「ハイタッチ!」と言わんばかりに、その可愛い肉球を高らかに上げている7匹のにゃんこたち。こちらの作品は、淡路島在住の彫刻家、花房さくらさんが芸術大学の博士前期課程の修了制作として2016年に発表したもの。花房さんは、人が笑顔になる時はどんな時かを考え、アイドルの握手会から着想を得て、明るくて元気になれる「ハイタッチ」を題材とした、この木彫作品「high-seven」を作り上げました。
見て楽しむだけじゃなく、面白い体験ができる装置をつくりたい!大学院の修了制作の「high-seven」は、実際に猫とハイタッチできる作品でした。またこういうのつくりたい。 pic.twitter.com/lO48jPTnsP
— 花房さくら (@hanafusa_sakura) March 23, 2019
Twitterでは、「玄関に置きたい」「駅前に置いて欲しいです。出勤前に猫さんとハイタッチ」「どの子も可愛い」などの声が多く見られました。中には、写真の角度によって猫の目線が違う気がするというコメントも!花房さん曰く、瞳孔をはっきり描いていないので、光の加減で視線が変わったように見えるのかもとのこと。実際ハイタッチする時に、視線が自分の方を向いていたら、なんだか嬉しくなってしまいますね。
作品になっている7匹の猫たちは、一匹が花房さんのご友人の飼い猫をモデルとし、あとの6匹は花房家で実際に飼われていた歴代のオス猫たちがモデルになっているとか。この7匹という数にも意味があり、もともと男性アイドルグループをイメージして、奇数にしたほうがアイドルグループらしさが出せると思い、最終的に友人宅の猫もモデルとして加入させたそうです。制作する際に、実在する猫ということもあり、それぞれの性格や、表情・仕草に近づけるように心がけたとのこと。
アイドルグループというと、立ち位置にもかなり頭を悩ませたのでは?と思い聞いてみたところ「立ち位置は特に決めていません。見る方に自由に想像していただけると嬉しいです。並び順も試行錯誤した上、自分がしっくりくる順番におさめました」とのこと。
さらに「high-seven」というタイトルは、英語でハイタッチを「high-five」ということから、それをもじって付けたそうです。しかしながら、花房家の猫たちは、まだ一度もハイタッチをしてくれたことは無いそうで、今後の猫たちの気まぐれな行動に期待しているようでした。猫たちが乗るボードにも工夫があり、台座部分は、サーフィンと雲の中間を目指して作ったとのこと。
ちなみに、こちらの作品は、2016年の台北アートフェアに出展した際に、北京の方が購入されたそうで、残念ながら個人宅にあるため、現在は実物を見ることはできないそうです。
「見る人を笑顔にしたい」と思って作っていたら、自然と猫たちも笑顔に近づいていったという花房さん。猫たちとハイタッチできたら、朝から元気を注入してもらえそうですね!
<記事化協力>
花房さくらさん(Twitter:@hanafusa_sakura / HP:hanafusa-sakura)
(黒田芽以)