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同調のつもりがマウントに……娘とのやり取りを描いた漫画が心に刺さる

 「同調しているつもりでマウント取ってたりしない?」何気ない親子のやり取りに込められたメッセージに思わずハッとしてしまいます。

 漫画家のきよまろさんが描いた実話を元にした4コマ漫画が、特に小中学生のお子さんを持つパパママ必見の内容となっています。この内容、思い返すと身に覚えのある方も多いのではないでしょうか。

  •  きよまろさんは「おじょうさんはド直球」というタイトルの4コマ漫画(時々短編漫画)をツイッターに投稿しており、今作はその37話目。主にきよまろさんと小学3年生になる娘さん「りこ」さんのエピソードが中心に描かれています。

    帰宅した娘さん。反射的にきよまろさんも疲れたーの一言。

     漫画はりこさんが小学校から帰宅したところから始まります。帰宅したりこさんは開口一番に「疲れた~」という言葉を口にしますが、この日はきよまろさんも多くの仕事をこなし、お疲れ気味。「おかえりー」の後、無意識に「お母さんも疲れたー」と被せてしまいます。

    いかに疲れたかを何気なく口にするきよまろさん。悪気はないのでしょうが……。

    娘さんからグサリと刺さる一言。

     続けて今日の仕事の大変さや、その後の仕事のことをブツブツと口にするきよまろさん。きっと娘さんの発言に理解を示し、同時に頑張った自分を労う意味合いもあったのでしょう。しかし娘さんには違うニュアンスで伝わった模様。続くコマにて「りこはお母さんのそういうところ嫌い」と手厳しい一言。

    思いをはっきり口にする娘さん。実際に言ってくれる子どもは少ないでしょう。

     最後のコマでは「りこが『疲れた』っていったら『お疲れ様』とか『頑張ったね』とか言って欲しいだけなのに、どうしていつも被せてくるの?」という言葉に対してきよまろさんは「気を付けます」と一言。そして「同調しているつもりがいつの間にかマウントを取っていたことに気付いた」というコメントと共に漫画は締めくくられます。

    投稿された漫画

     この状況は、親子間でとても「あるある」な出来事だと感じます。普段から「比較的思っていることははっきり言うタイプ」というりこさんだからこそ本音を伝えてくれた部分もあり、多くのお子さんは親にこのように言われたら何も言い出せない=自分の発言に対してマウントを取られていると感じるのではないかと思います。同学年の娘を持つ筆者も身に覚えがあり過ぎて、気を付けなければいけないなと自分の行動を反省しました。

     きよまろさん自身は娘さんとフラットな関係、いわゆる「友達親子」のような関係を築きたいと模索しており、友達に同調するような感覚で発言をしたとのことですが、娘さんからすると「母親」に対して投げかけた言葉。同調ではなくしっかりと言葉を受け止めたうえで、甘えたいとか労ってほしいとかさまざまな感情があったのでは、ときよまろさんは推察しています。友達親子という関係性はもちろん素敵ですが、やはりそこは母親としての役目もきちんと果たさないとな……と猛省したと当時を振り返っています。

     とはいえもちろん、お父さんもお母さんも一人の人間。どうしようもなく疲れてしまうこともあるでしょう。いかなる時も全てを受け止められる聖人君子を目指しましょう、というわけではなくただ一言でも、話しかけてくれた子の気持ちを考え、子の立場に立った発言を心掛けるよう意識することが大切なことなのでは、と感じます。

     言葉を聞き入れたうえで条件反射的に同調するのではなく、子どものためにどういう発言をしてあげられるのか、を考える事は他の誰でもない父親や母親にしか出来ない事。自身もまだまだ父として未熟な点が多く、日々子どもから学ぶことだらけですが、改めてこの記事を読んでいるお父さん、お母さんにも子どもとのやり取りについて考えるきっかけになったらと思います。

    <記事化協力>
    きよまろ@4コマ漫画時々短編さん(@sobomiyako98)

    (山口弘剛)

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  • 山口 弘剛‌Writer

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    鹿児島出身・鹿児島在住。私生活では妻と共に2人の子どもを子育てしながら、地元のサッカークラブを熱烈応援中。仕事は元アパレル店長、元ゲームショップ店長を経験。現在はライター、イラストレーターとして活動。

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