世界最大級の小型SAR衛星コンステレーションで防衛・防災を支援する「ICEYE」（アイサイ）は、ドイツに本社を構え防衛事業を手がけるRheinmetallと共同で、ドイツ連邦軍から宇宙偵察分野における総額約17億ユーロの大型契約を受注しました。本契約は、ドイツ連邦軍装備情報技術運用庁（BAAINBw）との間で締結されたもので、SAR衛星コンステレーションへの主権的アクセスを通じた宇宙偵察データをドイツ連邦軍に提供します。
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本能力を提供するため、ICEYEはRheinmetallと提携し、2025年11月に合弁会社「Rheinmetall ICEYE Space Solutions」を設立しました。同社はドイツ・ノイスを拠点とし、主権的に保有するSAR衛星コンステレーションを通じてSAR画像を提供するとともに、衛星運用、地上局管理、AIを活用した画像解析を含む包括的なソリューションを提供します。なお本衛星コンステレーションはRheinmetall ICEYE Space Solutionsが所有します。
本契約の総額は約17億ユーロに上り、2025年末から2030年末までの契約期間に加え、延長オプションも含まれています。取得される宇宙偵察データは、主にリトアニア旅団の防衛およびNATO東部側面の安全保障に活用される予定です。本プロジェクトでは、Rheinmetall ICEYE Space Solutionsが運用する主権的SAR衛星コンステレーションを通じ、1日に多数のSAR画像が提供される計画です。また最初のSAR衛星製造は、2026年第3四半期にドイツ・ノイスの拠点で開始される予定です。
本プロジェクトは、ドイツ連邦軍内では「持続的監視を目的としたSAR宇宙システム第1段階（SPOCK 1）」と呼ばれています。SAR衛星は高度約500～600kmの軌道から地表に向けて強力なレーダーを照射し、地表から反射して戻る信号をパルスとして受信・処理することで、地上の詳細な画像を生成します。また、SAR技術は太陽光ではなくレーダーを用いて地表を観測するため、雲、煙、火山灰、降雨、砂嵐といった環境条件の影響を受けることなく、昼夜を問わず、あらゆる天候下での撮像が可能です。この特性により、従来の光学衛星と比べてはるかに高い頻度での観測が可能となり、急速に変化する事象に対しても持続的な監視を実現します。さらに、最大16cmの高分解能により、人間の目では識別が困難な微細な変化も検出することができます。
Rheinmetall CEO アルミン・パッパーガー氏のコメント
「宇宙技術分野においてドイツ連邦軍から寄せられた信頼に深く感謝します。現代の軍隊は、宇宙ベースの偵察、通信、そして任務遂行に関わる指揮・統制への確実なアクセスと、その運用管理に依存しています。デジタルシステムの提供企業として、当社は欧州のパートナーと連携し、これらの能力の実現に取り組んでいます。」
ICEYE 共同創業者 兼 CEO ラファル・モドジェフスキのコメント
「この画期的なプログラムを通じて、ドイツ、そして欧州全体の安全保障を支援できることをICEYEは誇りに思います。宇宙ベースのインテリジェンスは現代防衛の基盤であり、もはや単なる戦略的な背景要素ではなく、戦術的に直接活用される手段となっています。私たちは、単一で脆弱なシステムを、強靭な衛星コンステレーションへと置き換えるという不可欠な進化を推進し、最も必要とされる瞬間に、意思決定者へ迅速かつ実用的なインサイトを直接提供します。本契約は、ICEYEが新興宇宙企業の先駆者から、ミッションクリティカルな能力を提供する主要企業へと進化したことを示す歴史的な合意です。迅速な衛星製造と高度な解析技術を融合することで、国家が宇宙から戦略的・戦術的優位性を確保するための新たなモデルを構築しています。」
ICEYEについて
ICEYE（アイサイ）は、フィンランドに本社を置く、小型合成開口レーダー（SAR）衛星のリーディングカンパニーです。世界最大級の合成開口レーダー（SAR）衛星コンステレーションを所有するICEYEは、客観的でほぼリアルタイムの洞察を提供し、昼夜を問わず、また厳しい環境条件下でも行動可能なデータへの無比のアクセスを確保します。
世界において政府や商業産業の信頼できるパートナーとして、ICEYEは防衛・情報、保険、自然災害対応・復興、セキュリティ、海事モニタリング、金融などの分野でインテリジェンスを提供し、コミュニティのレジリエンス（回復力）や持続可能な開発に貢献する意思決定を支援しています。日本法人の他、ICEYEはフィンランド、ポーランド、スペイン、英国、オーストラリア、UAE、ギリシャ、米国に拠点を持ち、国際的に事業を展開しています。900人以上の従業員が、地球観測における「真のデータ供給者」となることで地球上の生活を改善するという共通のビジョンに基づき活動しています。
詳細については、https://www.iceye.com/ja-jp/をご参照ください。
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