【新作アニメ捜査網】 2012年アニメ!勝手にアカデミー賞今回もまた、2012年に上映されたアニメ映画を振り返り、権威ある賞「アカデミー賞」になぞらえて、私の独断と偏見で賞付けしてみたいと思います。


↓過去の記事はこちらです。

【新作アニメ捜査網】第30回 2010年アニメ!勝手にアカデミー賞
https://otakuma.net/archives/4104840.html

【新作アニメ捜査網】第41回 2011年アニメ!勝手にアカデミー賞
https://otakuma.net/archives/2012011601.html

 

それでは今回もはりきってご紹介させていただきます!

 

--最優秀脚本賞…『アシュラ』

人を殺傷する少年・アシュラ(声・野沢雅子)を導く僧侶(声・北大路欣也)の圧倒的迫力と、それにも拘わらず因果がもたらす悲劇が、大変強烈でした。人肉を喰らっていたアシュラに対し、僧侶は自らの腕を切断して食べさせようとしますが、この事態に直面したアシュラは恐怖し、以後人肉を食べなくなります。アシュラを祝福する僧侶。時を同じくして村では飢饉が発生し、アシュラは、痩せ衰えた村人の女性・若狭(声・林原めぐみ)のために馬肉を差し入れますが、アシュラが人肉を食べていたことを知っていた若狭は、それが人肉だと判断し、食べるのを拒否します。人肉ではないことを必死で訴えるアシュラですが、それも空しく、遂に若狭は馬肉を口にしないのでした。せっかく心を入れ替えたにも拘わらず、この時のアシュラの悲しみは如何ばかりであったでしょうか。

最優秀作画・美術賞…『BLOOD-C The Last Dark』&『図書館戦争 革命のつばさ』

本来ならば1つの賞で受賞作は1つにするのですが、両作品ともProduction I.Gが制作した作品なので今回は同時受賞としました。Production I.Gが制作した2作品に共通するのは、都市の描写がリアルで精緻であるということです。『BLOOD-C』では、夜の東京を、ライトで暗闇を貫きながら自動車が疾走する描写が非常にリアルでした。『図書館戦争』では、大阪上空をヘリコプターが飛行する俯瞰の描写が、臨場感たっぷりでした。

 

--最優秀音楽賞…『009 RE:CYBORG』

序盤の六本木ヒルズ森タワーのシークエンスや、島村ジョー(声・宮野真守)が赤い制服を身に纏って現れるシーン等、要所要所を重厚な劇伴で盛り上げた功績を評価しました。

 

--最優秀主演男優賞…佐々木望

『GOTHICMADE 花の詩女』の軍人トリハロン役。戦意を失った敵を完膚なきまでに叩く場面では、非難を浴びながらも、じっと耐えて任務を遂行しなければならない悲しみや苦悩を巧みに表現した点を評価しました。

 

--最優秀主演女優賞…川村万梨阿

『GOTHICMADE 花の詩女』のベリン役。軍事力を嫌っているため、軍人トリハロンに対して空中戦艦を遠くに追いやるよう皮肉を込めて要求する場面はまるで漫才のようで、ユーモラスな可愛らしさがありました。

 

--最優秀助演男優賞…西田敏行

『ももへの手紙』の妖怪イワ役。どっからどう見ても怪しさ全開なのに「怪しい者ではござらん」と自己紹介する場面や、主人公のもも(声・美山加恋)から通行手形を割ると脅された時の慌てふためくリアクション等、表情豊かで大変愉快なキャラクター像を作り上げた点を評価しました。

 

--最優秀助演女優賞…木村佳乃

『それいけ!アンパンマン よみがえれバナナ島』のバナナ島の女王バンナ役。映画の途中までは喧嘩腰の性格でしたが、しかし困難にもめげずに立ち向かう勇気を持った人物であるという女王らしさを生き生きと表現し、キャラクターを躍動させた点を評価しました。

(文:コートク)