療技術の発展と患者さんのQOL向上に尽力していきたいと考えています。」
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/103467/17/103467-17-4c20043a347c90abbe4078f93d9df5f4-679x824.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
キュアコード株式会社 代表取締役 土田史高のコメント今回の特許取得は、1型糖尿病患者の方々の生活改善に向けた私たちの取り組みの大きな一歩です。大学との産学連携により特許化したこの技術は、患者さん一人ひとりの状態に合わせたパーソナライズドな医療支援を可能にします。
将来的にはこのシステムをSaMD（Software as a Medical Device：医療機器プログラム）として開発を進めることも視野にいれ 、医療現場での活用を目指します。AI技術と医療の融合によって、患者さんの治療負担軽減と医療の質向上に貢献できることを大変嬉しく思います。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/103467/17/103467-17-c3497b67369a20ad28efab44f61e1c17-1993x2700.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
■研究の詳細について
1型糖尿病患者を対象とした食事画像認識機能搭載型カーボカウントアプリの開発（CARB-LIFE）
本研究は、1型糖尿病患者向けに食事画像認識AIと連携したカーボカウントアプリを開発し、患者ごとに個別設定されたカーボカウント指標に基づき最適なインスリン投与量を算出し患者の血糖コントロールに与える影響（有効性）や安全性を検証します。現在は臨床試験で有効性・安全性を検証中であり、将来的には集積データを活用したAI開発により、さらに高度なインスリン投与量決定支援システムの実現を目指しています。
アプリの効果を検証するために、アプリを使用する方としない方で比較する試験となります。
（詳細は下記の図を参照）臨床試験の参加者も募集しています。
https://carb-life.jp/
研究参加施設
・国際医療福祉大学市川病院 糖尿病・代謝・内分泌内科
・富山大学附属病院 第一内科
・国立国際医療研究センター病院 糖尿病内分泌代謝科
・国立成育医療研究センター 内分泌・代謝科
・福井大学医学部附属病院 内分泌・代謝内科
・石川県立中央病院 糖尿病・内分泌内科
＜キュアコード株式会社について＞
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/103467/17/103467-17-23142e3eee14ec655bcea9149f613f81-1024x150.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
2011年創業。医療・介護・健康などヘルステック分野を中心としたITベンチャー企業。
医療・ヘルスケアアプリ・システムの研究開発だけでなく企画立案やデザイン、運営事務局、カスタマーサポートまでを一貫して手がけています。自治体および研究機関と産学官連携の推進も行っています。
[表: https://prtimes.jp/data/corp/103467/table/17_1_42131da8dc20b54df8cd4b9a5533593c.jpg ]
