非売品ジブリグッズコレクターがおくる「ジブリグッズラボ」。今回は前編(2020年12月5日掲載)に続き、非売品卓上型スタンディの後編として2004年~2014年のスタジオジブリ作品卓上型スタンディを紹介していきますよ!
■ ハウルの動く城(2004年/監督:宮崎駿)
第一弾ポスターデザインを模した卓上型スタンディで、10月~11月の2か月にわたりローソンパスのポイントに応じてもらえました。
100ポイントで応募すると抽選で各月100名。2000ポイントで応募すると先着で各月300名にプレゼントされたので、出回った数量はほかのスタンディよりも多めですね。
造形に関してはポスターから出てきたかのような迫力のあるもので、素晴らしい完成度になっています。
アルアル破損ポイントとしては、誰が何と言おうと突き出した前脚(笑)
造型の迫力を出すためにこの突き出した前脚は必要不可欠なんですけれども……両立というのは難しいですね。あとは台座と本体部分の繋ぎ面積があまりないので、輸送中にそこからポッキリと……私の一代目はその被害者です(笑)
せめて板状の背景バックを城本体と一体で作ってやればだいぶ強度は変わるんですけれどねぇ。
■ ゲド戦記(2006年/監督:宮崎吾朗)
宮崎吾郎監督が描いたラフを元にした第一弾ポスターデザインです。
ローソンパスでのポイントやローソンLEncore(エルアンコール)会員限定で利用に応じてもらえました。ローソンパスでは5月~7月の2か月に50ポイントで応募すると各月50名(計150名)に抽選でプレゼント。6月~7月の2か月に3000ポイントで応募すると各月300名(計900名)に先着でプレゼント。LEncoreでは新規入会で5000円以上の利用で750名に抽選でプレゼント。入会済みの人は10000円以上の利用で150名に抽選でプレゼントと、出回った数量は他のスタンディより多いのではないかと思われます。
強度問題からかどうかはわかりませんが、ハウルの時とは違って背景バックと竜本体が一体になっているので本体強度は上がっています。再現度はとても高く、製品化されている竜よりこっちのほうが良いのではないかと思ってしまうぐらい(笑)
アルアル破損ポイントは主人公のアレンぐらいなのですが、このスタンディに関してはあまりアレンの破損しているものを見ないんですよね。
■ 崖の上のポニョ(2008年/監督:宮崎駿)
鈴木プロデューサーがラフを描いた第二弾ポスターデザインです。
海やクラゲを再現するために大部分がクリアーの樹脂で製作されています。
見た目のインパクトもさることながら、その美しさは至高。台座の内側も空洞になっているので、ライトアップすればかなり芸術的なスタンディになります。
アルアル破損ポイントはしいて言うならば上端部の船ぐらいです。細かい造形部があまりないからか、こちらのスタンディもあまり破損したものはみかけないですね。
■ 借りぐらしのアリエッティ(2010年/監督:米林宏昌)
米林監督がラフを描いた第一弾ポスターデザインになっています。
「人間に見られてはいけない」というコピーの割にアリエッティがカメラ目線なのはご愛敬(笑)
卓上型スタンディはここら辺から立体化が更に加速します。アリエッティは半立体ではなく、完全なフィギュアとなりましたしツタから生えた葉の部分も全て立体物になっています。
葉の部分は折れやすいのでかなり厚めな造型にしてありますね。
破損ポイントとしては、葉の先端が破損しているものをよく見かけますが、細かい造形の割にしっかりとした作りになっているのが印象的です。
■ コクリコ坂から(2011年/監督:宮崎吾朗)
宮崎駿監督がラフを描いた第一弾ポスターデザインになっています。ヒロインの海がまだイメージ段階のものなのが印象的です。
アリエッティから引き続き、こちらもかなり力を入れた立体造形物になっており、インパクトは大。
その分、やはり破損ポイントがとても多いので取り扱いには細心の注意を払わなければなりません。
破損ポイントとしては、風になびいている海の両お下げ髪とエプロンのヒモ部分。
とにかくこれが厄介です。実はお下げ髪部分ははめ込み式のダボになっているので輸送中は外せば破損リスクはかなり低くなりますが、エプロンのヒモ部分は一体になっているのでとても折れやすいです。
あと地味に破損しやすい部分としては、台座にはめ込み式になっている海の足の部分。
こちらも揺れに弱くヒビや折損があったりします。コクリコ坂からのスタンディは一番破損ポイントも多くバランスが悪いので、スタンディの中では一番取り扱いには気を使います。
■ かぐや姫の物語(2013年/監督:高畑勲)
翁の手の中にいるかぐや姫を描いた第一弾ポスターデザインになっています。右上に小さく描かれている媼もちゃんと再現されているのがポイントです。
水彩調の淡い色使いの塗装はイメージを全く損なうことなく再現されており、造形は文句なしの完成度。
見てのとおり細かい造形は一切ないので、アルアル破損ポイントはナシ。重量もあり底面積も広く、高さもないのでとても安定したスタンディになります。
■ 思い出のマーニー(2014年/監督:米林宏昌)
米林監督ラフを描いた第一弾ポスターデザインになっており、マーニー本体は完全なフィギュアになっています。
風になびくネグリジェとうねりのあるロングのくせ毛がうまく再現されていて、今にも動き出しそうな造型となっています。
背景板とフィギュア本体はコクリコ坂と同様に分かれていて、強度には不安が残るところではあります。
■ 番外編・魔女の宅急便(1989年/監督:宮崎駿)
今回は番外編として魔女の宅急便を扱います。なんで番外編なのかというと、状況証拠と憶測でのお話なので番外編にしました。
こちらは徳間コミュニケーションズ製の初期型のジジ。
初期型の特徴は現在では黒いヒゲが白になっていることと、尻尾に針金が入っていることにより自由に可動すること。作中では首回りに一切の装飾をしていないジジですが、ぬいぐるみでは赤いリボンに鈴をしていますね。
そしてもう一つが徳間コミュニケーションズ製の宣伝用のジジのぬいぐるみ。
こちらは黒地のリボンにハートが入っており、タグに「89夏 魔女の宅急便」と明らかに宣伝用とわかります。
もしかしたら関連書籍の販売フェアなどで使われたものではないかと思います。そしてこのぬいぐるみが劇場用卓上型スタンディの先駆けになったのではないかとも思うんですよね。
(非売品ジブリグッズ収集家・くろすけ/@kurosuke4313)