ビジョンクリエイターの河森正治が、2次元、3次元の枠を越えて著名クリエイターたちとともに新たなライヴエンターテイメントを創出する多次元プロジェクト“The Fool”。
その第1回作品である『ノブナガ・ザ・フール』の舞台プロジェクトが、7月20日、有明コロシアムでいよいよファイナルを迎える。
「LiveVoice(声優)」「LiveAct(俳優)」の両アクトが同じ舞台上で演じ、キャラクター原案のカズキヨネの描き下ろしのイラスト映像や、テーマソングを手掛ける吉俣良による感動的な音楽を織り交ぜた“新感覚のライヴエンターテインメント”とした反響を集め、舞台では1月より放映されているアニメプロジェクトのストーリーと並行しながらも、ちょっと違った展開や結末が描かれる。
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ファイナル公演“act3 ~最後の晩餐~”では、アニメでは序盤でミツヒデに暗殺されてしまったノブナガの弟、ノブカツ(LiveVoice:島﨑信長/LiveAct:浅倉祐太)が初登場。
公式ヴィジュアルブック(パンフレット)撮影現場に潜入し、島﨑信長に意気込みを語ってもらった。
■公式ヴィジュアルブック(パンフレット)撮影現場にスネーク
公式ヴィジュアルブックVol.3の撮影は3日間にかけて行われ、LiveVoice/LiveAct総勢19組が参加。
今回もA3サイズの大判で豪華版仕様となっており、「今回はキャラクターのキーカラーの照明を一部当てたカットと、白バックで撮るオフショットの2パターンで、対照的なイメージで撮影されている。今回はカズキヨネさんのイラストも大胆に掲載して、写真枚数も多く使う予定です」とアートディレクター氏(構成案をチラッと見せてくれたのだが(それぞれめちゃめちゃかっこいいページ構成となってます!)。
初登場となるノブカツのLiveVoice:島﨑信長が柔らかな笑顔で「お願いします」とセットに入ると、ノブカツのイメージに沿った静かな佇まいや芯の強さを表現していく。「どんなポーズでも決まるなぁ」「ですねぇ」とアートディレクター&カメラマン氏。続く白バックでの撮影では、「オフショットっぽくお願いします」の声に、満面の笑みでピースしたりと緩やかな表情を見せていたのだが、スタッフ一同「ファッション誌の撮影みたい~」と好評だった。
■撮影終了後の島﨑信長をキャッチ
舞台への思いを尋ねると、「これまで出演したキャストの方から、声と動き、音楽や映像といった色々なものが融合した、とても新しい形のエンタテインメントで面白いものだって聞いていたので、今回出演できるのがすごく嬉しいです。何より、アニメでは序盤で去ってしまったノブカツですが、舞台では今回が初登場ということで、彼を掘り下げていただけるのが嬉しいし、僕自身、演じるのもすごく楽しみですね。LiveActさんとはまだお会いしてないんですが、俳優さんの動きの表現と、僕らの声の表現が混ざり合って、より面白いものが生まれるのは素敵だな、と思います。楽しみでワクワクしつつ、初めてでもあるのでドキドキしています。今回LiveVoiceで初めて出演するのって僕だけなんですよね(笑)。アニメとは違った形のノブカツの活躍や結末があると思いますので、ぜひ思いっきり楽しんでいただければ幸いです」と、アニメとは違うストーリー、ノブカツ役を再び演じられる喜びを語った。
また、当日来る人に向けて、「“新しい形の面白い舞台”にとてもドキドキワクワクしております。舞台でのノブカツの行く末と、初参加の島﨑信長がどう混ざっていけるのか、見守っていただけたら幸いでございます。本当に素敵なメンバー、スタッフと一緒に、素敵な舞台をお送りしますので、ぜひ皆さん、楽しみにしていてください!」とメッセージ。
初登場ということもあり、無茶ブリの洗礼が飛び出すかも……?
「あ、前回あったって聞いてます(笑)。結果はどうあれ、全力で応えるようにしたいと思います」舞台でノブカツ絡みのアドリブが飛び出すのかにもぜひ注目してみてほしい(笑)。
■撮影最終日にはメインキャラそろい踏み―杉田智和「どうも、“かんぴょう”マンです」
撮影最終日にはノブナガ、ミツヒデ、カエサル、ダ・ヴィンチといったメインキャラクターたちが揃い、河森総監督もスタジオに訪れ、ノブナガのLiveVoice:宮野真守の撮影から見守っていた。
セットチェンジの間に「いい感じで写ってたね、あんなに動けないよ(笑)」と河森監督に声を掛けられた宮野は「楽しいです」と笑顔。瞬時に変幻しながらノブナガを表現してみせ、スタジオでも圧倒的な存在感を放っていたのが印象的だった。
また、ダ・ヴィンチの衣装に「どうも、“かんぴょう”マンです」と登場したLiveVoice:杉田智和は、前回撮影時同様コミカルなポージングを交えてスタジオの空気を明るくする。
それぞれのキャラクターに沿ったショットとラフな雰囲気でのショットで、キャラクターの持つ表裏一体な面が表現されるのもポイント。宮野真守をはじめ、ミツヒデのLiveVoice:櫻井孝宏のロングインタビューも掲載されているので、それぞれの思い、全貌はヴィジュアルブックで確認して欲しい。
撮影の合間には「まだ構想段階の部分があるんだけど」と前置きしながら、河森監督からキャストたちにファイナル公演の構想が伝えられていたのだが、アニメ最終話で描かれた結末とはちょっと違った、それぞれが抱える“理想の平和”に向けた人間模様や戦いがフィーチャーして描かれそうな予感。
会場も最大規模の有明コロシアムに移し、大きな会場ならではのステージセット、見せ方や動きとなりそうなので、アニメと舞台の両方を観ることで、「ノブナガ・ザ・フール」の世界観がより立体的なストーリーとなって紡ぎ出されるはずだ。アニメ版は先日最終話を迎えた「ノブナガ・ザ・フール」。
衝撃的な結末に、大きな反響を巻き起こした。果たして舞台版で描かれるノブナガは破壊王なのか救星王なのか。前回の舞台のラストでダ・ヴィンチ自ら引いた“死神”のカードが示すもの、そして“最後の晩餐”の意味とは――? 舞台版の結末、ぜひお見逃しなく!
■多次元プロジェクト“The Fool”オフィシャルサイト
http://the-fool-project.jp/
(取材・文:高橋公子)