本屋さんに行くと何故にあんなにも手書きPOPがついた本に心奪われてしまうのだろう……。
私が本屋さんを訪れるとつい目を奪われてしまうのが、書店員による手書きPOP。知っている本から、そうでない本まで様々なものを「絶賛」お勧めしてくれます。
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「買って良かった」と思えるものから「騙したわね裏切り者!」と罵りたくなるものまで様々あるわけですが……。
書店員手書きのPOPには2種類のものが存在すると聞きます。
(1)書店員が心から惚れ込み「売りたい本」
(2)書店員が誤って大量入荷したために「売りたい本」
本稿では、そんな書店員達のトラップをくぐりぬけた前者の「売りたい本」の方で、「買って良かった」と思えるものをご紹介したいと思います。
今回ご紹介するのはこちら
――いとしのムーコ1巻・2巻(みずしな 孝之/講談社:イブニング連載)
ごらんのようなドデカイPOPが私を惹きつけたわけです。
新刊コーナーの棚ですから、嫌でも目につきます。
ただしここで注意しなければならないのは、他の有名どころの新刊が5冊分くらいずつのスペースしか設けていないにも関わらず、「あまり有名どこでないこの本が“何故”棚1段占領しているのか?」。という点。
色んな葛藤が私の中で繰り広げられます。
こちらの本屋さん。つい最近までマンガの配置があまり良くありませんでした。巻数も全巻そろっていなかったり、POPも版元から送られる既製のものばかり。
書店員のやる気が“全く”感じられない本屋さんだったのに、久しぶりにおとずれるとコーナーは手書きPOPの嵐。
配置も見ると、旬のものから「ほぅ。書店員、あんた玄人だね」と思える入荷も。
これは私の妄想ですが、「担当が代替わりしたに違いない!」という直感のもと手にとってみました。
しかも2巻買いしちゃいました。
――感想
買って正解。ただし特別激しいアクションものでも、胸を締め付ける恋愛ものでもないため、「早く次次!」というタイプの本ではありません。
ガラス工房「GLASS STUDIO AMATO」を営むガラス職人のこまつさんと、その愛犬・ムーコの日常を“ゆるゆる”と綴ったマンガです。いわゆる“ほのぼの系マンガ”ですね。
「ほぅ。書店員、こういう本がタイプなのか」
と思いつつ、読み進めたワケですが、犬を飼った事がある人なら「あるある」と思えるシーンから、「犬ってこういう事考えてそうだよね」と思えるシーンまであり“ほんわか”しつつまったり読むことができました。
丁度、寝る前の枕元で読んだのですが、そういうシーンにピッタリくる本です。
寝る前に心落ち着かせたい時などにはお勧めの一冊です。
なお、3月22日には丁度3巻が発売されました。興味のある方は、布団のお供に是非3巻買いしてみてください。
(文:栗田まり子)