ネットに度々目撃情報が投稿され「ナニコレ」「リーゼントプリウス?」と物議をかもし、業界関係者さえも「燃費を意識しているのかしていないのか分からない……」と困惑させているという珍プリウスが、幕張メッセで開催されているアジア最大級のキャンピングカーの祭典『ジャパンキャンピングカーショー2015』(2月16日まで開催)に参加しているというので見に行ってきました。
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■ネットでしばしば目撃情報が話題になる通称「リーゼントプリウス」
通称「リーゼントプリウス」と呼ばれる変わった形のこのプリウス。長野にあるかーいんてりあ高橋という会社が販売しているもので、プリウスべースに開発されたハイブリッドキャンピングカー「リラックスキャビン」が正式名。『2012年東京オートサロン』で初披露され、見る者を驚愕もとい困惑させたという伝説の一品です。
このリーゼントプリウスについては、筆者も一応キャンピングカーのオーナーでもあるため、ショップなどの噂で聞いてはいましたが、実際に見るのはこの日が初めて。ワクワクしながらチェックさせていただきました。
説明書きによると、乗車定員は5人に対し就寝は4人。中の仕組みは、上に乗った部分がバンクベッド(取っ手を引っ張るとベッドになる仕組み)になっていて、就寝時はここに最大2人寝られるようです。そして下段はシートをフラットにすることができ、その状態でさらに2人が就寝可能。シートを全部フラットにした状態で内装をみると、「宇宙ステーション」の中っぽくてなんだかカッコイイ。
そして後部からの出入口の脇に、ちょっとした収納棚が。この中には電子レンジや、簡易トイレを設置することが可能。何を設置するかについてはオーダー時調整できると思われるので、荷物置き場や洋服ダンスなどオーナーによって色々工夫ができそうです。
他に後部部分では一応少し立てるスペースがありますが、立って歩き回れるほどでのスペースはありません。
あくまで立てるというレベル。そのため、就寝4人という設定になっていますが、快適性を望むならば1人か2人ぐらいで使うのが丁度いいのかな?という印象を受けました。
気になるお値段ですが、ベースを持ち込んだ場合には240万(税別)※、本体込みの場合にはグレードにもよりますが最大546万(税別)※になっています。一般の方には少し高いと感じるかもしれませんが、キャンピングカーという「究極の趣味車」の世界ではこれは割とあたりまえ。
しかも一般でよく知られるサイズのキャンピングカーの場合には、だいたい高さ約3m、幅約2m~2m40cmとあるので、キャンピングカーと別に日常用の車を1台所有するのが常ですが、このリーゼントプリウスの場合には、幅約1m70cm、高さ約2mと一般車と変わりません。普段使いできるという点を考えると、ぐっとお手頃感が増す一品かと思われます。
※価格はカタログなどで紹介されたものを参考にしています。また価格は本体やオプションなどの影響により変動する可能性があります。実際の値段はお店にご確認ください。
■ホンダのコンセプトモデル『N-TRUCK』『N-CAMP』が本当にお洒落
さてさて、キャンピングカーのこの手のイベントでは、このリーゼントプリウスのように、珍しい車が多く集まる場所でもあります。
折角おとずれたので今回注目される他の車も見てみましょう。
今回筆者はリーゼントプリウスを目的に訪れましたが、イベント自体でいうと、日産自動車が発表したコンセプトカー『e-NV200 バーベキューカー』と、ホンダのコンセプトモデル『N-TRUCK』『N-CAMP』の2つが大きく注目されていました。
まず先に見つけたのがホンダのコンセプトモデル『N-TRUCK』。
軽乗用車『N-BOX』をベースに全長50cmカットしたもので、『N-CAMP』は牽引して運ぶトレーラーハウス。『N-TRUCK』と『N-CAMP』は色味をあわせ一体感のあるお洒落な外観になっています。
『N-TRUCK』と『N-CAMP』はあくまでコンセプトモデルなので販売されてはいませんし詳細情報も分かりませんが、気になる牽引免許が必要になる条件750kg以上にはみえないような気がします。あくまで筆者個人が、他社のトレーラーハウスと目視で比較しただけですが経験上ではそう思えます。
そしてこの2台は、連結した状態で普通の駐車場に駐車できるようになっているそうです。キャンピングカーというと、駐車場に少し困る時がありますが、普通の駐車場に駐車できる長さというのはいいですね。
気になる就寝部分ですが、「室内には大人2人が十分過ごせるサイズの収納ロフトベッドを装備」と紹介されていました。展示された状態ではよく分かりませんが、恐らく奥にあるベッド部分を引き出す仕組みなのでしょうか?だとすれば充分に2人寝られる広さになりますね。
そして『N-TRUCK』は単体でも走行可能。トレーラー部分は使用しないときは、駐車場に置いておくことができるので、こちらも普段使いできますね。ちなみに『N-TRUCK』の荷台部分を開けて見せていただいたところ、買い物で買ってきたものなどを入れるのには充分なスペースが確保されていました。
■日産の斜め上行くコンセプトカー『e-NV200 バーベキューカー』が実用性ガン無視で潔い
次に訪れたのは、日産自動車が発表したコンセプトカー『e-NV200 バーベキューカー』の展示場所。
これまで紹介した2台は、普段使いも意識した提案をしているのに対し、日産は少し斜め上というか……「バーベキュー」だけに特化したコンセプトカーを提案しています。
ちなみに、『e-NV200 バーベキューカー』の企画・協力者は放送作家の鈴木おさむ氏、そして監修は日本バーベキュー協会が行っています。
ベースはEV車の『e-NV200』。そのためオール電力でバーベキューが楽しめる仕組みになっています。電力確保は車から以外にも、外付けソーラー式補助電源からも確保できます。可動時間は想定2時間から6時間。ただ最近ではキャンプ場でも給電設備の設置が進んでいるので、あまり電力確保については心配する必要はなさそうですね。
使用する時は車内に格納されたバーベーキューユニットを外に引き出して使うようになっており、ミニキッチンなども装備。屋外で大勢で集まるイベントにはちょっとした「マイ屋台」的な役割で活躍しそうです。ただし!スタッフの方に話を聞いてみたところ、車中泊をするようなスペースはないとのこと。これぞ「趣味車中の趣味車」という感じじゃないでしょうか?
なお、クラウドファウンディングを通じて集めた資金で、「超音波とアロマの効果を通じ蚊を寄せ付けない機能」などの搭載も予定しているとのこと。バーベキューを野外で楽しむための最高設備を目指していくそうですよ。
さてさて、今回ご紹介した「究極の趣味車」の世界。キャンピングカーというと、値段もはるし、なかなか手が届かないよぅ。という方も多いのでは?確かに新車の場合には1千万以上がざらの世界。しかし、中古市場で出回るキャンピングカーは100万前後のものから存在します。
またキャンピングカーは普通車に比べ値崩れを起こしにくい資産価値のあるものともされています。20年近く前のキャンピングカーが150万する!なんてことはよくある話なんですよ。
今回のようなショーは特別な車だけが集まりますが、「一度見てみたい!」と気になる方は一度近くのショップに足を運んでみてはいかがでしょうか?