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ウルトラマン訴訟アメリカ控訴審判決 再び円谷プロの勝訴

 日本が誇る特撮ドラマシリーズの金字塔「ウルトラマン」シリーズ。この一部作品の海外利用権をめぐって、権利を保有すると称する人物から承継した企業と、円谷プロダクションが裁判で争っていましたが、アメリカの控訴審で判決が下り、円谷プロの勝訴で決着しました。

  •  このトラブルは、タイ人実業家のサンゲンチャイ・ソンポテ氏が1976年、当時交流があった円谷プロダクションの円谷皐社長から「ウルトラマン」シリーズの日本を除く全世界での利用権を譲渡された、と契約書を示して主張したことに始まります。これにより、1976年当時に存在していた「ウルトラマン」シリーズ作品(「ウルトラマンレオ」まで)を円谷プロ側が海外展開するのは権利の侵害である、というわけです。

     その後サンゲンチャイ・ソンポテ氏は、自らが主張する「ウルトラマン」シリーズの日本国外利用権を日本のユーエム株式会社に譲渡。ユーエム株式会社はこれに基づき、海外企業に対しシリーズのライセンスビジネスを行ってきました。

     ユーエム株式会社は、2015年5月18日付で円谷プロに対し「ウルトラマン」シリーズ日本国外利用権の帰属確認と、損害賠償の支払いを求める訴えをアメリカのカリフォルニア中央区地方裁判所に起こします。これに対し、円谷プロも2015年9月11日付で、ユーエム株式会社とそのライセンシー(ライセンス契約を結んで商品展開をしている企業)に対し、権利の帰属確認と損害賠償の請求を反訴。全面対決となりました。

     この問題のキーとなったのが、サンゲンチャイ・ソンポテ氏が受け取ったと称する、円谷皐社長の署名が入った契約書。円谷プロ側は、この契約書が偽物であるとして争っており、訴訟ではこの契約書にある円谷皐社長の署名が本物(真正な契約書)か、偽造されたものであるかが主な争点となりました。

     カリフォルニア中央区地方裁判所の第一審では、1976年に作成されたとするこの契約書が、申請に作成されたものではないという判断がなされ、円谷プロ側の勝訴。これを不服としたユーエム株式会社側が控訴していました。

     円谷プロのプレスリリースによれば、2018年5月7日にユーエム株式会社が控訴し、控訴裁判所にで審理が続いていましたが、2019年12月9日、1976年に作成されたとする契約書は真正なものではないという一審判決および陪審員の評決を全面的に認め、これを支持。円谷プロの勝訴となりました。

     アメリカの司法も三審制であり、ユーエム株式会社側が連邦最高裁に上告する可能性がありますが、円谷プロによると連邦最高裁が上告を受理することは稀であり、おそらく受理されることはないだろうとの報告を円谷プロの代理人から受けているとのこと。

     上告審の可能性はゼロではありませんが、今回の控訴審判決が確定する可能性は高そうです。長年続いた訴訟合戦も、これで終結ということになれば「ウルトラマン」シリーズのヒーローたちにとっても、一安心というところではないでしょうか。

    <参考・引用>
    株式会社円谷プロダクション 2019年12月10日付プレスリリース

    (咲村珠樹)

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